キッチンのリフォームでよくある失敗例6選と防止方法
最終更新日 2023年7月31日
キッチンのリフォームは、決断してから内容を決め、実際に工事が行われるまでの期間が長く簡単には進めづらいものです。
これから長く使うキッチンだからこそ、リフォームする際には以下のように悩まれる要素が多いはず。
- 「対面キッチンにしたい」
- 「今流行りのアイランドキッチンにしたい」
- 「どういうキッチンの形が自分にとって1番フィットするんだろう?」
- 「リフォームしたら、部屋が狭くなるのでは」
- 「やり直せないから、失敗したらどうしよう?」
- 「高い業者と安い業者、どっちがいいのだろう?」
納得できるキッチンのリフォームを実現するには、失敗例を把握して失敗を防ぐやり方を実行するしかありません。
そこで今回は、キッチンのリフォームでよくある失敗例6選と、リフォームの失敗を防ぐ方法を解説します。
キッチンのリフォームでよくある失敗例6選
せっかくキッチンをリフォームするのであれば、納得できる仕上がりにしたいものです。
キッチンのリフォームでよくある失敗例とは、以下の6つです。
- キッチンスペースの使い勝手の問題
- 収納の使い勝手の問題
- キッチンの日当たりや照明の問題
- 家電との問題
- インテリア性の問題
- 新しく設置したものを使わないという問題
以下からそれぞれについて詳しく解説します。
【1】キッチンスペースの使い勝手の問題
キッチンはたいてい、一日のうち2~3回は立つものです。
もしキッチンの使い勝手が悪ければ、キッチンに立つたびに、憂鬱になってしまいます。
では、使い勝手が悪いキッチンとは、どのようなものでしょうか。
以下からは使い勝手の悪いキッチンの代表例について6つ紹介します。
キッチンそのものや作業スペースが狭くなった
対面キッチンなどのシステムキッチンにすると、収納を増やしたくなったり、シンクを大きくしたくなったり、コンロを3つに増やしてみるなど様々なアイデアが生まれるものです。
しかししたいことを増やそうとすると結果的に、野菜を切ったり、食器や調理器具を置いたりする「作業スペース」が狭くなることがあります。
作業スペースが狭くなると効率が低下するため、キッチンには充分な広さを確保することが必要です。
例えば大きなシンクは洗い物の量が増えても問題なく洗えるというメリットがあります。
鍋やフライパンなど大きな調理器具を洗う時にも使い勝手が良いものの、むやみに大きくすると作業スペースを圧迫します。
作業スペースは、最低でも60~90㎝ほどは必要だといわれています。
まな板を置いた時に、他にもザルや食器などの物が置けるゆとりがあるくらいがベストです。
60~90㎝のスペースを確保することでシンクが大きくできないなら、シンクの方を諦めるべきです。
普段の洗い物の多さと、普段使っている作業スペースの広さを比べ、キッチンはバランスが取れる大きさにしましょう。
また、今までI型だったキッチンをL型に替えることで、キッチンスペースそのものが狭くなることもあり得ます。
狭くなると圧迫感があったり、動線がうまくいかなくなったりして、使い勝手が悪くなることが多くなります。
対面キッチンにしたら、ダイニングも狭くなった
対面キッチンにすると、キッチンだけでなくダイニングも狭くなる可能性があります。
せっかくキッチンをきれいにしたのに、そのせいでダイニングが狭くなり、食事の最中に圧迫感や窮屈さを感じてしまうようでは、元も子もありません。
特に家族が多い方や子どもが何人もいる方は、キッチンではなくダイニングの面積を広く取っておくことをおすすめします。
通路が狭く、二人で作業できない
キッチンは、「どうせ一人で作業するのだから…」と思って、周囲を人ひとりやっと通れるくらいの通路にしてしまうと、パートナーや子どもに出入りしてもらい、手伝ってもらいづらくなります。
また、自分が高齢になった時に、ヘルパーさんなどがキッチンに入づらくなるかもしれません。
二人以上の人がキッチンで作業するには、通路は120㎝程度の広さが望ましいといわれます。
また、人ひとり通れる程度の周囲環境でさらに床へ道具などを置いてしまうと当然通りづらくなります。
したがってキッチンの通路は、広めに取っておくのがおすすめです。
家具や家電の置き場所が悪く、動線が悪くなった
キッチン周辺にへ新たに冷蔵庫や食器棚などを置く場合、あらかじめ動線を考えて配置しないと、動きの効率が悪くなることがあります。
