最終更新日 2022年1月24日

給湯器は長く使う設備ではありますが、使い方を間違えると、その寿命は意外と早くやってきてしまうかもしれません。

そもそも、給湯器は、使用するうちに徐々に経年劣化し、いずれは必ず不具合が出るものです。

そうなると、不完全燃焼で一酸化炭素中毒になったり、ひどい場合は爆発したりする危険があるので、交換しなければいけません。

でも、決して安いものではないので、できるだけ長く安全に使いたいですよね。

この記事では、給湯器の寿命についてと、長く安全に使うコツをお伝えしていきます。

給湯器の寿命は何年?

給湯器の平均的な寿命は、約10年とされています。

各メーカーでも、標準的な使用条件で使った場合、安全上の支障がなく使用可能な「設計標準使用期間」は、家庭用給湯器であれば「10年」と設定しています。

ガス給湯器の本体に貼られているラベルや取扱説明書を見ても、「設計標準使用期間」や「設計上の標準使用期間」が「10年」と書かれている場合が多いです。

ガス給湯器の寿命を決めている要因は、機器の耐用年数によるものであり、経年劣化による部品の磨耗、電装基盤の故障などが主な要因となります。

10年を過ぎても問題なく使用出来る場合もありますが、各メーカーは一定期間ごとに新しい機種にモデルチェンジするため、給湯器の修理部品保有期間は、当該機種の生産終了から10年程度となっています。

そのため、10年を過ぎると、修理の際に部品が調達出来ず、修理が出来ないことで、結果的に寿命を迎えてしまうこともあるのです。

また、修理できたとしても、費用が高額になってしまったり、修理後にも他の箇所が壊れる可能性が高くなったりするため、交換の方がいい場合が多いのです。

ただし、この平均的な寿命はあくまでも目安なので、給湯器の設置場所が不適切だったり、使用頻度が極端に高かったり、給湯器に過度な負担をかけるような使い方をすると、当然寿命は短くなります。

しかし、逆に使い方を工夫すれば、平均寿命を延ばすことも可能になってくるのです。

給湯器を長く安全に使う5つのコツ!

それでは、給湯器をできるだけ長く安全に使うコツとはどのようなものがあるでしょうか。

ここでは、6つのコツを挙げ、一つ一つについて具体的に解説していきます。

コツその1:マメに点検する

コツの1つ目は、給湯器をマメに点検するということです。

点検というと、業者に頼むのかと思いがちですが、給湯器には、自分で点検できるポイントがいくつかあります。

これらを普段からマメにチェックすることで、故障を事前に防げたり、早期発見で事なきを得たりすることができます。

自分で点検できるポイント①:外装に汚れや破損がないか

一番わかりやすいのが、給湯器本体の外装に汚れや破損がないかどうか確かめることです。

給湯器本体が油や砂ぼこりなどで汚れていたりすると、給湯能力に支障が出る場合があります。

また、もし給湯器本体が錆びていたり、黒くなっていたり、水漏れしていたりすると、そのうち不具合が起こる可能性がかなり高いので、すぐに専門業者に連絡する必要があります。

また、雪国だと、屋根から雪や氷が落ちて排気筒が潰れたり、給湯器の外装が変形して雨水が侵入していたりということも珍しくありません。

そのまま使用すると重大な故障に繋がってしまうことが予想されるので、普段からの点検が大事になってくるのです。

自分で点検できるポイント②:給排気口やその付近に異常がないか

排気口や吸気口が塞がってしまうと、不完全燃焼を起こしてしまうおそれがあります。

そのため、給排気口を定期的に点検して、ゴミなどが溜まっていないかどうか、虫などが入り込んでいないかどうか見てみましょう。

他にも、枯葉やホコリ、鳥の巣などが原因で詰まってしまうこともあります。

また、排気口や吸気口を塞いでしまわないよう、給湯器の付近にはものを置かないようにする工夫も大切です。

自分で点検できるポイント③:異音が聞こえていないか

給湯器からはいろいろな音が聞こえる場合がありますが、異常な音と異常でない音があります。

異常な音は、以下のようなものです。

  • ボコボコ:釜鳴りと呼ばれる現象で、循環パイプの勾配に問題がある
  • ボンボン:ガス漏れ、もしくは不完全燃焼が起きている可能性がある
  • キーン:配管内で急激な圧力変動が発生している
  • ピーッ:ファンモーターに不具合が発生している
  • ゴーッ:給湯器の内部にゴミやほこり、虫やネズミなどが入り込んでいる可能性がある

