最終更新日 2021年8月4日

気づくとお風呂にこもっているイヤな臭い。

酸っぱい臭いや下水のような臭いをどうにかしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

お風呂の臭いは、臭いの発生源や汚れの種類によって異なります。

特に下水やドブのような臭いがする原因のほとんどは排水溝です。

この記事では、お風呂の排水溝が臭い代表的な3つの原因と対策方法を解説します。

臭い対策に使える市販アイテムもご紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

風呂の排水溝が臭くなる代表的な3つの原因と対策方法

お風呂の排水溝が臭くなる主な原因は汚れやゴミの蓄積です。

中でも汚れやゴミが溜まりやすく、臭いの原因になっているのは、「ヘアキャッチャー」「排水トラップ」「排水管」の3箇所です。

臭いの主な原因は汚れやゴミですが、臭いが発生する理由や対策方法はそれぞれ異なります。

以下で詳しく見ていきましょう。

原因①:ヘアキャッチャーが汚れている

髪の毛やゴミなどが排水管や排水トラップに流れていかないようにするために設置されているヘアキャッチャーは、汚れが溜まりやすい場所です。

人は1度の洗髪で30本〜50本の髪の毛が抜けるとされているため、こまめに取り除くことが大切です。

溜まった髪の毛を放置してしまうと、髪の毛に石鹸カスや皮脂、垢などが絡まり、ぬめりや雑菌による臭いが発生するようになります。

では、ヘアキャッチャーの汚れが原因の臭いにはどのように対策を行えばよいのでしょうか。

ヘアキャッチャーには、2つの性質の汚れが混在しています。

それぞれの汚れやゴミの性質は以下の通りです。

皮脂・垢・湯垢 酸性
水垢・石鹸カス アルカリ性

酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤や重曹、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤やお酢、クエン酸を使用して汚れを落としましょう。

原因②:排水トラップにゴミが溜まっている

ヘアキャッチャーで取り切れなかった小さなゴミや石鹸カス、髪の毛、皮脂、垢はそのまま排水トラップまで流れ、少しずつ蓄積していきます。

特に髪の毛や垢はタンパク質なので、時間が経過するごとに腐敗し、ドブや下水のような臭いを発するようになります。

排水トラップに汚れやゴミが蓄積すると、ゴミや汚れがゼリー状に固まり、つまりの原因となるのでこまめな掃除を心がけましょう。

そもそも排水トラップとは、下水や虫を防ぐ役割を持つ仕組みです。

浴槽に溜まっていた水やお湯は浴槽側の排水口から出ている管の中を通って洗い場の排水口に繋がっています。

浴槽側の排水溝と洗い場の排水溝を繋ぐ管は、水の流れを屈折させるように作られており、このような仕組みは排水トラップと呼ばれています。

排水トラップは水が一定量溜まっている状態を保ち、下水の匂いを遮断するというメリットがありますが、一方で汚れやゴミが溜まりやすい点はデメリットです。

排水トラップが原因でイヤな臭いがする場合は、排水トラップを分解して汚れやゴミを掃除します。

排水トラップの掃除を行うために用意するものは「中性洗剤」と「歯ブラシ」です。

まずは排水溝のカバーとヘアキャッチャーを順番に外していきます。

ヘアキャッチャーまで外すと下に「封水筒」と呼ばれるバケツ状のものが設置されているため、反時計回りに回して外しましょう。

封水筒は下水から悪臭が上がってくるのを防ぐ役割を持つ「封水」を溜めておくためのものです。

封水筒が汚れている場合は、まずゴミを取り除き、中性洗剤と歯ブラシを使ってこすり落としましょう。

原因③:排水管に汚れが溜まり、つまっている

ヘアキャッチャーや排水トラップは綺麗なのに排水溝が臭い場合は、排水トラップに繋がっている排水管に汚れやゴミが蓄積していたり、つまっていたりする可能性があります。

お風呂で使った水には髪の毛、皮脂、垢、石鹸カスなどが含まれているため、排水トラップを通過したものは時間が経つにつれて少しずつ蓄積していきます。

排水管の中で蓄積した汚れやゴミがゼリー状に固まってしまうと、排水管がつまってしまったり、水漏れを起こしたりするケースがあるため、こまめな掃除を心がけましょう。

自分で掃除できる範囲の汚れやゴミは液体パイプクリーナーや、ブラシ状のパイプクリーナーで掃除が可能ですが、排水管の奥の汚れやつまりは専門業者への依頼が必要です。

無理に自分で解決しようとすると排水管を傷つけてしまう恐れがあります。

「掃除したけど臭いが消えない」という場合は専門業者に依頼しましょう。

しつこい風呂の排水溝の臭いに使える!市販の対策アイテム6選!

