マンションの給湯器水漏れ修理代は誰が負担する?
最終更新日 2023年6月29日
マンションに住んでいて、給湯器からの水漏れを発見した場合、誰が修理代を負担するのか、気になりますね。
大家さんなのか、自分なのか、わからないと戸惑うでしょうし、間違えたら後でややこしいことになりかねません。
そこでこの記事では、マンションの給湯器から水漏れした場合、誰が修理代を負担するのかを明確にお伝えしていきます。
マンション給湯器の水漏れ修理費用は誰が負担する?
マンションの給湯器の修理費用は、明確に決められています。
基本的に賃貸マンションでの給湯器の修理代は管理者側の負担、分譲マンションの給湯器の場合は自己負担ということになっています。
それでは詳しく見ていきましょう。
賃貸マンションの給湯器水漏れ修理費用は管理者側負担
賃貸マンションの場合、給湯器などの入居時にすでに備え付けられていた設備は、大家さんや管理会社の持ち物で、入居者はあくまでそれを借りているだけですので、それが壊れたときには、管理者側負担で修理をします。
とはいえ、連絡をしないで自身で勝手に修理や交換をして後から費用請求をするということはできません。
管理者側で修理業者と提携している可能性も高いので、まずは管理者側に連絡をし、作業の手配についての返事を待ってから修理に移りましょう。
分譲マンションの給湯器水漏れ修理費用は自己負担
分譲マンションには、専有部分と共用部分があり、専有部分は入居者の所有、共用部分はオーナーや管理会社といった管理者側の所有となります。
したがって、専有部分の修理費用は入居者、共用部分の修理費用は管理者側が負担することに決められています。
給湯器の場合、給湯器本体は専有部分とされることが多いです。
配管については、竪管は共用部分、横管(個別配管)は専有部分とみなされることが多いようです。
分譲マンションの場合は購入時点で専有部分の設備も買い取ったとみなされるため、専有部分である給湯器の修理は自己負担となります。
ただし、自己負担とはいえ管理者側への報告が不要というわけではありません。
給湯器の修理交換は、配管などの共用部分に範囲がおよぶこともあるため、業者を呼ぶ前にまずは管理者側へ連絡を取りましょう。
マンションの給湯器を修理・交換をするときの注意点
以上、マンションの給湯器修理代の負担分配を見てきました。
ただし、この時、注意すべきことが3点あります。
【注意点1】水漏れ修理業者に頼む前にまず大家さんか管理会社に連絡する
上記でも述べたように、マンションの給湯器が水漏れした場合は、賃貸マンションにしろ、分譲マンションにしろ、自分で水漏れ修理業者に依頼する前に、まず大家さんや管理会社などの管理者側に連絡することが大切です。
特に賃貸マンションでは、ガス給湯器だけでなく、マンションに備え付けられているものが故障した場合、最初のステップとして必ず、大家さんか管理会社に連絡しなければなりません。
多くの人がそのことを理解してはいるものの、「すぐに使いたいので、とりあえず修理してから大家さんに後日連絡」としてしまうことがあります。
しかし、これは絶対に避けましょう。
自分で勝手に修理を依頼した場合、もしかすると、修理代金を支払ってもらえず、自身で支払うことになってしまうかもしれません。
そうなると、入居者と管理者側との間でトラブルになるのは、言うまでもありませんよね。
トラブルの元をつくらないためにも、連絡の重要性は、きちんと理解しておくべきことだと言えるでしょう。
一方、分譲マンションでは、管理者側に連絡を取ると、たいていの管理会社では、専有部分の漏水は提携しているガス器具会社に取りついでくれるか、ガス器具会社を紹介してくれます。
この時、管理会社と契約しているガス器具会社の割引修理料金の適用を受けられる場合もあります。
また、一部ではありますが、管理会社が水回りを直接修理しているところもあるようです。
こういったこともあるため、分譲マンションでも、まずは管理者側に連絡を取ることが大切です。
連絡する時に確認しておくべきこと
連絡する時には、次の点を確認しておくようにします。
まずは、水漏れがどこから、どのように起こっているのかを確認しましょう。
パッキンの部分や、配管の途中・つなぎ目など、破損箇所が発見できることがあります。
