水道局指定業者とは?依頼するメリットと注意点
最終更新日 2023年7月31日
トイレの詰まりや蛇口、あるいは給排水管からの水漏れ、給湯器の交換、浴室やユニットバスの排水口のあふれなど、水回りのトラブルはたくさんあり、またいつ起こるかわかりません。
そんな時に、信頼できる水道修理業者を見つけておくことは大事なことです。
水道修理業者には、水道局指定業者と非指定業者があります。
しかしながら、このような業者を正しく見分けたり、自分に適した相手を見つけるのは大変です。
そこでこの記事では「水道局指定業者とは何か」「非指定業者との違い」「水道局指定業者に依頼するメリットと注意点」などについて詳しく解説していきます。
町の水道修理センターは、創業17年、修理実績20万件以上の水のトラブル解決の専門家です。これまで、 関東(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木)、中部・東海(愛知、三重、岐阜)、関西(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀)のエリアで、トイレやキッチン、流し台、お風呂、洗面台、排水溝、排水管、給湯器、蛇口など、あらゆる水回りのトラブル解決を行ってきました。365日24時時間、即日対応で、最短30分で駆けつけます!
水道局指定業者とは
水道局指定業者(水道局指定工事店)とは、正確には「指定給水装置工事事業者」といいます。
指定給水装置工事事業者とは、「水道法」における「指定給水装置工事事業者制度」に定められている業者です。
一定の基準を満たした事業者が各市町村に申請することにより、指定を受けられます。
そこで以下からは「水道法について」さらに「指定給水装置工事事業者及び指定排水装置工事事業者について」そして「給水装置工事主任技術者とはどのような資格か」について解説していきます。
水道法とは
水道法とは、1957年に施行された法律で、平成8年に改訂されました。
法律施行の目的は「日本全国に清潔で低価格の水を供給するために、水道設備の整備及び適正管理などの基盤を強化し、公衆衛生の向上と生活環境の改善に貢献すること」です。
ここでの「水道」とは、飲用水つまり「上水道」に限られます。
水道法では水質や水道施設の基準を定め、「水道事業」と「水道用水供給事業」を厚生労働大臣による認可制としています。
「指定給水装置工事事業者」は、この水道法の第16条の2にのっとって、給水装置工事を行うことを認められた事業者です。
指定給水装置工事事業者とは
指定給水装置工事事業者とは、水道法第16条の2に基づき、各自治体において「給水区域内における給水装置工事を適正に施工できる」と認められた水道工事業者のことです。
指定給水装置工事事業者と認定されるためには、以下の3つの要件を満たしたうえで、各自治体に申請し、受理される必要があります。
- 「給水装置工事主任技術者」を保持する者の在籍
- 給水装置工事に必要な機材や資材の保有
- 欠格要件の非該当
以下から各要件について詳しく解説します。
「給水装置工事主任技術者」を保持する者の在籍
国家資格である「給水装置工事主任技術者」を保持する者が1名以上在籍することは、指定給水装置工事事業者の認定において、絶対条件となっています。
それは、給水装置工事そのものが、この資格を保持する者の監督下でないと行えないからです。
給水装置工事主任技術者については、次の次の章で説明します。
給水装置工事に必要な機材や資材の保有
給水装置工事に必要な機材として、例えば以下が挙げられます。
- 管の加工用器具
- 管の切断用器具
- 水圧テストポンプ
※主に水道管の加工・切断・接合などに使用する特殊な機材が指定される
機材や資材の保有が認められるためには、各自治体に指定された器具や機材の写真を撮って提出することが必要です。
欠格要件の非該当
欠格要件とは、水道法第25条の3で定められています。
例えば、以下の要件が欠格要件に該当します。
- 心身の故障で工事を適正に行うことができない者
- 破産手続きを受けた者
- この法律に違反して刑に処せられた、または指定を取り消されてから2年以内の者
- 業務に関して不正または不誠実な行為をする恐れがある者
指定給水装置工事事業者として認可されるための要件は、全国一律で決まっています。
一方、業者は指定を受けた給水区域内のみでしか工事をすることができません。
したがって工事を依頼する際には、住居のある給水区域内で指定を受けている業者を選ぶ必要があります。
指定排水装置工事事業者とは
指定排水設備工事事業者とは各自治体により、「水洗化工事や排水設備工事などを適正に行うことができる」と認められた水道工事業者のことです。