嫌な臭いを解消するために自分で掃除する時には、市販のアイテムがとても役立ちます。

市販のアイテムを使用する場合は、掃除をする箇所や汚れの性質によって使用するアイテムを選ぶことが大切です。

ただし、一緒に使うと有毒なガスが発生するものもあります。

正しい使用方法を確認してから使用するようにしましょう。

【1】重曹

重曹はアルカリ性なので、酸性の汚れである皮脂・垢・湯垢などの汚れが中和され、効率よく汚れを落とすことができます。

重曹は小麦製品をふんわりと膨らませるための「ふくらし粉」やゼンマイやワラビのアク抜きにも使用されているほど人体に優しい成分でできています。

重曹はシンプルな粉状のものなので工夫次第でさまざまな使い方ができるのが特徴です。

例として以下のような使用方法があります。

使用方法 手順
重曹ペースト 重曹:水を3:1の割合で混ぜて使用する。汚れがひどい箇所には、重曹ペーストを塗って30分程度置き、軽くこすって汚れを落とす。
重曹とクエン酸で二酸化炭素を発生させる 重曹を排水溝にまんべんなくふりかけ、コップ1杯の水にクエン酸をスプーン1杯ほど混ぜたものを重曹をかけた箇所に注ぐ。15分程度放置し、しっかりと洗い流す。
つけおき 残り湯にカップ1杯の重曹を溶かし、排水溝のカバーやヘアキャッチャーを沈めて一晩つけ置きをする。翌日、汚れは軽くこすり洗い流す。

重曹を風呂の排水溝掃除に使う場合の注意点は強くこすらないことです。

重曹には研磨性があるため、強くこすりすぎると排水溝の部品や排水管を傷つけてしまいます。

傷がついた部分に汚れが入り込むと、汚れを落としにくくなってしまうため、重曹を使用する際は力を入れずにこすりましょう。

【2】クエン酸

クエン酸は酸性の性質を持っているため、アルカリ性の汚れである水垢や石鹸カスなどを効率的に落とすことが可能です。

水に溶かして使用する場合は3%程度の濃度を目安にして使用しましょう。

調味料の酢(穀物酢)でも代用可能です。

クエン酸には以下のような使用方法があります。

使用方法 手順
クエン酸粉末 粉末をスポンジにふりかけてこすったあと、よく洗い流す。
クエン酸スプレー スプレーボトルに水200mlと小さじ1のクエン酸を入れ、よく混ぜる。綺麗にしたい箇所に吹きかけてこする。
クエン酸湿布 汚れを落としたい箇所にクエン酸水を吹きかけ、キッチンペーパーをあて、その上にラップを被せる。