例えば、冷蔵庫と作業スペースが離れていると、材料を取りに行くのに不便です。
さらに食洗器と食器棚が離れていると、食器をしまいに行くのに何度も往復し面倒です。
こういった結果を招かないよう、設計をする段階でキッチン周りの動線をしっかり考えておく必要があります。
シンクの高さが合わない
近年、腰を痛めないようにとキッチンにおけるシンクの高さを高く保つ傾向があります。
しかしシンクの高さとは高すぎてもいいものではありません。
例えば包丁に力が入りにくくなり、肩やひじを痛める原因になるのです。
キッチンの最適な高さは、「身長÷2+5㎝」です。
身長150㎝の方であれば、「80㎝」がシンクの適切な高さといえます。
ただしパートナーの背が高くて、170㎝だったとすれば、適切なシンクの高さは90㎝になってしまいます。
そこでお互いの間をとってシンクの高さを85㎝にしたところ、150㎝の方は肩やひじが痛くなり、170㎝の方は腰が痛くなるといった望ましくない痛み分けも起こり得ます。
シンクの高さは決めづらいものです。
シンクの適正な高さが家族ごとに開きがある場合、基本的に家族の誰が多くシンクに立つかを考慮して決めてください。
シンクの高さを決める時は、実際にショールームに行って、実物で体感するのがおすすめです。
その際、家で使うスリッパなどを持参すると、普段の感覚で体感することができます。
ゴミ箱を置くスペースがなくなった
キッチンの設計をする時にうっかり忘れがちなのが、ゴミ箱を置くスペースです。
調理をする時には必ずゴミが出るため、キッチンにゴミ箱設置は必須です。
ゴミ箱を置くスペースがないと、遠くまで捨てに行き手間がかかったり、無理やり通路にゴミ箱を置いたせいで動線の邪魔になったりします。
特にゴミの分別が厳しい地域の方だと、ゴミ箱は複数置かなければならず、そのために意外とスペースをとらなけばならないことを念頭に置かなければなりません。
キッチン設計の時には、あらかじめゴミ箱を置くスペースを確保するか、カップボードやシンクの下にゴミ箱を設置する空間をとるなどの工夫をするといいでしょう。
ゴミ箱がキッチンの適切な場所に置けると、生活感が隠せて快適に家事ができます。
【2】収納の使い勝手の問題
キッチンには、食材や食器、掃除道具や生活必需品などものが溢れがちです。
そこでリフォームするからには、収納を増やしたいという方も多いでしょう。
ところが、実際に収納を増やしてみたのはいいけれど、意外と使えなかった、という方も多いのです。
以下からは、収納部分で起こりがちな問題点について解説します。
背面収納の使い勝手が悪い
壁面収納のない対面キッチンやアイランドキッチンの場合、収納は背面に置かれることになります。
つまり対面キッチンやアイランドキッチンは、収納のスペースが少ないのです。
ものがしまえる唯一の背面収納ではあるものの、意外と使いにくさを感じる方も多いようです。
背面収納のデメリットである奥行きがあまりないことや、いちいちキッチン側から回ってこなければ出し入れできないことが原因と見られます。
収納できるものが限られているうえに動線まで考えると、背面収納はあまり使い勝手が良いとはいえません。
背面収納を設置しなければならないときは、入れたいものの量や種類を考えた上で設置を検討しましょう。
床下収納が不便だった
「キッチンにあまり物を置きたくない」という理由で床下収納を検討する方は多いながら、「思ったより不便だった」という声があります。
床下収納は収納力が大きいため、戸棚に入りきらない物などを収納するのに便利なものの、物を出し入れしにくいというデメリットがあります。
床下収納から物を出し入れするには、その度にかがみこむ必要があり、足腰に不安がある方や、歳をとって身体のバランスがとりにくくなっている方には、大掛かりな作業となってしまうのです。
また、キッチンマットを敷いたら隠れてしまい、ほとんど使わなくなったという方もいます。
床下収納は、戸棚や引き出しほどの利便性がありません。
めったに使わないけど捨てられないもの、あるいは長期間寝かせておきたいワインなどをしまうぐらいにしか使い道がないといえるでしょう。
パントリー(食品庫)が使いにくい
大容量の収納を確保できるキッチンパントリーは、リフォーム後の満足度が高いものとして人気です。
パントリーは適度な大きさのものを利用すべきです。
つい「たくさん入った方が良い」と欲張って奥行きが深すぎるものを作り、奥にしまい込んでしまったものが使いにくくなっていつの間にか賞味期限が切れてしま例があとを絶ちません。
