最終更新日 2021年8月4日

手を洗うたびに下水のような臭いや酸っぱい臭いを感じている場合は早めに対策を行う必要があります。

洗面台には石鹸カスや水垢、髪の毛の他にも、化粧品や整髪料などの油汚れがたくさん集まる場所です。

汚れやゴミが溜まりやすいため、洗面ボウルやゴミ受けが原因となっている場合が多いものの、実は洗面台の下にある排水管に原因があるケースもあります。

では、排水溝や排水管が臭いの元となっている場合はどのような対策を行えばよいのでしょうか。

この記事では、洗面台の排水溝が臭いの5つの原因と解決方法や、市販のアイテムを用いてできる対策方法をご紹介します。

洗面台の排水溝が臭くなる5つの原因と解決方法

排水溝が臭くなる1番の原因は汚れやゴミです。

汚れやゴミが蓄積すると雑菌が繁殖し、臭いの原因となります。

しかし、洗面台の場合は汚れやゴミの他にも、洗面台の下にある排水管が原因であるケースもあります。

洗面台の臭いの原因と解決方法を詳しく見ていきましょう。

原因①:洗面ボウルに汚れやゴミが溜まっている

洗面ボウルには皮脂や化粧品、整髪料などの油汚れや石鹸カス、水垢などの汚れが多く付着しています。

汚れが蓄積すると雑菌が繁殖し、ぬめりや臭いが発生してしまいます。

もし、洗面ボウルの汚れやゴミが原因で臭いが発生している場合は、アルカリ性と酸性の性質を利用して汚れを落としましょう。

油汚れと石鹸カスや水垢は性質が異なるため、アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸の両方を使用すると、汚れを効率的に落とすことが可能です。

  • 油汚れ:酸性
  • 石鹸カス・水垢:アルカリ性

酸性の油汚れにはアルカリ性の重曹、アルカリ性の水垢や石鹸カスには酸性のクエン酸を使用すると中和されて汚れを落としやすくなります。

汚れを落とし、臭いが解決した後は毎日こまめに掃除をして清潔な状態を保ちましょう。

原因②:ゴミ受けに汚れやゴミが溜まっている

ゴミ受けには油汚れや水垢、石鹸カスの他にも髪の毛などのゴミが多く集まります。

特に髪の毛はタンパク質でできているため、放置しておくと時間が経つにつれて腐敗し、ぬめりやイヤな臭いを放つようになります。

ゴミ受けに汚れやゴミが溜まって臭いを放っている場合は、速やかに取り除いてぬめりを落とすことが大切です。

ゴミ受けを掃除する際は以下の手順で行いましょう。

  1. 汚れやゴミを取り除いた後にまず歯ブラシなどで大まかな汚れをこすり落とす
  2. 重曹を排水溝にまんべんなく振りかけ、クエン酸水を少しずつたらし、5〜20分程度放置する
  3. 汚れが浮いてくるため、水で流してから再び歯ブラシでこすって汚れを落とす