これらの異音が聞こえていないか注意して聞き、もし異音がしていたら、すぐに専門業者に連絡しましょう。

自分で点検できるポイント④:水漏れが起こっていないか

給湯器本体や給湯器周りの配管、シャワーや給湯栓から水漏れしていないかどうかは、常に気を付けて見ておきましょう。

配管や水回りの水漏れであれば、パッキンの劣化やナットの緩みが原因のこともあり、早期発見すれば、その交換だけで済むこともあります。

しかし、給湯器本体から水漏れしている場合は、不完全燃焼を起こす可能性がありますので、早急な処置が必要です。

また、配管の凍結により、配管が破損したり破裂したりしている場合もありますので、極端に寒い日などは、念入りに点検しておくのが良いでしょう。

自分で点検できるポイント⑤:法定点検や給湯器メーカー・専門業者による定期点検を受ける

法定点検とは、経済産業省が定めた「長期使用製品安全点検制度」に基づく点検です。

給湯器では、屋内型やガス湯沸し器など、特定の一部機種が対象となっています。

これらの製品に共通するのは、長く使用するうちに劣化が生じ、事故につながる危険性をはらんでいることです。

その事故を防ぐために行われるのが法定点検で、給湯器の場合は製造から9~11年経ったときに実施することが責務とされています。

そのため、使用期間が10年を過ぎる頃に、給湯器メーカーの方から通知が届くことになっています。

この通知が来たら、必ず法定点検を受けましょう。

また、給湯器の大手メーカーであるノーリツとリンナイは、独自の点検制度「あんしん点検」を設けています。

どちらも法令に準じて実施されるもので、目的は経年劣化が原因で起こる事故を防ぐことです。

一般社団法人日本ガス石油機器工業会が定めた内容に従い、メーカー(ノーリツの製品ならノーリツ、リンナイの製品ならリンナイ)が、有償にて点検を行います。

「あんしん点検」も法定点検と同じように、時期になると通知が届くシステムとなっているので、通知を受け取ったら指定の方法で連絡を取って日程を決め、点検を依頼しましょう。

この他にも、使用期間が10年近くになったら、定期的に専門業者の点検を受けることをおすすめします。

コツその2:マメに掃除をする

給湯器を長く安全に使うコツその2は、マメに掃除をすることです。

給湯器本体の掃除をする際には、各元栓を閉めて、電源を落としておきましょう。

また、直前まで給湯器を使用していた時は、給湯器本体が熱くなっていることがあります。

運転直後の場合は、やけどを防止するためにしばらく時間をおいて、本体の熱を冷ましてから作業を始めましょう。

ここでは、どの部分をどのように掃除したらいいのかをお伝えいたします。

掃除ポイント①:排気口や給気口

排気口や給気口にゴミや汚れが付着すると、排気不良になって排気が詰まってしまったり、排出された排気が給湯器の給気口から入ってしまったりして、不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生する危険性があります。