パントリーは最初から適度な大きさにするか、あるいは引き出しにするか、出し入れしやすい網かごなどで小分けするなど、工夫が必要です。
高い所の収納はケガをするリスクがある
収納を増やそうと思うと、つい天井までの背面収納や吊戸棚などを設置してしまいがちです。
しかし高い位置にある収納は、出し入れする時にケガをするリスクがあります。
特に子どもやお年寄りなどが、高い棚に手が届かなくイスや脚立に上った結果、落ちてケガをすることが多いようです。
一番棚を使う年齢分布にいる若い女性でも、無理して高い位置のものを取ろうとして、中に入っていた物がなだれてきたり、足がつったりすることがあります。
このように高所棚は使い勝手が悪く、結局押し入れの上の天袋のように使わない物を入れる物置になってしまう例が多くなります。
導入を検討している方は、高い棚に何を入れようとしているのか、使いたい人が取り出しやすいか、使う頻度はどのくらいか、などを考慮して設置しましょう。
【3】キッチンの日当たりや照明の問題
「キッチンは明るい方がいい」と思う方も多いでしょう。
それなのに「リフォームしたらキッチンが暗くなってしまった」、あるいは「明るすぎて困る」など、日当たりや照明に悩まされることがあっては使いづらくなってしまいます。
そこで以下からは、キッチンにおける日当たり、照明についてのありがちな問題点について3つ解説します。
日当たりが悪くなり、暗くなった
キッチンの明るさについて、以前は大きな窓があったところに壁面収納を作ってしまったため、全く日があたらなくなり暗くなってしまった、という例があります。
また対面キッチンにリフォームして、カウンターの方にも収納をつけた結果、キッチンに日が入らなくなってしまうということもあるようです。
特に、I字キッチンから、L字キッチンに替える時には、日当たりも考慮しましょう。
日当たりが良過ぎて、食べ物が腐る
自然光が差し込む明るいキッチンにしたいと思って大きな窓をつけたら、西日が強すぎて、夏場は暑くてキッチンにいられず、食材もあっという間に腐ってしまう、という例もあります。
このように、キッチンとは自然光の力で明るければいい、というものでもないのです。
キッチンの採光を考える場合は、日差しや気温の度合いはもちろんのこと、風通しなども考慮に入れましょう。
照明の位置が合わず、作業スペースが暗い
キッチンを対面にした場合や、キッチンの位置をずらした場合、もともとの照明の位置と合わずに、作業スペースが暗くなってしまった、という例もあります。
システムキッチンには様々オプションが付属させられることが魅力的ではあるものの、照明が差し込まないのでは何の作業もできません。
作業スペースが暗くなった場合は、キッチンに別の照明をつける必要が出てきます。
LDKなどの場合で照明がキッチンから遠い場合は、どの程度照明が差し込むか、新たに照明を取り付ける必要があるかどうか、リフォームの際は考慮に入れましょう。
【4】家電との問題
キッチンには、冷蔵庫をはじめとして、炊飯器、電子レンジ、オーブントースター、電気ポットなど、家電製品が多くあります。
これらが全部つつがなく利用できてはじめて、キッチンがキッチンとして機能するといえるでしょう。
ところが、リフォームによっていくつか発生する問題があるのです。
そこで以下からはキッチンと家電におけるありがちな問題点について、6つ紹介します。
家電の置き場所がなくなった
例えばシンクとコンロの間に置いていた炊飯器が、シンクを広くするリフォーム後、作業スペースが狭くなって置けなくなることがあります。
またオーブントースターを置く場所がなくなって、パンを焼くのに不便になったなど、家電を置く位置を考えずにリフォームしてしまうと、後悔する場合があります。
家電のコンセントが届かない
キッチンをリフォームすると同時に家電の置き場所を変えたら、コードがコンセントに届かなくなってしまった、というトラブルもあります。
かといって、延長コードやタコ足配線を使っては、せっかくのスタイリッシュなキッチンが台無しになってしまうことがあります。
キッチンをリフォームする際には、どの家電をどこに置くか、電源が確保できるのかまで考慮して設計・検討しましょう。
コンセントの数が足りない
キッチン周りの家電は、どんどん増えていくものです。
するとコンセントの数が足りなくなってしまい、タコ足配線になる可能性が高まります。
タコ足配線は火事になる危険性が高く、特に火を使うキッチンでは禁忌とされます。
