最終更新日 2021年9月17日

近年、業者だけでなく一般家庭にも普及し始めている高圧洗浄機。

網戸や外壁などの頑固な汚れを高い水圧で落とす優れものですが、実はトイレ詰まりにも使用することができます。

今回は高圧洗浄機を使ったトイレ詰まりの解消方法を解説いたします。

高圧洗浄機で修理できるトイレ詰まりの原因

高圧洗浄機で修理できるトイレ詰まりの主な原因は以下の通りです。

  • トイレットペーパー
  • 排泄物
  • 水に流せるトイレシート
  • 便器や排水管に付着したぬめり

高圧洗浄機で修理できるトイレ詰まりは、トイレットペーパーなど水に溶ける素材でできている異物や排泄物などです。

高圧洗浄機は高い水圧で汚れを削ぎ落とすことができるため、水に溶けない異物や排泄物に加え、便器や排水管に蓄積したぬめりなどが原因で詰まっている場合にも対応できます。

一方で、高圧洗浄機では解消できないトイレ詰まりも存在します。

  • おもちゃ
  • スマホ
  • ボールペン
  • オムツ
  • 生理用ナプキン
  • ペットシーツ

高圧洗浄機で解消できない詰まりの原因は、おもちゃやスマホなどの水に溶けない異物や、オムツや生理用ナプキンなどの吸水性の高い異物です。

高圧洗浄機を使用することで悪化するケースがある

水に溶けない異物や吸水性の高い異物が原因のトイレ詰まりに高圧洗浄機を使用すると、便器や排水管が破損したり、詰まりの原因となっている異物が奥に押し込まれたりする可能性があります。

異物が奥に押し込まれ排水管で詰まってしまうと、自力で解消することはできません。

また、排水管で詰まっている場合、便器の取り外しが必要になるので、通常よりも費用がかかってしまいます。

このように、高圧洗浄機では解消できないトイレの詰まりを無理に解消しようとすると、状況が悪化する危険性があります。

詰まりの原因が水に溶けない異物や吸水性が高い異物であることが分かっている場合は速やかに専門業者に依頼しましょう。

高圧洗浄機でトイレ詰まりを解消するための下準備

高圧洗浄機でトイレ詰まりを解消する場合、以下の2つの下準備が必要です。

  1. 止水栓を閉める
  2. ウォシュレットの電源プラグを抜く

まず、トイレ詰まりの修理中に水が流れてこないように止水栓を閉めておきます。

止水栓はトイレの横の床や壁についているのが一般的です。

止水栓の位置が確認できたら、中央にある「−」の部分にマイナスドライバーをあて、時計回りに(右回り)に回して止水栓を閉めてください。

止水栓を閉める時は回した回数を覚えておきます。

回した回数を覚えておく理由は、再び止水栓を開ける時に回しすぎてしまうと、水が流れる量が多くなってしまうからです。

回した回数を覚えておけば、スムーズに元の水量に戻すことができます。

止水栓を閉めたら、誤動作や感電を防ぐためにウォシュレットの電源プラグを抜きます。

ウォシュレットの電源プラグを抜くのは、誤動作や感電を防ぐためです。

以上の2点はどんなトイレ修理にも共通する下準備です。

怠ると状況が悪化する場合があるので必ず行いましょう。

トイレ詰まりに最適な高圧洗浄機のタイプ

高圧洗浄機には、シリーズごとに水圧が違う商品が販売されていますが、トイレの詰まりに使用する場合はできるだけ低い水圧のものを使用するのがおすすめです。

低い水圧をおすすめしている理由は、水圧が高すぎると便器を破損してしまう可能性があるからです。

水圧が低いと頼りなく感じるかもしれませんが、トイレ詰まりに使用する場合、詰まっている箇所とホースの距離が近く自然に水圧が高くなるため、十分な水圧で詰まりを解消することができます。

例えば、家庭用高圧洗浄機として人気のシリーズであるケルヒャーは、K2からK5という水圧が異なる商品がいくつか販売されていますが、一番水圧が低いK2を使用してもトイレ詰まりをきれいに解消することが可能です。