指定排水設備工事事業者の指定要件について以下から詳しく解説します。
「排水設備工事責任技術者」の資格者の在籍
給水装置工事主任技術者に対して、排水設備工事事業者の資格は「排水設備工事責任技術者」といいます。
こちらは国家資格ではありません。
公益社団法人日本下水道協会が主催する試験に合格すると、各自治体に資格を登録されるものです。
受験資格は、各自治体により多少の差異があります。
指定排水装置工事事業者となるための要件は、「各自治体に登録された排水設備工事責任技術者が、1名以上専属で在籍していること」です。
地域内に営業所のあること
指定排水装置工事事業者となるための要件として「指定を受ける都道府県内に営業所があること」もあります。
排水設備も各自治体の管理下に置かれるため、営業所のない地域では工事を行うことはできません。
排水設備工事に必要とされる機材や資材の保有
排水設備工事に必要な機材や資材とは、以下の道具などです。
- パイプカッター
- ハツリ機
- 填圧機
- 管掃機
※主に排水設備工事に必要とされる特殊な機材
欠格要件の非該当
指定排水装置工事事業者における欠格要件とは、基本的に給水装置工事主任技術者と同じです。
「下水管などを適切に維持管理する」という目的のため、各自治体の下水道条例により、指定排水設備工事事業者以外の業者が下水道の工事を行うことは禁止されています。
そのため、排水設備に関するトラブルが起きた時には、必ず指定排水設備工事事業者に依頼しなければならないことになっています。
給水装置工事主任技術者とは
給水装置工事主任技術者は、国家資格を得た者のことであり、当該資格とは「給水設備工事の施工」を唯一認められている資格です。
給水装置工事主任技術者の資格を取るためには、試験を受ける必要があります。
また「給水装置工事における3年以上の実務経験」があることも条件です。
給水装置工事主任技術者は、給水装置の新設や補修、交換から撤去まで行うことができます。
特に、給水設備の新設や補修工事は、給水装置工事主任技術者が監督していないと行うことができないものです。
したがって、この資格の保有者がいない事業者は、指定給水装置工事事業者に認定されません。
水道局指定業者と非指定業者との違いとは
水道局指定業者について理解を深めたところで、水道局指定業者と非指定業者の違いについて解説します。
対応できる業務の範囲の違い
水道局指定業者と非指定業者では、対応できる業務の範囲が異なります。
トイレの詰まりや蛇口の水漏れなど、軽微なトラブルであれば、水道局指定業者でなくても対応可能です。
しかし、水道局指定業者でなければできないこともあります。
以下から、水道局指定業者のみができること、非指定業者でも可能な施工について解説します。
水道局指定業者でなければできないこと
上水道の排水管から各家庭に水を送る給水管は、水道局が管理下に置く設備です。
したがって配水管や給水管の工事は、水道局指定業者でなければできないことになっています。
例えば以下の工事が該当します。
- 給水管や水栓の新設
- 給水管の種類変更、経路・水栓の増設
- 給水管や水栓の撤去・修繕
同様に排水管も水道局が管理しているため、排水設備の新設や増設、撤去、構造変更などの工事は指定事業者のみが行います。
非指定業者でもできること
給水管に繋がっている家庭内の器具(蛇口やパッキンなど)の交換、トイレや排水口など軽度な詰まりや水漏れへの対応、トイレの交換などは、非指定業者でもできます。
非指定業者に依頼すると起こるリスク
非指定業者に水道工事などを依頼すると起こるリスクがあります。
それは、以下の3つです。
- トラブルが再発するリスク
- ペナルティを受けるリスク
- 自治体への申請が出せないリスク
各項目について、以下からさらに詳しく解説します。
トラブルが再発するリスク
非指定業者は、給水工事に必要な工具類をすべて持っているとは限りません。
工具類がないことで専門的な点検をしてもらえない可能性があります。
その場合、本当のトラブルの原因がわからないことすら起こります。
すると、せっかく高額な料金を払って修理させたにもかかわらずまたすぐトラブルが再発することもあるのです。
また、非指定業者は適当な工事や間違った工事をして、余計なトラブルを増やしてしまったり、問題をさらに悪化させたりする恐れもあります。
こうなると、さらに高額な修理費用がかかってしまうことでしょう。
ペナルティを受けるリスク
給水管のトラブルが起きたにもかかわらず、指定業者以外の会社に対応を依頼してしまったところ「水道局からペナルティを受け水を止められてしまった」というケースもあります。
指定業者にしかできない工事を非指定業者に依頼するのは、違法行為となるのです。