リフォームの際には、コンセントの増設も同時に依頼しましょう。
電気容量が足りない
キッチンのリフォームを経てIHコンロ、食洗器やオーブンレンジ、大型換気扇といったアイテムが得られると、今までよりもはるかに電気を消耗することがあります。
すると、それまでの電気容量では、キッチンの稼働がまかなえなくなる事態が起こり得ます。
特にコンロをIHにする場合は、必ず電気容量をチェックし、足りないようであれば電力会社に連絡して、容量を増やしてください。
電気容量が足りないと頻繁にブレーカーが落ちます。
冷蔵庫が買い替えられない
家電の寿命は、一般的に10年ほどといわれています。
特に冷蔵庫はキッチンには必須であり、壊れたら買い替えなければなりません。
しかしリフォームを経て、冷蔵庫が奥にぎりぎりの大きさではまってしまい移動できず、新しい冷蔵庫を別場所に設置したという例があります。
また、現状の冷蔵庫にぴったりのサイズでキッチンをリフォームしてしまうと、将来より大きいものが欲しくなった時にキッチンに入らない、ということも起こり得ます。
冷蔵庫を設置する時には、その冷蔵庫を買い替えることも念頭に置いて、余裕のあるスペースをとるようにしましょう。
ガス管や水道の配管と合わない
せっかく思い通りのキッチンを設計したのに、いざリフォームしようと思ったら、既存のガス管や水道管の配置と合わない、ということもあります。
キッチンを新しく設計する際には、ガス管や水道管の配置も考慮に入れましょう。
ガス管や水道管の増設や移動をする場合は、専門の業者に相談するのが得策です。
【5】インテリア性の問題
キッチンをリフォームする際には、そのキッチンが現状の部屋にマッチするかどうか、つまりインテリアとして適切か否かも問題になります。
そこで以下からは、キッチンのリフォームにともなうインテリア面での懸念点について解説します。
安い床材にしたら、油で滑りやすくなった
キッチンのリフォームをする場合、合わせて床材を変えることがあります。
この時、下手に安い床材を選んでしまうと、揚げ物や炒め物などではねた油が表面に残り、滑って転倒するリスクが生まれてしまいます。
特にタイル材です。
タイルは滑りやすいため、安くて汚れも目立ちにくく、掃除がしやすいというメリットはあります。
しかし滑りやすさはデメリットでもあり、子どもや高齢者がいる場合は注意が必要です。
キッチンの床材は、繋がっているLDKとの相性も考慮しつつ、滑りにくく掃除をしやすい床材を選びましょう。
素材によっては汚れが目立つ
キッチンの天板は、白など明るいカラーを好む方もいる一方、汚れが目立つ色でもあります。
特にホワイト系の人造大理石カウンターは、ステンレストップよりも汚れやゴミが目立ちます。
明るいカラーを選ぶなら、汚れがつきにくい素材や、コーティングされたものを選ぶのがおすすめです。
また、マット仕上げよりも鏡面仕上げの方が、汚れをサッと拭き取りやすいです。
アイランドキッチンにしたら生活感が丸見えになった
スマートでオシャレに見えるアイランドキッチンは、他の形状に比べるとリビングや玄関から全体が丸見えになってしまうという特徴があります。
調理後にすぐ片づける習慣がある方ならまだましなものの、マメな手入れが行き届かない場合、散らかって見えてしまいます。
アイランドキッチンは収納スペースも少ないため、散らかっていることがあらゆる方向から見えてしまい、生活感が丸出しになってしまうリスクがあるのです。
整理整頓が苦手な方は、アイランドキッチンはやめておいた方が無難です。
リフォーム費用を抑えたら、全体の調和がなくなった
システムキッチンは機能もデザインもこだわってリフォームするものであり、一定の大きなコストがかかります。
そんな中、全体のリフォーム費用を抑えようと床材や壁材に安い素材を選んでみたら、全体の調和がなくなり、せっかくのシステムキッチンがオシャレに見えなくなってしまうということもあります。
キッチンのリフォームの際に床材や壁材を変える必要があるなら、工事完了後の色合いや質感のバランスもしっかりイメージした上で選びましょう。
イメージと違うキッチンになった
完成後キッチンの外観や色合いなどのイメージはしたものの、実際の完成後、イメージと違った、というのもよくあることです。
カタログやインターネット情報だけで選ぶと、微妙な色合いや質感の違いがわからない場合があります。
イメージと工事後のギャップを埋めるために、キッチンや床材・壁材を選ぶ際には、ショールームで実物を見学することをおすすめします。