また、トイレ詰まり修理には、排水溝の中に差し込めるパイプクリーニング用のホースが必要です。

パイプクリーニング用のホースは5,000円から20,000円ほどで購入することができます。

高圧洗浄機に付属品として同梱されている棒状のアタッチメントではトイレの詰まりを解消することはできないので注意しましょう。

高圧洗浄機でトイレ詰まりを解消する手順

高圧洗浄機でトイレ詰まりを解消する際は以下のような手順で行います。

  • STEP1:ビニール袋を便器に被せる
  • STEP2:便器の水溜り部分の奥までホースを差し込む
  • STEP3:高圧洗浄機の電源を入れ、水を噴射する
  • STEP4:水を流して詰まりが解消したことを確認する

手順ごとに詳しいやり方を見ていきましょう。

STEP1:ビニール袋を便器に被せる

高圧洗浄機は水圧が高いため、水が大量に跳ね返ります。

跳ね返った水でトイレの室内が水浸しにならないようにビニール袋で便器を覆いましょう。

ビニール袋は、便器をすっぽりと覆うことができる程度の大きさのものを使用します。

ビニール袋の底面の中央にあらかじめ高圧洗浄機のホースが入れられる穴を開けておくとスムーズに作業することができます。

STEP2:便器の水溜り部分の奥までホースを差し込む

詰まっている箇所に直接噴射すると詰まりの原因となっている異物が一気に押し込まれ排水管の中で詰まってしまう可能性があるため、排水溝の入り口あたりから低い水圧で噴射をはじめ、徐々に水圧を上げながらゆっくりと奥の方へ押し進めます。

時々ホースを出し入れしながら水の噴射を続け、便器に溜まっていた水が流れ出したら詰まりが解消された合図です。

詰まりが解消されない場合は、便器の水を汲み出しながらこれまでの手順を2、3回繰り返してみてください。

STEP4:水を流して詰まりが解消したことを確認する

便器に溜まっていた水が流れるようになったら、バケツから水を少しずつ便器に流し入れます。

バケツの水を流してもスムーズに流れるようであれば、トイレの水洗レバーを「小」のほうに回して水を流し、通常通り流れたらトイレ詰まりの修理完了です。

高圧洗浄機でトイレ詰まりを解消する時の注意点

高圧洗浄機でトイレ詰まりの解消する際の注意点は以下の通りです。

  • 注意点1:水に溶けない異物が詰まっている場合は詰まりを悪化させる可能性がある
  • 注意点2:水圧が高すぎると便器が破損する可能性がある

冒頭でもご紹介しましたが、水に溶けない異物がトイレ詰まりの原因となっている場合は高圧洗浄機を使用すると、詰まりの原因が奥に押し込まれて状況が悪化する可能性が高いです。

そもそも、水に溶けない異物が原因で詰まっている場合は、詰まりの原因の回収が必須です。

高圧洗浄機は詰まりの原因をほぐしたり削ったりすることは得意としていますが、回収しやすいように詰まりの原因を動かすことはできません。

無理に高圧洗浄機で水に溶けない異物が原因の詰まりを解消しようとすると便器や排水管が破損して水漏れを起こす可能性があります。

水に溶けない固形物が詰まっている場合は状況が悪化しないうちに専門業者に依頼しましょう。

また、トイレ詰まりの原因が分からない場合も専門業者に依頼することをおすすめします。

2つ目の注意点は水圧が強すぎると便器が破損する可能性があるということです。

便器は陶器でできているため、あまりに強い水圧を加えると割れてしまう可能性があります。

トイレ詰まりの解消に使用する際はできるだけ低い水圧の高圧洗浄機を使用しましょう。

固形物が詰まった場合は専門業者に相談するのがおすすめ!

水圧によっては便器が破損する恐れがあるため、高圧洗浄機をトイレ詰まりの修理に使用するのはあくまで最終手段です。

「他の手段を試したけど解消できない」「どうしても自力で詰まりを修理したい」という場合は高圧洗浄機で詰まりを解消しましょう。

実のところ、他の手段を試したのに詰まりが解消されない場合は、専門業者に依頼するのが一番です。

その理由は、他の手段で詰まりが解消できない場合はかなり頑固な詰まりであることが予想できるからです。

もし自力でトイレ詰まりを解消しようとしている最中に詰まりの原因を奥に押し込んでしまうと、専門業者に依頼した時に便器の取り外し作業が必要となり、通常よりも高い費用がかかってしまいます。

以下の3つのうちいずれかに当てはまる場合は、専門業者に依頼しましょう。

  • 水に溶けない異物が詰まった時
  • トイレ詰まりの原因が分からない時
  • 他の手段を試しても詰まりが解消されない時