クエン酸水はぬるま湯200mlに対してクエン酸粉末小さじ2程度で作るのがおすすめです。

原因③:排水管のヒビ

排水管にヒビなどの破損部分がある場合は破損部分から下水や排水管内の臭いが漏れてしまう場合があります。

特にプラスチック製の排水管は長年使用していると劣化し、ヒビが入ってしまう場合があります。

排水溝が臭いと思っていたら、排水管の破損が原因だったということも多いので、洗面ボウルやゴミ受けに問題がない場合は洗面台の下にある排水管を疑いましょう。

排水管にヒビなどの破損がある場合は、まず水漏れを起こしていないか確認します。

排水管にヒビなどの破損がある場合は水漏れを起こしているケースが多いため、水漏れをした時点で気づくことも多いはずです。

水漏れを起こしている場合は他の家電や階下の住居に被害が広がらないように専門業者に相談しましょう。

水漏れを起こしておらず、破損が小さい場合は割りカラーと呼ばれる補修パーツやパテ、補修テープなどを使用し、自分で補修することが可能です。

補修に使用する割りカラーは建築資材店、パテや補修テープはホームセンターやネットショップなどで購入することができます。

原因④:排水管の防臭パーツが緩んでいる

排水管と床の間には隙間を埋めるように防臭ゴムが取り付けられています。

防臭ゴムがズレてていたり、ヒビが入っていたりするとそこから臭いが漏れてしまいます。

また、もともと防臭パーツが取り付けられていないというケースも少なくありません。

排水溝が原因だと思っていたら防臭パーツが原因だったということもあるので一度洗面台の下もチェックしましょう。

洗面台の排水管の防臭パーツは自分で取り付けることが可能です。

防臭ゴムにヒビが入り破損している場合は、ホームセンターやネットショップで防臭ゴムを購入して取り付けましょう。

防臭ゴムを購入する際は排水管にの口径に合う防臭ゴムを購入することが大切です。

防臭ゴムには厚さやサイズの違うものなど、豊富な種類があります。

厚さやサイズを間違えてしまうと、そもそも取り付けられなかったり、隙間ができてしまう場合があるため、排水管の口径を測ってから、サイズが合うものを購入しましょう。

防臭パーツ以外にも、補修テープやパテを使って隙間を埋める方法もあります。

パテや補修テープについてもホームセンターやネットショップで購入でき、簡単に補修できるので、作業しやすいものを選びましょう。

原因⑤排水トラップに溜まっている水がなくなっている

洗面ボウルや排水管に問題がないのに下水のような臭いがする場合は、排水トラップに溜まっているはずの「封水」がなくなっている可能性があります。

封水とは排水管からの臭いや害虫の侵入を防ぐ役割を持つものです。

封水がなくなると臭いがそのまま排水溝まで上がってきてしまうため、下水のような臭いするようになります。

洗面所の封水は洗面台の下にあるS字のパイプ部分に溜まっています。

S字の部分は「排水トラップ」と呼ばれています。

排水トラップに封水が不足する原因は主に以下の2つです。

  • 長い間洗面台の水を流していない
  • 1度にたくさんの水を排水溝に流した

封水が不足している場合は水を流すことで解決します。

蛇口から10秒ほど水を出し、排水トラップに水を溜めましょう。

市販アイテム別!排水溝の臭いの対策方法

排水溝の臭い対策は市販のアイテムを使うと手軽に対策することが可能です。

特に広い用途で使用できるアイテムは1つあると水回りのすべてに対応するので非常に便利です。

できるだけ楽に洗面台の臭い対策を行うために役立つアイテムと対策方法は以下の3つです。

【マイクロファイバークロス】洗面ボウルの水拭きと乾拭き

マイクロファイバークロスは速乾性や吸水性に優れているため、洗面ボウルの水拭きや乾拭きにぴったりです。

そもそもマイクロファイバーとは、ポリエステルやナイロンを原料とした合成繊維のことを指します。

マイクロファイバーは繊維の細さが髪の毛の100分の1なので肌触りが柔らかいのが特徴です。

また、断面がギザギザしているのでホコリやゴミへの吸着力もかなり高くなっています。

力を入れずに優し拭くだけでホコリやゴミを吸着し、綺麗にしてくれます。

使用後は手洗いや洗濯をして干しておけば冬や湿気の多い梅雨の時期でもすぐに乾く点は魅力の1つです。

生地が薄手のものから厚手のものまで様々な種類があり、最近ではクロス以外に手袋タイプのものも販売されています。

好みの厚さや形状のものを選びましょう。

【重曹・クエン酸】受け皿のぬめり取り

重曹とクエン酸は環境や身体に優しい物質でできています。

重曹とクエン酸は食品添加物として使用されているなど、口から摂取しても安全であるとして知られています。

特に重曹は小麦粉製品を膨らませるための「ふくらし粉(ベーキングパウダー)」として使用されているほど安全性の高いものです。

重曹には3通りの使い方があります。

使用方法 手順
重曹ペースト
  1. 重曹と水を3:1の割合で混ぜ、汚れがひどい箇所に塗る
  2. 汚れがひどい箇所は30分ほど置く
  3. 軽くこすって汚れを落とす
つけおき
  1. 洗面ボウルに5Lのぬるま湯を張り、25gの重曹を溶かす
  2. 排水溝のゴミ受けや洗面ボウルを20分ほどつけ置く
  3. つけおきが終わったら軽くこすって汚れを落とす
重曹とクエン酸で二酸化炭素の泡を発生させる
  1. 重曹を排水溝やゴミ受けにまんべんなくふりかける
  2. 重曹をふりかけた箇所にクエン酸水(水200ml、クエン酸粉末小さじ1)を少しずつかける
  3. 15分程度放置する
  4. しっかりと洗い流す