もともとのインテリアや部屋の雰囲気と合わない
色や素材やデザインにもこだわってオシャレなキッチンを作ったものの、隣り合うリビング・インテリアと雰囲気が合わなくなってしまう場合があります。
特にLDKの場合は、リビングの雰囲気やインテリアにマッチするようなキッチンをデザインしましょう。
【6】新しく設置したものを使わない問題
システムキッチンにする場合、費用を気にしなければあらゆる機能が付属できるためつい欲張りがちになります。
すると多機能キッチンを設置したものの、付属機能をあまり使わないという現実が起こり得ます。
その代表的な例が次の3つです。
食洗器
最近のリフォームでは、食器洗い乾燥機をキッチン内に設置するのが人気です。
しかしせっかく設置した食洗器を局使わない人も多いようです。
食洗器は使う前に食器を軽く手洗いする必要があり、どうせ洗うならそれだけで十分、と思ってしまう方もいます。
またお皿や調理器具によっては食洗機で洗えない物もあり、結局手洗いしているという場合もあります。
せっかくお金をかけて設置しても使わないともったいないため、本当に食洗機が必要かどうかはよく検討しましょう。
床下収納
床下収納は便利なようで、意外と使わないという意見もリフォーム経験者の中には多くあります。
使わない理由としては「物を出し入れしにくく、キッチンマットなどを敷くと隠れてしまうため、いちいちマットをどけかがみこんで作業をするのが面倒」が代表例でした。
オーブンレンジ
システムキッチンには、コンロの下にオープンレンジがついている場合もあります。
リフォーム後当初は、「オープンレンジがあるから凝った料理をしよう」とクッキーやケーキを焼いたりして張り切る方も多いものです。
しかしながら時間経過とともに、だんだん面倒になって使わなくなってしまった、という例も多いようです。
オーブンレンジに電子レンジやトースターの代わりとして使える機能がついているならまだ利用の余地があるものの、オーブンの機能しかない物はそもそも選ばないことが無難です。
キッチンのリフォームで失敗を予防する方法
キッチンのリフォームの失敗例にはさまざまなパターンがありました。
どうしたらキッチンリフォームの上での失敗をしなくて済むのでしょうか。
キッチンリフォームの失敗予防法として、以下の5つの点について細かく解説していきます。
- 方法1:優先順位を考える
- 方法2:設置を検討している設備が本当に必要か考える
- 方法3:キッチンの動線を考える
- 方法4:ショールームで実物を確認する
- 方法5:良い業者を選ぶ
キッチンのリフォームの際には、これらの点を十分考慮して検討しましょう。
方法1:優先順位を考える
キッチンのリフォームを考える際には、どのようなキッチンにしたいかをイメージしましょう。
イメージすべき点は例えば以下の項目です。
- 機能
- 収納
- デザイン
- 価格
この時に何を最優先にするかを決めてください。
「理想のキッチン」のイメージは簡単に抱けそうなものの、実際は予算やスペースの問題ですべての希望が叶うことは少ないです。
その場合には、何を優先して、何を妥協するのかをあらかじめ考えておくと、実現可能な範囲内で満足できるキッチンが作れます。
特に「優先順位」は、今のキッチンに抱いている不満や、不便に感じている点をまとめてみると、決めやすくなります。
方法2:設置を検討している設備が本当に必要か考える
キッチンのリフォームであれもこれも設置したいと望むケースは多いものの、本当にその機能が必要なのかは熟考すべきです。
特に食洗器やオーブン、収納スペースなど、作ったが使わないようなものがあると、後からもったいなく感じます。
設置を検討している機能が本当に必要なものなのかどうか、家族構成や使う人の人数、使用頻度などを考慮した上で、再検討しましょう。
方法3:キッチンの動線を考える
キッチンのリフォームを考える際に重要なのは、「動きやすいレイアウトにすること」です。
キッチンの動線を考える際には、「ワークトライアングル」という考え方を参考にしてください。
ワークトライアングルとは、「キッチン作業の中心となるコンロ・シンク・冷蔵庫の3点を結んだ三角形」のことです。
この三角形の一辺は、2~3歩程度の距離であると使いやすいといわれています。
理想的なワークトライアングルは以下の距離です。
- コンロからシンクが1.2m~2.1m
- シンクから冷蔵庫が1.2m~1.8m
