最終更新日 2021年10月16日

家庭内での水漏れの原因としてよく知られているのは、蛇口の部分や水栓と配管の接続部分などからの水漏れです。

この場合、ほとんどはパッキンの劣化や接続部分の緩みなどが原因です。

しかし、水道水やお湯を運んでいる給水管や給湯管自体から水漏れを起こすこともあります。

給水管や給湯管は床下や壁の中を通っているため、見えない部分から水漏れしていることもあり、なかなか気づきにくいという特徴があります。

この記事では、給水管や給湯管からの水漏れした場合の対処方法や自分で出来る応急処置、業者に頼む判断基準などについてご紹介します。

【まずは発見】給水管や給湯管から水漏れが起きた時の主な現象

前述のように、給水管や給湯管などの見えない部分からの水漏れはなかなか気づきにくいという特徴がありますが、もし給水管や給湯管から水漏れが起きていたらどのような現象が起こるのでしょうか?

まず考えられることは、水道代が急に上がることです。

水道代の明細書を見て気づくこともあるでしょうが、一般的には水道の検針員の方から水道代が増えているから水漏れしているかもしれないという指摘があることが多いようです。

このようなときに、水漏れの有無を調べるには、家中のすべての蛇口を「閉」にした状態で水道メーターを確認することで、もし水道メーターが回っていたら水漏れがあるということになります。

その他で比較的見つけやすい水漏れの現象としては、キッチンや洗面台や浴室などの蛇口の回りが水で濡れていることです。

また、トイレの水漏れでわかりにくいのは、タンクの内部部品の劣化などによって、少量の水がトイレの中に流れ続けている場合です。

トイレの水面がユラユラとしていたり、チョロチョロと流れ続けているような場合は水漏れと考えられます。

しかし、床下や壁の中など見えないところの水漏れを自分で確認することはできませんので、このような場合は水道修理業者に水漏れの点検を依頼することになります。

給水管や給湯管から水漏れをする原因は?

ここで、給水管や給湯管から水漏れをする原因について説明します。

まず給水管ですが、管の材質として鋼管(鉄管)、塩ビ管、ポリ管などがあるため、材質によって水漏れの原因は違ってきます。

古い住宅では鋼管が使用されていることが多いため、給水管の内部がサビなどによって腐食して水漏れが起こります。

現在、多くの住宅で使用されている給水管は塩ビ管ですので、比較的耐久性には優れていますが、どうしても経年劣化による硬化が起こるため、地震等の自然外圧や管内の水の凍結等による自然内圧によって破損して水漏れを起こすことがあります。

次に給湯管ですが、管の材質としては銅管が多く使われているため、ピンホールによる水漏れが起こることがあります。

原因は銅管の劣化でピンホールという針で刺したような穴が開いて、そこから水漏れが発生します。

また、冬場には給水管も給湯管も、凍結による内圧で管が破損して水漏れが起こることがあります。

給水管や給湯管からの水漏れは自分で修繕可能?自分でできる対処法や応急処置とは?

蛇口の水漏れなどとは違って、給水管や給湯管からの水漏れを素人が簡単に修理できるものではありません。

特に、給水管や給湯管が劣化して破損してしまっている場合は、目に見えるところにあるとは限りませんし、配管自体を交換するような工事を素人が行えるものではありません。

しかし、目に見える範囲の給水管や給湯管の継ぎ目のナットが緩んでいる程度であれば、修理することは可能です。

また、水漏れ箇所が表面に出ている場合は、自信がある人であれば修理することは可能かもしれません。

念のために、自分で給水管や給湯管の接続部のパッキン交換修理を行う際の手順について、簡単に説明しておきます。

屋外の元栓を締めます。
蛇口や水栓を開いて配管内の圧を抜きます。この圧抜きを行わずに袋ナットなどを緩めると水が吹き出しますの要注意です。
モンキーレンチなどの工具を使って、接続部の袋ナットを緩めます。取り外さない側の配管や止水栓もモンキーレンチなどで固定して作業しましょう。
給水管や給湯管にはあまり遊びがなく取り付けられていますので、袋ナットを緩めても容易に外れないことがあります。
古いパッキンを取り外します。このときパッキンが、配管に張り付いていることがあります。剥がしたあとにパッキンの一部が残っていると水漏れの原因になりますので、きれいに取り除きましょう。また、ワッシャーなども入っていますのでなくさないように注意しましょう。
新しいパッキンを取り付けて仮締めします。パッキンとワッシャーの順番を間違えないように組み込んで、袋ナットを仮締めします。
本締めして元栓を開きます。パッキン交換した継ぎ目などから水漏れがなければ修理完了です。

ただし、自分で作業したことによって破損を悪化させてしまったり、より水漏れの量が増えてしまったりという危険性もあるので、あまりおすすめはできるものではありません。

給水管の水漏れの場合

給水管の水漏れが発生した場合に行う応急処置は、水漏れが発生している水回り設備の止水栓を閉めることです。

キッチンや洗面所では、シンクや洗面台の下の配管の途中にハンドルタイプの止水栓がありますので、ハンドルをこれ以上回らないというところまで回しきりましょう。

トイレの場合は、タンクの後ろの壁や床から給水管が突き出したところに止水栓が付いています。

トイレの止水栓は、ハンドルタイプのものかマイナスドライバーで回すタイプのどちらかになっていますので、これもこれ以上回らないというところまで回しきりましょう。

しかしながら、止水栓が見つからない場合や、止水栓のハンドルやマイナスドライバーが固くて閉めることができない場合は、元栓を閉めます。

元栓は、屋外の水道メーターの隣に設置されていますので、ハンドルを時計回りに回して閉めます。

この場合、家中のすべての水道から水が出なくなり不便を強いられることになりますので、早急に専門の水道修理業者に修理を依頼しましょう。

給湯管の水漏れの場合

給湯管とは、給水管の水を給湯器でお湯にして蛇口まで運ぶ管で、一般的には給湯器からキッチン、洗面所、浴室までつながっているものです。

給湯管からの水漏れが発生した場合には、給湯器を使わない限り給湯管にお湯が流れることはありませんので、給湯管に水漏れが発生した場合は、給湯器を取り扱っている水道修理業者に修理を依頼してください。

ただし、故障の状況によっては給湯器を作動していないにも関わらず給湯管から水が漏れることがあるかもしれませんので、念のために給湯器の止水栓を閉めておいた方が良いでしょう。

工具や水道の知識がない場合には速やかに業者に頼むのが吉!

この記事では、家庭内で発生する水漏れには、蛇口や水栓などの目に見える範囲で発生するものがある一方で、給水管や給湯管などの目に見えないところで発生するものがあることを説明しました。

また、蛇口や水栓などのパッキンやカートリッジなどの交換で直る水漏れであれば、自分で比較的簡単に交換修理することができることについても紹介しました。

しかし、一般的に給水管や給湯管などからの水漏れは、パイプ自体の腐食や破損などが原因の場合が多く、交換するためには工具が必要ですし、水道に関する知識も必要となることから、素人には敷居の高い作業となります。

中途半端な技術や知識で作業を行って、ますます水漏れがひどくなったりしては元も子もありませんので、速やかに専門業者に修理を依頼するのがベストな選択だと思われます。