水漏れを放置したら水道代はどの程度上がるのか?
最終更新日 2021年10月16日
家庭の中での水漏れはある日突然起こってしまうことが多く、建物が古い場合は水回りの設備も古くなっているため、起こりやすくなっていると言えます。
水漏れの中でも、程度の軽い水漏れの場合はあまり深刻に感じないため、しばらく様子を見ようなどと修理を後回しにしてしまうこともあります。
しかし、わずかな水漏れであっても放置しておくと、その分だけ水道代が上がってしまうことになります。
この記事では、水漏れの主な原因や水漏れを放置したら水道代はどの程度上がるのかなどについて解説します。
水漏れの主な2つの原因
家庭内での水漏れの主な原因は次の2つに分けることができます。
蛇口などからの水漏れ
家庭内で発生する水漏れの主な原因の一つ目は、蛇口などからの水漏れです。
蛇口からの水漏れの原因には様々なものがありますが、代表的な原因4つを紹介します。
【1】パッキンの劣化や破損によるもの
蛇口からの水漏れの中で一番多いのが、パッキンの劣化や破損によるものです。
パッキンが劣化してしまうと、蛇口を締めてもポタポタと水漏れが続くという状態になりますが、パッキンを新品に交換することによって簡単に修理することができます。
蛇口のパッキンはホームセンターなどでも購入可能ですので、自分で修理することができます。
パッキンの寿命は、蛇口の使用頻度や使い方によりますので一概にいうことはできませんが、一般的に5~10年程度で劣化するといわれています。
ポタポタ程度の水漏れであれば被害は大したことにはなりませんが、破損して水漏れがひどくなると、蛇口周辺の床が水浸しになったり、マンションなどでは階下の家にまで漏水被害が及ぶようになり大変なことになる可能性があります。
5年程度をめどに定期的に点検してメンテナンスを行うことが大切です。
【2】ナットの緩みによるもの
蛇口がハンドルを回すようなタイプの場合、毎日蛇口を使っているうちにナットが緩んできて、これが原因で水漏れすることがあります。
このような水漏れの場合は、ナットをしっかりと締め直すことによって水漏れは止まります。
【3】バルブカートリッジの消耗によるもの
蛇口がシングルレバー混合水栓の場合は、内部にバルブカートリッジが使われていますので、この劣化も水漏れの原因になります。
バルブカートリッジはホームセンターなどでも購入することができますので、自分で修理することができます。
ただし、バルブカートリッジの種類が多いため、事前に型番などをきちんと確認して購入する必要があります。
【4】浄水器などの後付け器具の取り付けが悪いことによるもの
浄水器や分岐用水栓などを後付けした場合は、きちんと取り付けができていないと水漏れしたり早期劣化などにつながることがあります。
浄水器などを後付けする場合は、できればプロの業者に依頼して、正しい方法で設置してもらう方が良いでしょう。
水道管や給水管などの老朽化による水漏れ
家庭内で発生する水漏れの主な原因の二つ目は、給水管の老朽化による水漏れです。
「給水管」とは、公道などの下に埋め込まれている「配水管」から各家庭に水道水を引き込む管のことを言い、一般的に、水道管は「導水管」「送水管」「配水管」「給水管」に分けられます。
この給水管の継ぎ目にはパッキン(ガスケットとも言います)と言う樹脂でできた部品があり、一般的に5年~15年ほどで劣化してしまいます。
また、給水管自体も経年劣化を起こして亀裂が発生することがあります。
このように、パッキンや給水管自体が劣化することによって、水圧に耐え切れなくなって水漏れを起こしてしまいます。
水漏れ度合い別!水漏れ放置しておくと水道代はどれぐらい上がる?