重曹には研磨作用があるため、強くこすりすぎると洗面ボウルやゴミ受けなどを傷つけてしまう可能性があります。

重曹を使用する際は軽くこする程度に留めましょう。

クエン酸にも洗面所の臭い対策に活用できる使用方法があります。

使用方法 手順
クエン酸粉末
  1. 粉末をスポンジにふりかけてこする
  2. よく洗い流す。
クエン酸スプレー
  1. スプレーボトルに水200mlと小さじ1のクエン酸を入れ、よく混ぜる
  2. 綺麗にしたい箇所に吹きかけてこする
クエン酸湿布
  1. 汚れを落としたい箇所にクエン酸水を吹きかける
  2. キッチンペーパーをあて、その上にラップを被せる
  3. 2〜3時間放置する
  4. スポンジでこすりながら洗い流す

重曹やクエン酸は環境や身体にとって安全なものですが、タンパク質変性によって手荒れをすることもあります。

取り扱う際はでゴム手袋をするようにしましょう。

【パイプユニッシュプロ】2週間に1回のパイプ掃除

パイプユニッシュプロは排水管に付着している髪の毛を溶かし、カビやバクテリアを殺菌する塩素系の洗剤です。パイプユニッシュプロの成分には水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩が含まれています。

水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩は以下のような働きがあります。

  • 水酸化ナトリウム:髪の毛や垢などのタンパク質を溶かす
  • 次亜塩素酸塩:漂白・殺菌効果

従来のパイプユニッシュとパイプユニッシュプロの違いは粘度です。

パイプユニッシュは粘度を表す数値が「800mPa・s」ですが、パイプユニッシュプロは「1500mPa・s」です。

佐竹化学機械工業が公開している「いろいろな液体の粘度」によると、24℃環境下における蜂蜜の粘度が1500mPa・sにあたります。※1

蜂蜜の粘度と同じ数値であることからも分かる通り、かなり粘度が高い洗剤です。

高い粘度の洗剤が排水管の壁にしっかりとへばりついて留まり、髪の毛やカビなどの汚れを溶かします。

ただし、パイプユニッシュプロはあまりに頻回に長時間使いすぎると排水管が劣化してしまう恐れがあります。

洗面所の排水管の場合は2週間に1回の頻度がベストです。

以下の使い方を参照しながら正しく使用しましょう。

  1. 排水溝にパイプユニッシュプロを流し、15分〜30分放置する
  2. 水でしっかりと洗い流す

専門業者に依頼すべき排水溝の不具合の見分け方

イヤな臭いの原因となっている排水溝の不具合の中で、専門業者に依頼すべきものは、原因が排水管の破損にあるケースです。

万が一水漏れを起こしてしまっている場合は、破損部分の排水管を交換する必要があります。

また、劣化が進んでいる排水管の場合、破損箇所の排水管を交換する際に、破損していなかった部分にもヒビが入ってしまうこともあります。

ヒビ割れなどの破損の修復にはある程度の知識や技術が必要になるため、すでに水漏れを起こしてしまっている場合は専門業者に依頼しましょう。

排水管が原因の臭いは専門業者に相談しよう!

洗面所の排水溝は髪の毛や垢などの汚れだけでなく、化粧品や整髪剤などの油汚れも集まるため、臭いが発生しやすい場所です。

排水溝の汚れが原因であれば、汚れを落とすことで対策することができますが、洗面台の下にある排水管から臭いが上がってきている場合もあります。

防臭パーツや封水が原因であれば自分で対策することが可能ですが、排水管の破損が原因であれば水漏れの有無を確認し、水漏れがある場合は速やかに専門業者に相談しましょう。