したがって非指定業者に工事を依頼した事実が判明すると、過料が科されたり、水を止められたりといったペナルティを受けることがあります。
自治体への申請が出せないリスク
給排水装置の新設や改造、撤去、修繕などの工事をする上では、事前に各自治体への申請が必要です。
しかし非指定業者は、各種の申請に必要な書類を作ることができません。
申請をしないまま工事をすると、トラブルに発展する恐れがあります。
水道局指定業者に依頼するメリット
「水道局指定業者でない業者」に工事を依頼するとリスクがあるとわかりました。
そこで、「水道局指定業者に工事を依頼するメリット」について解説します。
水道局指定業者に工事を依頼するメリットとは、以下の6つです。
- 費用が適正である
- 水道法にのっとった適切な機器があり、適切な工事を行える
- 給水装置工事主任技術者に管理・監督されている
- 全国で統一された一定の条件を満たしている
- 水道管に関する難しい工事にも幅広く対応できる
- 水道局指定業者だけが出せる申請や書類がある
どれも水道局指定業者を選ぶ上で欠かせない条件です。
それぞれについて詳しく解説します。
メリットその1:費用が適正である
水道局指定業者は、費用が適正なところが多いです。
水道工事は、ある程度全国一律の基準で行われているため、水道局指定業者は競合他社との兼ね合いで同じような料金体系にせざるを得ません。
もし業者との間で「見積もり以上に高額な請求」などトラブルがあった場合、相手が水道局指定業者であれば自治体が当該トラブルの対応をすることになっています。
トラブルが生じれば認可が取り消しになる可能性もあるため、水道局指定業者は適正な価格を提示するものです。
また運営状況が悪ければそもそも指定業者としての認可が下りないため、例えばぼったくりをするような業者は水道局指定業者にはなれません。
そのため、水道局指定業者は費用が適正であり、また金額面でのトラブルも起きにくいという特徴があるといえるでしょう。
メリットその2:水道法にのっとった適切な機器があり、適切な工事を行える
水道局指定業者は、水道法によって規定されている「指定給水装置工事事業者制度」により、「厚生労働省が指定している給水工事に必要な工具類を持っている」という条件を満たしています。
したがって、水道法にのっとった「水道工事を行うにあたって適切な機器や工具類」をすべて揃えており、適切な工事を行うことができます。
適切な工事とは、「水道トラブルの根本的な解決」です。
非指定業者はうわべだけの工事しかできないため、給排水管などに異常のある場合はそれらを直せません。
その点水道局指定業者であれば、給排水管に関わるすべての工事が可能なため、高度な工事も適切に行うことができ根本的なトラブルの解決が望めます。
メリットその3:給水装置工事主任技術者に管理・監督されている
水道局指定業者には、必ず国家資格である「給水装置工事主任技術者」を保持している作業員が在籍しています。
この給水装置工事主任技術者の役割は、給水装置工事の全工程に責任を持ち、工事が順調に進むように管理・監督することです。
例えば、以下の工程に関わることになります。
- 施工前の調査
- 調査に基づく計画書作成
- 現場の指揮監督
- 作業員への指導
- 給水装置が基準をクリアしているかどうかの点検
- メンテナンス
- 水道局が行う工事後の検査への立ち合い
給水装置工事主任技術者の資格は、一定水準以上の知識と技術、3年以上の実務経験がないと取得できません。
つまり資格保持者に管理・監督されていれば、適切でない工事がなされることは有り得ないはずです。
また、この資格には欠格要件もあります。
不正や不誠実な行為をするおそれのある者は給水装置工事主任技術者になれません。
給水装置工事主任技術者の資格保持者がいることは、水道業者として信頼できる条件であるといえます。
メリットその4:全国で統一された一定の基準を満たしている
水道局指定業者と認可されるためには、水道法で定められた一定の基準を満たしていることが必須条件となります。
当該基準は全国で統一された基準であるため、水道局指定業者はその基準を満たす施工技術の実力があるといえます。
また過去にトラブルがあった事業者や、不正・不誠実な行為を行った事業者などは、水道局指定業者にはなれません。
水道局指定業者であれば、技術面・対応面どちらにおいても信頼できるといえます
メリットその5:水道管に関する難しい工事にも幅広く対応できる
水回りのトラブルは、一見「単なる詰まり」や「水漏れ」のように見えても、実は「給排水管に異常がある」など予想外の原因が見つかることがあります。
そうした場合に下手な修理をすると事態が悪化することがあります。