蛇口や給水管などから水漏れが発生していると、意図して水を使っていないにもかかわらず、漏れた水によって水道メーターが回ってしまいますので、漏れた水の分だけ余計に水道代がかかってしまうことになります。
水道料金は、次のような式で計算されるため、水漏れがあると計算式の中の「従量料金」が増えて水道料金が高くなってしまいます。
「水道料金」=「基本料金」+「従量料金」
「基本料金」や「従量料金」は自治体や水道局ごとに設定されており、一例として神奈川県の場合を紹介します。
表からもわかるように「従量料金」とは「従量料金単価(1㎥当たりの単価)」に使用水量を掛けた料金で、使用水量が多いほど「従量料金単価(1㎥当たりの単価)」は高くなります。
基本料金 | 16m3まで | 1,420円 |
従量料金単価(1㎥当たりの単価) | 17m3から30m3まで | 128円 |
31m3から40m3まで | 135円 | |
41m3から60m3まで | 172円 | |
61m3から100m3まで | 237円 | |
101m3以上 | 294円 |
次に、水漏れの度合いによってどの程度の水道代が上がるのかについて説明します。
【1】ポタ、ポタと雫が2~3秒に1回落ちる程度の水漏れ
蛇口の先端からポタ、ポタと水漏れしている程度だと、1日に約10L(0.01㎥)の水が漏れていることになります。
ポタ、ポタ程度だと、見た感じも大したことではないと感じてしまいますが、1日で約10Lということは、1ヶ月では約300L(0.3㎥)になり、約100円の水道代が上がることになります。
【2】ポタポタと断続的に雫が落ちる程度の水漏れ
蛇口の先端からポタポタと水が落ちている程度だと、1日で約30L(0.03㎥)の水が漏れていることになります。
1日で約30Lということは、1ヶ月では約900L(0.9㎥)になり、約300円の水道代が上がることになります。
【3】糸のように細く水が流れている程度の水漏れ
蛇口から糸のように細くスーッと水が流れ続けている程度の水漏れだと、1日に約300L(0.3㎥)の水が漏れていることになります。
1日で約300Lということは、1ヶ月では約9000L(9㎥)になり、約3000円の水道代が上がることになります。
床が水浸しにならないトイレの内部の蛇口などの水漏れは気づきにくいので注意!
キッチンや浴室、洗面台などの蛇口からの水漏れは、ポタポタという音が聞こえたり、雫が落ちるのが見えるため、比較的早い段階で気付くことができます。
しかし、トイレの水漏れなどの場合はなかなか気づきにくいので注意が必要です。
また、止水栓や給水栓から水漏れが発生した場合は、床に水が広がるため早い段階でも気づくことができます。
しかし、トイレのタンク内部のパーツなどが劣化し、タンクから便器へ水が漏れているような場合はなかなか気が付かないことが多いようです。
トイレのレバーを回していない状態でも、便器の水面が揺れていたり、チョロチョロ音がしているような場合は水漏れが発生している可能性がありますので注意しましょう。
状況によっては水漏れの水道代を減額や免除ができる場合も!
各家庭への給水管の途中に設置されている水道メーターで計測された水道料金は、「原則、水道の使用者が支払う」ことになっています。
また、給水設備からの水漏れは原則的に使用者の責任で管理や修繕を行いますが、自治体や水道局ではこのような水漏れトラブルへの対応として水道料金を減額・免除する「減免制度」を設けています。
次のような水漏れトラブルの場合には、水漏れ修理をした後に申請を行うことで水道代が減額・免除される可能性があります。
- 建物の壁の中や地下などの見えない場所で水漏れが発生したため発覚が遅れた
- 地震など自然災害によって給水管が破損して水漏れが発生した
- 使用者の使用方法が適切であったにもかかわらず生じたその他の水漏れ
減免や免除の申請方法や条件は、自治体や水道局によって異なりますので、詳しいことは管轄している水道局に問い合わせするようにしましょう。
水漏れは定期点検&早期修理が吉!
この記事では、水漏れの原因や水漏れが起こったらどの程度水道料金が上がるのかなどについて説明しました。
蛇口などの給水設備や給水管などは、どうしても経年劣化が発生して水漏れが起こってしまい、無駄な水道代を支払うことになってしまいます。
そうならないためにも、定期点検を行って早く水漏れを早期に発見して早期修理をするようにしましょう。