- 冷蔵庫からコンロが1.2m~2.7m
また通路の幅は90㎝~120㎝であれば移動しやすく、複数人で作業することが多い場合は、圧迫感のない1m以上の幅をキープしたいところです。
方法4:ショールームで実物を確認する
リフォーム後に「イメージと違う」とならないためにも、ショールームで実物を確認することは重要なことです。
実物を見ると、色や素材の違いなど、カタログやインターネット情報ではわからなかったことが具体的にイメージできるようになります。
また展示品のシンクの前に立って、実際の高さや広さを確認することも重要です。
見学の際は自宅のキッチン周りの写真を持参すると、より部屋にマッチしたキッチンが実現できるかどうかの指標となるため参考にしてください。
方法5:良い業者を選ぶ
キッチンのリフォームの際には、業者選びが一番重要です。
せっかくショールームを見学して、検討に検討を重ね自宅にぴったりなキッチンを設計したとしても、施工業者がいい加減では後々後悔することになります。
リフォーム業者を選ぶ際には、以下の6点を参考にしましょう。
リフォーム業者の一括比較サイトを使う
リフォーム業者はたくさんあるため、どこを選んだらいいのか判断しづらいものです。
そんな時は、リフォーム業者の一括比較サイトを使うのも一つの手です。
一括比較サイトでは、フォーム上で「市町村名、リフォームをしたい箇所、築年数、予算、リフォームに関する要望」などを入力すると、10社ほどの費用と保証内容の情報が出てきます。
出力された情報を参考にして、それぞれの会社のサイトを調べてみてください。
リフォーム業者の紹介サービスを使う
リフォーム業者の紹介をしているWebサービスもあります。
紹介サービスの内容は、リフォームの専門知識を持った相談員が相談に乗ってくれて、最適な業者を紹介してくれるといった内容です。
プランニングの時点から相談に乗ってくれるところもあるので、どんなキッチンにするか具体的なイメージが湧いていない方にもおすすめできます。
相見積もりを取る
リフォーム業者を数社に絞ったら、必ず相見積もりをとりましょう。
同じような施工でも、業者によって価格は様々です。
相見積もりをとって、納得できる価格のところを選んでください。
ただし「安ければいい」というわけではないのは覚えておきましょう。
安ければいい業者とはいえない理由は次の項目で解説します。
リフォーム後の保証がある業者を選ぶ
施工業者が「安ければいい」わけではない理由は安い業者はリフォーム後の保証がないところが多いからです。
キッチンをリフォームしても、使い続けるうちにいろいろと不具合が出てくる可能性があります。
そういった時に、8年保証や10年保証がある業者だと、安心して頼むことができるでしょう。
あくまで目安ながら、最低でも7~8年の保証がある業者を選びましょう。
信頼できる担当者のいる業者を選ぶ
リフォームは、プランニングから施工までたくさんの過程があります。
また施工主として選ばなければならない内容も多岐に渡り、一つひとつ決めていくには、リフォーム施工業者の担当者との信頼関係が必要になります。
どんなに大手の業者でも、担当者が信頼できないと、気分が悪いままリフォームを頼むことになります。
「この人なら安心して任せられる」と思える担当者のいる業者を選びましょう。
施工実績や経験が豊富な業者を選ぶ
キッチンのリフォームで、依頼主の希望にどれだけ添えるリフォームができるかは施工業者の経験に左右されます。
キッチンのリフォームに関して、施工実績や経験が豊富な業者ほど、依頼主の希望をできるだけ反映したリフォームをしてくれるでしょう。
業者を比較する時は、過去のリフォーム例などを参考にして、自分の希望するようなリフォーム工事の施工実例がある業者を選ぶといいでしょう。
キッチンのリフォームは慎重に考えて、信頼できる業者を選ぼう
今回は、キッチンのリフォームの失敗例とその防止方法を解説しました。
失敗例は数限りなくあり、一方で見事成功して満足いく仕上がりになった方もいます。
一番の成功要因は、やはりプランニングの段階から信頼して任せられる業者と出会えたかどうかです。
自分たちで一所懸命設計したとしても、プロではないので穴があることが多いものです。
したがって、リフォームのプロである業者と一緒に考え、相談して、自分たちの希望をできるだけ反映しながら、実現可能なプランニングをすることが大事だといえます。
キッチンのリフォームを考えるなら、まず信頼できる業者を探すことをおすすめします。