水漏れ箇所によっては、特に問題のないケースもあるので、そういった場合は管理者側に連絡した後で、自分で応急処置をしても構いません。
水漏れの場所や水の出方などの症状を具体的にメモしたり、スマホの画像や動画に残しておいたりすると、後で修理業者に依頼をするときに役立ちます。
加えて、いつから水漏れしているのか、ガス給湯器のメーカーや型番、製造年月日、エラーコードなどもメモしておきましょう。
管理会社や修理業者に説明する時に必要になります。
【注意点2】工事の前に届出が必要なマンション管理組合もある
分譲マンションにおいて給湯器を交換する工事を行う場合、専有部分の工事であっても、工事を実施する前に、マンションの管理組合へ専有部分を修繕する旨の申請書を提出する必要がある場合があります。
提出の有無についてはマンションの管理規約に記載がありますので、内容を確認のうえ、申請書に書いてある必要書類をそろえて提出しましょう。
もしくは、マンションの管理会社へ問い合わせると、そのマンションにおける申請書の有無、工事の際の諸注意などの回答がもらえるので、電話やメールなどで事前に問い合わせをしておくと、工事までスムーズに進みます。
【注意点3】賃貸マンションでも自己負担になる場合がある
賃貸マンションは基本的に管理者側の負担になりますが、例外的に自己負担になる場合もあるので、注意しましょう。
【1】故意や過失で水漏れした場合
あまりないとは思いますが、入居者が故意に給湯器を壊し、水漏れが発生した場合は、自己負担になります。
- イライラして殴った・蹴った
- 何か投げたものが当たった
- 水漏れを直そうとして余計壊した
- 取扱説明書で禁止されている使い方をした
上記ような場合です。
或いは過失として次のような場合も考えられます。
- 不具合を知りながら放置した結果、劣化が進んで水漏れした
- 冬期に凍結対策を怠ってしまったために、配管が破裂した
こういった場合には、管理者側に連絡した後、自己負担で修理業者に依頼することになります。
【2】水漏れした給湯器が残置物だった場合
残置物(ざんちぶつ)とは、物件に含まれた初期設備ではなく、以前の入居者がそのまま残していった設備のことです。
エアコンや冷蔵庫など、大家さんの許可を得た上で置いていくケースがあります。
入居者にとっては、新しいものを購入せずに使えるのでありがたいですが、こういった設備が故障しても、大家さんや管理会社には修理や交換をしてもらえないことになっています。
給湯器が初期設備なのか、残置物なのか、まず確認することが必要です。
【3】自分で勝手に修理を手配した場合
注意点1でも述べましたが、入居者が自分で勝手に修理業者に修理を依頼するのは絶対にNGです。
アパートやマンションを退去するときには、原状回復が基本ですので、黙ってガス給湯器を交換すると、「元に戻して欲しい」と言われることがあります。
それがたとえ故障による交換だったとしても、修理代金を払ってくれない可能性が高いです。
どのような状況でも、入居者が勝手に手配をしたり、修理や交換をしたりしてしまうと、トラブルの原因になってしまいます。
必ず、大家さんか管理会社に連絡をして、そこから業者に修理依頼をしてもらう、という手順を守りましょう。
【4】契約内容が「自己負担」となっている場合
入居者の故意や過失がなくても、専有部分の設備は自己負担という契約内容にしている賃貸マンションも中にはあります。
そういった場合は費用で揉めることが多いので、弁護士や消費者センターに相談してみましょう。
給湯器の水漏れに気づいたら自分で対処しようとせず、すぐ大家さんか管理会社に報告しよう!
以上、マンションの給湯器の水漏れ修理代金における費用負担と注意点についてお伝えしてきました。
一番大切なことは、何度もお伝えしている通り、水漏れに気づいたらすぐに大家さんや管理会社など管理者側に連絡する、ということです。
本来であれば管理者側に費用負担してもらえるところを、自分で手配してしまったがために自己負担になったのではたまりませんよね。
そのことが原因で、管理者側とトラブルになるのも面倒なことです。
焦ってネットの業者に飛びついたりせず、落ち着いて管理者側に連絡をするようにしましょう。