給排気口が目詰まりしないように、ゴミや汚れを取り除きましょう。

また、排気口カバーなどをつけて保護するのも有効です。

掃除ポイント②:循環アダプター

循環アダプターは、浴槽のお湯と水の出入り口です。

循環アダプターには、配管にゴミや髪の毛が入り込まないようにフィルターが設置されています。

このフィルターは非常に目が細かいので、定期的に掃除していないと詰まってしまうのです。

フィルターが詰まると、追い焚きをする際にお湯と水の循環不良を起こし、それにより温度センサーが温度を誤検知し、追い焚きをストップさせてしまいます。

この時、追い焚きで温度が上がらないからといって、何度も追い焚きを繰り返すと、給湯器に無駄な負担をかけてしまうことになります。

フィルター掃除は、できれば一週間に一度ぐらいは行ってあげることが理想です。

回して取り外すことができるので、歯ブラシなど細かいブラシを使い、きれいに掃除しましょう。

掃除ポイント③:追い焚き配管

ふろ自動湯はり・追い焚き機能がある場合は、追い焚き配管の掃除は必須です。

この掃除を怠ると、湯垢などが詰まったり、弁が固着したり、ポンプの負荷が増えたりするリスクが高まり、結果的に部品寿命を短くしてしまいます。

ただし、配管の掃除は1~2ヶ月に一度くらいで構いません。

掃除ポイント④:水抜き栓のストレーナー

水抜き栓は、配管の根元などに接続されています。(機種によって場所が異なることがあるので、詳しい場所は取扱説明書を確認しましょう)

水抜き栓を外してみると、配管に埋まっている部分にストレーナー(フィルター)があります。

このストレーナーにゴミが溜まっていると、お湯の出が悪くなる、お湯にならないなどの不具合が起こってしまいます。

歯ブラシなどで水洗いして、ゴミを取り除いておきましょう。

ストレーナーの掃除で注意すべき点は、水抜き栓を外すときに水が漏れてくることがあり、給湯器を使用した直後だと熱湯になっている可能性があるため、機器が十分に冷えてから外すようにする、ということです。