クエン酸は重曹と同様に食品添加物としても使用されているほど人体に無害なものですが、注意点もあります。

クエン酸の注意点は揮発性がないので、しっかりと流さないと成分が残ってしまう点です。

また、大理石や金属など素材はクエン酸によって傷んだり錆びたりしてしまうため、使用する前に確認しましょう。

【3】カビキラー/ジョンソン

カビキラーは「塩素系漂白剤」という洗剤です。

カビキラーの中に含まれる「次亜塩素酸塩」という物質が黒カビを分解し、使用した箇所を白くします。

カビキラーは木製の製品やアルミ、鉄などの金属製品には使用できません。

また、カビキラーのような塩素系の洗剤と酸性のクエン酸を混ぜると有毒なガスが発生するため、絶対に同じタイミングで使用しないようにしましょう。

カビキラーの正しい使用方法は以下の通りです。

  1. 排水溝の排水トラップやヘアキャッチャーに吹きかけ、5〜10分放置する。
  2. 水でしっかりと洗い流す

頑固な汚れの場合は20〜30分ほど放置するのが効果的です。

放置する際、吹きかけた場所に上からラップを被せると泡が留まるので効率的に成分を浸透させることができます。

【4】パイプユニッシュプロ/ジョンソン

パイプユニッシュプロは排水管用の洗剤です。

パイプユニッシュプロには「水酸化ナトリウム」と「次亜塩素酸塩」という成分が含まれており、それぞれ以下のような働きがあります。

  • 水酸化ナトリウム:髪の毛や垢などのタンパク質を溶かす
  • 次亜塩素酸塩:漂白と殺菌効果を持つ

パイプユニッシュプロは従来の商品であるパイプユニッシュより粘度が高いため、しっかりとパイプに留まり、汚れを溶かします。

パイプユニッシュプロの正しい使い方は以下の通りです。

  1. 排水溝やその周りに液をかける
  2. 15〜30分放置し、しっかりと流す

パイプユニッシュプロをお風呂の排水溝に使用する場合は月1〜2回の使用が目安です。

パイプユニッシュプロはカビキラーと同様に酢やクエン酸など、酸性の性質をもつものとは一緒に使用することができないので注意しましょう。

【5】パイプクリーナー/SANEI

排水管がつまっている場合はブラシタイプのパイプクリーナーを使用しましょう。

液体パイプクリーナーでつまりが取れなかったという場合はワイヤータイプのパイプクリーナーを使用するのがおすすめです。

ワイヤータイプのパイプクリーナーには、先端にブラシがついているものと、金具がついているものがあります。

SANEIのパイプクリーナーはワイヤーの先に螺旋状の金具がついており、この金具で汚れを絡め取る仕組みになっています。

ワイヤータイプのパイプクリーナーの使用方法は以下の通りです。

  1. ねじを反時計回りに回して緩め、ワイヤーを引き出す
  2. 排水溝の中に入れ、奥へと進めていく
  3. つまりを感じたら、ワイヤーを回したり、出し入れしたりしながら汚れを絡め取る

つまりが解消されたら、水を流して確認しましょう。

注意点は深いところのつまりを取ろうとすると引き上げる際に先端の金具やブラシが引っかかってしまう場合がある点です。

5m以上奥にあるつまりは素人では難しいため、専門業者に依頼しましょう。

【6】髪の毛トリトリEasyネット/ボンスター

髪の毛トリトリEasyネットはヘアキャッチャーの上に設置するネットです。ネットの周りにはプラスチック製の円形シートがついており、ザル状になっているため、ヘアキャッチャーがはまっていた部分に取り付けるだけで設置が完了します。

ヘアキャッチャーはこまめな掃除だ必要ですが、髪の毛トリトリEasyネットは使い捨てなので、掃除をする必要はありません。

こまめに掃除をするのが難しい方にはおすすめのアイテムです。

風呂の排水溝の臭いを抑えるための3つのアイデア

臭い対策にはこまめな掃除が基本です。

しかし、中には時間がなかったり掃除が苦手だったりと様々な理由でこまめに掃除ができないという方もいるはずです。

「こまめな掃除が必要とはわかっていても、なかなか掃除ができない」という方や、「掃除以外でも何か対策をしたい」という方も工夫次第で臭いの発生を抑えることが可能です。

ゴミ取りシートやネットを使う

使い捨てのゴミ取りシートやネットは毎日の掃除の負担を軽くすることができます。

ゴミを溜めない仕組みは排水溝の臭いの予防にとても効果的です。

商品のサイズは自宅の排水溝に合ったものを選び、使用方法を守って使用しましょう。

ヘアキャッチャーにアルミボールを入れておく

アルミホイルを丸めてつくるアルミボールは水に触れると金属イオンが発生します。

金属イオンには抗菌効果があるため、雑菌が原因で発生するぬめりに効果的です。

アルミボールを作るときは固く丸めすぎないようにしましょう。

緩く丸めることで表面積が大きくなるため、抗菌効果を高めることができます。

入浴した後は浴室を乾燥させる

浴室のパッキンだけではなく、排水溝の周りなどにも発生しやすいカビは湿気が高い環境を好みます。

使用後は換気扇などで浴室をしっかりと乾燥させることでカビの発生を防ぐことが可能です。

余裕があれば、入浴後に水切りワイパーなどで浴室の水気を切るとカビの発生をさらに抑えることができます。

風呂の排水溝の臭いの原因は汚れやゴミの蓄積が8割!

お風呂の排水溝は、髪の毛や皮脂、垢、石鹸カスが集まるためなのでとても汚れが溜まりやすい場所です。

汚れを放置してしまうと雑菌が繁殖し、イヤな臭いを発するようになります。

ヘアキャッチャーや排水トラップは歯ブラシと市販のアイテムがあれば自分で対策することができますが、排水管の場合は専門業者に依頼した方がいいケースがあります。

専門業者に依頼した方がいいケースとは、「排水管のつまりが5m以上奥にある時」「そもそも臭いの原因がわからない時」です。

排水管のつまりは水漏れの原因にもなりかねません。

早めに対策をして排水溝のイヤな臭いのない快適な生活を送りましょう。