非指定業者はこういったケースに対応できません。
水道局指定業者であれば、給排水設備に関わるすべての工事に対応可能です。
給水管の切断や水道メーターの取り外しなど、難しい工事にも幅広く対応できるため、最初から安心して任せられるのです。
メリットその6:水道局指定業者だけが出せる申請や書類がある
故意の破損ではないトラブルで水漏れが起きた場合、水道局指定業者が修理作業を行うことで「減免申請」という恩恵が受けられる場合があります。
減免申請とは、修理箇所や状況により「高額になった水道料金を減額・免除してもらえる」という恩恵が受けられるものです。
減免申請の対象となるケースとしては、「目視で確認できない水漏れ」があります。
床下や壁内部などでの水漏れは目視で確認することが難しく、水漏れ発見が遅れることが多いです。
水漏れ発見が遅れて水が漏れっぱなしになっていると、水道料金は高額になります。
このような場合は、水道料金の減免申請の制度を利用することができるのです。
ただし、この申請を出せるのは「水道局指定業者が作業した場合」に限られるので、身に覚えのない高額な水道料金を請求された場合は、水道局指定業者に依頼しましょう。
水道局指定業者に依頼する時の注意点
基本的に水道局指定業者へは安心して水道トラブルについての相談ができます。
しかし一部には、信頼できない業者があることも事実です。
そこで以下からは、業者を見分ける上での注意点を4点挙げ、詳しく解説します。
注意点1:自治体から割り振られる「事業者番号」を載せているかどうか
水道局指定業者には「指定給水装置工事事業者」と認められた際に自治体から割り振られる「事業者番号」というものがあります。
事業者番号をホームページに載せているかどうかが、業者選びの上で一つの目安になります。
事業者番号をしっかりと記載している事業者は身分が明確であるため、安心して依頼することができます。
また水道局指定業者は、自治体のホームページからも確認できます。
自治体のホームページに記載されていない事業者は、水道局指定業者を騙っているだけの場合もあるため注意しましょう。
注意点2:作業前に見積もりを提示し、内容を説明してくれるかどうか
水道局指定業者の中でも、高額な請求をしてくるところがあるにはあります。
したがって、作業前に必ず「正確な見積もりの提示」を依頼してください。
さらに、作業内容などを詳しく説明させましょう。
上記2つの点は、その事業者が適正な価格で工事を行うかどうかを見極めるポイントになります。
さらに、見積もりは無料で算出する業者を選んでください。
もし大掛かりな工事になる場合は、3件ほどの相見積もりを取って比較してください。
誠実な事業者であれば、たとえ出張見積もりでも無料で行うものです。
水道業者を選ぶ時には、「水道局指定業者かどうか」だけでなく、「見積もりが無料かどうか」もチェックしましょう。
注意点3:電話応対や作業員の対応がいいかどうか
水回りのトラブルは、緊急性が高いものが多いです。
例えば当人が焦ったり慌てて電話しているのに、ぶっきらぼうに応対されたのでは、よけい不安になります。
また修理に来てくれた作業員が無愛想では、信頼できないと感じてしまいます。
したがって、まずは「最初に電話した時の応対がいいかどうか」が、その業者を選ぶ上での信頼性の目安になります。
ネットで探すのであれば、口コミで「対応が悪い」というものが多い事業者は避けた方が無難です。
誠実な事業者であれば、困っている利用者に対して親切に対応してくれるはずです。
注意点4:実績や経験が豊富かどうか
事業者のホームページを見ると、「実績や経験」を記載していることがあります。
古くに創業し、実績や経験が豊富な事業者なら、経験・ノウハウが豊富です。
さらに「地域で長年親しまれている」と捉えられ、信頼性が上がります。
特に「地域密着型」の水道事業者は、創業年数でどれだけの信頼を得られているかが明確にわかります。
また、トラブルを起こすと会社名を変えてしまう業者もいます。
そういった悪徳業者を避けるためにも「創業年数」と「対応実績」は重要です。
水道局指定業者には安心して水道工事を任せられるのが一番のメリット!
今回は「水道局指定業者」について、さらに「水道局指定業者に水道トラブルへの対応を依頼するメリット」、「依頼する際の注意点」などについて解説してきました。
水道局指定業者は、全国一律の基準を満たしていなければなりません。
また国家資格の保持者が管理・監督していることなどから、一定の技術力が保証されています。
また、水道局指定業者にしか対応できない工事や減免申請というものが存在します。
こうした理由から、何か水回りのトラブルがあった場合は「水道局指定業者」の方が安心して工事を任せられるといえるのです。