また、水抜き栓には、栓とストレーナーの間にあるパッキンなど細かい部品が多いです。

ストレーナーそのものも、水抜き栓から外れてしまうことがあります。

清掃中に誤って各部品を紛失しないように気を付けましょう。

掃除ポイント⑤:給湯器の外装

給湯器本体は、屋外にあることが多いため、外装は意外と汚れやすくなっています。

給湯器本体に油分や汚れがつくと錆びる原因になったり、クモの巣が張られたり虫が入り込んでいたりすると、給湯器の内部まで侵入される恐れがあります。

外装は丁寧に水拭きをし、落ちにくい汚れがあるときは、台所用中性洗剤を使います。

清掃後は、乾いた布で水気を拭き取っておきましょう。

また、給湯器本体の周囲もきれいにしておくようにしましょう。

掃除ポイント⑥:リモコン

リモコンが汚れると、電気系統の故障に繋がります。

リモコンの表面が汚れたときは、湿った布で軽く拭きましょう。

台所用中性洗剤であれば使用できます。

塩素系・酸性・アルカリ性の洗剤や、ベンジン・シンナーなどの有機溶剤、メラミンスポンジは変色・変形・傷・割れなどの原因になりますので、使用できません。

コツその3:水を使う時は水側の水栓を使う

お湯を使わないときは、水栓レバーを水側に回しておくことも重要です。

水とお湯を通す配管は給水管と給湯管で分かれていますが、給湯器の電源が入っていない時にお湯側のレバーを開くと、冷たい水が給湯管を通って出てきます。

給湯管に冷たい水が通ると、配管(金属)の温度と水の温度差が大きくなるため、配管の表面に結露が発生し、水蒸気が付着してしまいます。

これが頻繁に起こると錆や腐食の原因となる上、冷たい水が通った給湯管は冷えてしまうので、次にお湯を使った時に金属の温度差がより大きくなり、傷みやすくなります。

したがって、リモコンの運転スイッチが「切」の状態で使用する時には、必ず水側のコックだけを開くか、もしくはレバーを水側の方に倒して使うようにしましょう。

これは、給湯器を長持ちさせるために、非常に重要なポイントです。

コツその4:凍結防止対策をする 

凍結も故障やトラブルのよくある原因です。

凍結が起こると、給湯器内部の熱交換器や配管が膨張し、破裂する可能性があります。

特に本体内部で破裂した場合の修理費用は高額ですので対策が必要です。

昨今の給湯器には、凍結を防止するためのヒーターや自動ポンプ運転などの機能が備わっています。

スイッチが入っていなくても、電源さえ入れておけば、気温が下がったときに自動で作動しますので、冬期は夜間など使用しないときも電源は落とさないようにしましょう。

追いだき機能付きの給湯器の場合は、浴増のお湯を排水せずに、残り湯が循環金具より 5cm 以上上にある状態にしておくと、機器が外気温を感知し、自動的にポンプ運転を行い、凍結を防ぎます。

ただし、凍結防止機能は本体と浴槽の循環内だけで水道配管部分には効果がありません。

冬期において配管が凍結してしまうことがある地域においては、就寝前にお湯の蛇口から少量の水を出し続けることをおすすめします。

給湯器のリモコンの電源を切って、割り箸一本分の太さ程度(幅4㎜くらい)の水を出し続けることにより、水を動かし凍結を予防します。

また、長期間給湯器を使わない時や、寒さの厳しい地域で使用する時には、必要に応じて内部の水抜きを行うのもおすすめです。(次項参照)

この他、凍結しやすい露出配管を、断熱材でくるむ、寒冷地用の配管ヒーターを取り付ける、などの方法もあります。

自宅の気候条件によって、適切な処置を行いましょう。

コツその5:長期間使用しない時は水抜きをする

寒い季節に出張や旅行、帰省などで長期間家を留守にする場合は、凍結防止のため、給湯器内の水を抜いておきましょう。

基本的な手順は以下の通りとなりますが、部品の場所や外し方、細かい手順などは機種によって異なるので、実際に水抜きするときは取扱説明書も確認しておきましょう。

ガス栓を閉める
室内のリモコンで、電源をオフにする。リモコンがないときは、室内のお湯側の水栓(どこの蛇口でもOK)を全開にしておく
電源プラグを抜く(リモコンがないときは、水栓を開けてから2分以上経ってから)
止水栓を閉める
台所や浴室、洗面所など全てのお湯側の水栓を開ける
給湯器本体の水抜き栓を開ける

コツその6:バーナーの過度な使用は避ける

お湯を使う度に、ガス給湯器の内部ではバーナーでガスへの点火が行われ、お湯を止めるとバーナーで消火が行われます。

私たちの蛇口の操作で、ガス給湯器は、頻繁にお湯を作ったり止めたりを繰り返しているのです。

バーナー自体の点火回数には(個体差はありますが)寿命があり、頻繁に点火と消火を繰り返すような使い方をすると早く寿命が訪れます。

したがって、バーナーがこまめに点火しないように、混合水栓を中途半端にお湯側にせず、お湯を使うときはお湯側に、水を使うときは水側にするようにしましょう。

また、お湯をちょっと出してちょっと止めるような、ごく短時間や少量の使用は控えることで、バーナーの劣化を通常より抑えることができます。

給湯器を長持ちさせるには日頃のメンテナンスが重要!

ここまで、給湯器の寿命と、給湯器を長持ちさせるコツを6つ、お伝えしてきました。

給湯器を長持ちさせるためには、点検や掃除、凍結防止対策など、日頃のメンテナンスがとても重要です。

また、お湯を使わない場合はレバーを水側に回すという、こまめな気遣いも長持ちにつながります。

給湯器の平均寿命は約10年とされていますが、大切に扱えば15年以上使用できることもあるのです。

買い替え費用は決して安価ではありませんので、できるだけ長く使いたいものですよね。

日頃から丁寧にメンテナンスして、給湯器を長持ちさせましょう。

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修理の種類 WEB限定料金 通常料金
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給湯器内部からの水漏れ 4,500円(税込み)~ 8,000円(税込み)~
給湯器内部の故障 4,500円(税込み)~ 8,000円(税込み)~

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