最終更新日 2023年5月31日

「キッチンがだんだん古くなってきたから新しくしたい」「もっとオシャレなキッチンにしたい」「そもそものキッチンの作りが気に入らない」など、キッチンのリフォームをしたいと思う方の悩みはそれぞれでしょう。

しかし、キッチンのリフォームをするにあたって、誰もが一番気になるのは、費用と期間ではないでしょうか。

どこをどれだけリフォームしたら、どれくらいの費用と期間がかかるのか、細かく知りたいと思いませんか。

そこでこの記事では、キッチンのリフォームにかかる費用と期間を、「費用別」「種類別」「グレード別」に詳しく解説していきます。

キッチンのリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

キッチンのリフォームにかかる費用の相場

初めに、キッチンのリフォームにかかる費用の相場を解説していきます。

キッチンのリフォームにかかる費用の相場は、30万円~300万円と、非常に幅広くなっています。

これは、一口にキッチンのリフォームといっても、内容が多岐にわたることです。

キッチンのリフォームにかかる平均費用と価格相場

引用元:リショップナビ

上記の図を見ると、キッチンのリフォームにかかる費用のなかで一番多い額は50万円~150万円程度だとわかります。

ただし、LIXILの調べでは、100万円台と200万円台が最も多いという結果もあり、総じて100万円台が相場ということができるでしょう。

キッチンのリフォームにかかる諸費用

キッチンのリフォームにかかる費用は、工事費だけではありません。

料金に含まれる諸費用は、リフォーム会社によって異なります。

キッチンのリフォーム費用として計上されうる内容は、以下になります。

  • キッチン本体代金:システムキッチンなど、キッチン本体の価格
  • 工事費:現在あるキッチンを解体して取り外し、新しいキッチンを取り付ける作業の費用
  • 廃材処分費:施工で出たゴミや古い機材を処分する費用
  • 室内養生作業費:搬入する時の周囲や、リフォームしない箇所にカバーをかけるなどの養生代金
  • 人件費・交通費:リフォームする職人の人件費と交通費/駐車場代は別途必要
  • 1年工事保証:施工箇所の工事不備を1年保証する料金(リフォーム会社によっては、5年保証などさまざま)
  • 消費税:リフォーム当時に発生しうる消費税

この他、キッチンを移動させる場合は床や壁の補修などの内装工事費用、電気・ガス・給排水管・換気ダクトなどの配管工事費用もかかる場合があります。

費用別できるキッチンリフォーム

価格によって、できるリフォームには違いがあります。

以下からは、価格帯によってリフォーム内容にどのような違いがあるのかを解説します。

50万円以下

50万円以下でできるリフォームは、「部分的な工事のみ」です。

システムキッチンにビルトインされているコンロ、レンジフード、オーブン、食洗器の交換や、ガスコンロをIHコンロに交換するなどであれば、30万円以下で工事できます。

なかでも、システムキッチンにビルトインされているガスコンロの取り替えであれば数万円程度、オーブンの取り替えであれば15万円程度で工事可能です。

一方ガスコンロをIHコンロに取り替える場合は、25万円程度かかります。

また、ワンルームのような狭い部屋にある、コンパクトなミニキッチンの交換であれば、50万円以下で工事ができる場合もあります。

50~100万円

キッチンのリフォームで最も多く見られる、「キッチン全体を取り替える工事」は、だいたい50万円~150万円で施工可能です。

ただし本工事は、キッチンの位置を変えずに施工する場合に限ります。

費用大きな差異は、新たに導入するシステムキッチンのサイズ・性能・グレード、さらにはキッチンの場所変更の有無、壁紙や床材の張り替えの有無などにより発生するものです。

場所を変えずにシステムキッチンを交換する場合、間口180㎝の小さなキッチンであれば、「古いキッチンを撤去して壁付けのスタンダードなシステムキッチンに替える工事」であれば50万円程度で施工できます。

また、I型のキッチンを同じ型の機種に変更する場合も、キッチンの位置を変えなければ、100万円以下で施工できる場合が多く見られます。

一般的に、システムキッチンの本体価格は、壁付けのもので20万円~75万円、工事費用は25万円~35万円程度です。

場所が同じでもキッチンが大きくなればなるほど、システムキッチン本体の価格が高くなり、工事費用が上がっていきます。

100~200万円

キッチンの位置を変えなくても、I型やL型のキッチンの向きを変え、対面式のペニンシュラ型やアイランド型に変更する場合は、100万円以上かかる場合が多くなります。

対面型のシステムキッチンも壁付けのものより高価で、100万円以上かかる場合が少なくありません。

これらキッチン本体価格に、さらに工事費用がかかるため、価格帯は100万~200万円という振れ幅になってしまうのです。

逆に、対面型キッチンから壁付けタイプのキッチンに変更する場合も、同じくらいの費用がかかります。

また、LDKの間仕切りや収納を撤去して空間を広く演出するなど、キッチンだけでなく周囲の内装工事を追加する場合も、100万~200万円という価格帯になります。

それでも100万円以下の工事に比べ、キッチンの色や機能の選択肢が増えるため、リフォームの楽しみは大きくなるでしょう。

オーダーメイドキッチンや造作キッチンなど「寸法や仕様を自由に変えられるキッチン」の場合も、キャビネットやワークトップ、シンクなどの素材のグレードを抑えれば、100万~200万円という価格帯で施工可能です。

200万円以上

キッチンの場所や間取りを変え、壁付けのキッチンを対面型やアイランド型に変更し、さらにダイニングの内装も一新する場合は、工事費用総額が200万円以上かかる場合があります。

