賃貸マンションで階下に水漏れさせてしまった…賠償や保険適用はどうなる?行うべき対応の流れを解説します。
最終更新日 2021年11月26日
日常での水回りのトラブルはいつでも起こり得ます。
その中でも、マンションなどの集合住宅で階下までに及ぶ水漏れは非常に困る事例です。
酷いときは賠償責任などの問題にも発展していってしまいます。
どの家庭でも起こる可能性のある水漏れについて、原因や対処法、賠償責任について今回はご紹介していきます。
マンションで水漏れをしてしまった!その原因は?
マンションでの水漏れは、主に自分の不注意によって起こるものと配管などの故障が原因で起こるものの2つに分けられます。
この原因によって賠償責任者が変わってくるのでよく注意しておきましょう。
トイレの詰まりや洗濯ホースが外れているなどの場合は人為的なものとみなされ、自分が責任者になってしまいます。
配管など共用部分の場合は管理者が賠償責任者となります。より詳しくその原因を見ていきましょう。
自分が賠償責任者になる原因
- トイレの詰まり:水洗トイレは水で流せるものだけを流す場所です。異物を詰まらせて水漏れになるという事例もあります。異物は流さないように気を付けましょう。
- 洗濯ホースの外れ:洗濯機に水を入れているときに洗濯ホースが外れていてそのまま水漏れに…というパターンも非常に多い水漏れの原因です。給水時にはホースがきちんとハマっているかを確認しましょう。
- キッチンの詰まり:キッチンのシンク下にある配管が詰まりを起こし配管から水が漏れてしまう事もあります。掃除不足などによることが多いので日々の手入れに気を付けましょう。
管理者が賠償責任者になる原因
- 雨漏り:雨漏りは、屋上や壁の防水部分が壊れてしまう事で発生します。この場合、雨漏りしてきたのが使用者の部屋でも建物の管理に関することになるので管理者が責任を負います。しかし、窓の開けっ放しによる雨漏りなどは使用者の責任とされてしまいます。
- 排水管の老朽化:共有部分に該当する配管が老朽化していた時の水漏れも発生します。その場合は管理者の管理範囲になるので賠償責任者は管理者となります。
- 給湯管に開いた穴:給湯感も共有の配管に含まれる場合があります。個人の部屋の範囲でない場所で水漏れが起きた場合は管理者の責任となります。
水漏れしてしまった時にするべき対処4つ!
実際に水漏れが起きたらどうしたらよいのでしょうか。
まずは元栓を閉め、管理会社に連絡し、修理の手配、保険の確認が大切になってきます。
水漏れが起きてから早急に対処しないとより被害が大きくなってしまうので素早い対応を心掛けるようにしましょう。
元栓を閉め、家財を保護!
初めに水漏れを起こしている箇所の止水栓を止めましょう。
被害を広げないためにもきちんと元栓を閉めておきます。
止水栓は部屋の外や水道メーターの横にある場合が多いので良くチェックしておくようにしましょう。止水栓はまた開ければ使えるようになります。
その後、室内の電化製品や水に弱い家財を保護しましょう。
電化製品が水に触れて漏電すると火災にもなりかねません。二次被害を防ぐためにもコンセントを抜いて、ブルーシートをかぶせたり、ビニール袋で覆ったりしましょう。
管理会社と下の階の人に連絡する!
次に、管理会社や管理人、大家さんなどに連絡を入れます。
水漏れの原因がわかっていたとしてもきちんと連絡をしておきましょう。
賃貸の場合、緊急連絡先の記載がある書類を貰っているはずなのでそれを確認して連絡をいれます。
原因がわからない場合でも、早急に管理会社に連絡しましょう。
また、被害が及ぶかもしれない、もしくは既に及んでいるかもしれない下の階の人にも連絡を入れましょう。
家財の保護などを早めに対処できれば賠償責任も少額で済む可能性があるからです。
水道業者に連絡をする!
管理会社の指定があればその水道業者に連絡をし、きちんと原因究明をしてもらいましょう。
自己判断での原因解明はあまり得策ではありません。業者に修理依頼も兼ねて連絡を入れましょう。
また、住宅の構造による不備が見つかる可能性もあるので業者は入れておく必要があります。
管理者側が手配してくれる場合もあるのでよく確認しておきましょう。
もし漏電などの恐れがある場合は電力会社にも連絡が必要になります。水が電化製品にまで及んでいる場合は電力会社にも連絡しておきましょう。
保険が適応になるか確認する!
階下までに及ぶ漏水の場合、被害の程度によっては賠償額が数百万円にまで上ることがあります。
場合によっては壁や床材まで全て取り換えなければならないこともあり、かなりの額が予想されます。
共用部分での水漏れなのか、自己責任の範囲での水漏れなのかきちんと把握し、管理会社と話し合っておく必要があります。
集合住宅の場合、大抵「火災保険」に加入している場合が多く、この時は「設備不良」による事故の場合保険による負担がありますが、使用者の「過失」の場合は支払われません。
「個人賠償責任保険」に入っている場合だと被害者側に支払う損害賠償金が補償されます。損害賠償金は被害状況によっては30万から100万円程と金額に幅があります。
自分がどの保険に入っているのか、どれが適応になるのかをよく確認しておきましょう。わからない場合は保険会社に連絡して確認しておきましょう。
水道料金の減免制度も要チェック!
水漏れの責任が管理者にあった場合でも水漏れで発生してしまった水道料金は使用者側が負担するのが原則となっています。被害の大きさによっては高額の請求になることもあります。
しかし、場合によってはその水道料金が減免になりますのでその条件をよく確認しておきましょう。
減免の条件
- 使用者の過失ではない場合:漏水の原因が管理者にあり、使用者の責任になっていない場合は減免が認められます。人為的なミスで起こってしまった漏水の場合は条件外となります。
- 漏水箇所が気づきにくい場所である場合:漏水の箇所が一般生活をしているときに気付けない場所で起こっているときは減免の対応内になります。壁からの雨漏りなどがこの条件に該当します。
- 普段から給水設備をきちんとしようしている場合:漏水を起こす箇所を普段から手入れしているのにもかかわらず漏水が起こった場合は負担されます。この条件に該当するためにも普段から掃除をきちんとしておきましょう。
減免の際に必要なもの
水道料金減免申請書と、修繕報告書といった適切な修理をしたことを証明できる書類が必要になります。
水道料金を減免してもらうためには水道業者から適切な処理をされていることが義務付けられているため、きちんと修理したうえで減免申請をしに行きましょう。
自治体によって減免に必要なものが変わってくるので自身の住む地域の水道局に問い合わせて聞いておくことが大切です。
水漏れした際にはその原因をよく確認し、適切な対処をしよう!
水漏れは原因によって賠償責任者が変わり、賠償額なども異なってきます。
それにより保険の適応が1部になるのか全額になるのかも変わり、水道料金の減免についても変わってきます。
水漏れの原因が何か確認し、被害が最小限に抑えられるように対処していきましょう。
普段からきちんと水回りの適切な管理を行い、水漏れを発生させないことが第一となります。不調を感じたらすぐに修理を依頼するようにしましょう。