「キッチンの場所を変える」とは、給排水のための配管工事、排気用のダクト工事、照明の取り換えによる電気工事などの大規模な配管工事が必要であるということです。

キッチンの場所替えには、加えて床のフローリングの張り替えや壁の補修工事、天井の内装などが含まれます。

結果的には工事費用だけで100万円~200万円くらいかかります。

さらにキッチンを1階から2階へ移動するなど場所を大幅に変える場合には、250万円以上かかる場合も珍しくありません。

また素材に特注品や高級品を使用する場合や、広範囲で内装補修が必要な場合、キッチンの構造部の補強が必要な場合などは、総工費が300万円以上かかる場合もあります。

キッチンの種類別リフォーム費用

キッチンのリフォームにかかる費用はキッチンの種類によって異なります。

一番安いキッチンがシンプルな壁付けのI型のキッチン、最も高いキッチンが、アイランド型のキッチンとなります。

キッチンの種類の違いによるリフォーム費用の相場は、以下の表の通りです。

キッチンの種類 費用相場
I型 50万~120万円
L型 65万~130万円
対面型/壁付けI型 70万~130万円
対面型/アイランド型 110万~200万円

ただし、これらの費用はあくまでも「キッチンのリフォームにかかる費用」であり、キッチンの場所移動や内装工事に伴う費用は別になります。

グレード別キッチンのリフォーム費用

キッチンのリフォーム費用は、グレードによっても変わります。

キッチンのグレードを加味したリフォーム費用相場は、以下の表の通りです。

シンプル スタンダード ハイグレード
I型キッチン 50~80万円 60~90万円 70~120万円
L型キッチン 65~90万円 75~120万円 85~130万円
対面型キッチン 70~100万円 80~130万円 90~160万円

シンプルなキッチンとハイグレードなキッチンの違いは素材です。

例えばシンクの素材は、シンプルグレードではステンレスが採用されます。

一方ハイグレードになると人造大理石が使われたキッチンが増えます。

またグレードを分ける決めてとして、キャビネットが木製かステンレス製か人造大理石かといった違いや、ワークトップの素材やコーティングの有無、収納の引き出しのレールに静かに閉まる機能がついているかいないか、などといった違いもあります。

オプションをつける場合

キッチンのリフォームをする際、スタンダードな機能だけでなく、オプションをつけたい(一部分だけグレードを上げたい、もしくは機能をつけ足したい、など)という希望が出ることがあります。

キッチンのリフォームの際に選べるオプションは、主に以下の5つです。

  • キャビネットなどの扉材・取っ手の素材
  • キッチンの天板の素材
  • シンクの素材
  • 水栓・浄水器の機能と種類
  • 換気扇の種類

オプションとして選択できるポイントは素材など細かい部分が多くなっています。

しかしながら素材とはキッチンの見た目や使い勝手を左右することがあるため、自分に合ったものをしっかり選択すべきです。

キャビネットなどの扉材・取っ手の素材

キャビネットや吊り戸棚などの扉材は、低価格のオレフィン化粧板から、選ぼうと思えばメラミン化粧板、塗装(UV・ウレタン)、ステンレス、ホーロー、天然木といったように素材のグレードを上げられます。

機能・コスト両方とも重視したい方は、メラミン化粧板を選択すべきです。

メラミン化粧板は比較的安価で、汚れや傷がつきにくく、耐久性に優れています。

扉材はキッチンの印象を左右するものであるため、リビングやダイニングのインテリアに合わせて素材を選びましょう。

取っ手は、「ハンドルグリップタイプ」と「ラインタイプ」の2つがあります。

ハンドルグリップタイプは、様々なデザインがあるため、インテリアを楽しみたい方におすすめです。

ラインタイプのものは、シンプルであり取っ手として邪魔になりにくいというメリットがあります。

取っ手の素材には、天然木やアイアンなどがあり、扉材の種類に合わせて選ぶのがいいでしょう。

ワークトップ(天板)の素材

まな板やボウルなどを置くキッチンの作業台であるワークトップは、キッチンの見た目の印象を変えます。

ただし、見た目だけで選ぶのではなく、耐水性・耐久性・耐熱性に優れたものを選びましょう。

ワークトップは、食材を切ったり、濡れた食器を置いたり、熱い鍋を置いたりする場所です。

そのため、できるだけ長期間、衛生的に使用できる素材を選ぶべきです。

一般的に選択されがちな素材は、樹脂板やステンレス、人造大理石です。

一方ではタイル、セラミック、メラミン、クォーツストーン、御影石などの天然石を使ったワークトップもあります。

最も安いものは樹脂で、最も高価なものが天然石です。

それぞれの素材ごとに異なる特徴があるので、自分の調理のスタイルとインテリアに合わせて選びましょう。

シンクの素材

シンクの素材として主なものは、ステンレスと人工(人造)大理石があります。

一般的に多いのは、ステンレスです。

ステンレスが選ばれる理由は、耐久性や耐熱性に優れ、カビやサビに強く、メンテナンスが楽なためです。

しかしステンレスはデザイン的に無機質であり、表面の光沢も時間とともに薄れていってしまうため、デザイン性を重視する方には向かないかもしれません。

人工大理石は、アクリル系とポリエステル系の2つの種類があります。

アクリル系は耐衝撃性に優れており、ポリエステル系は安価なものが多いという特徴があります。

人造大理石は、天然の大理石を粉砕して固めた素材で、質感が高級なのが特徴です。

この他に、カラーステンレス(セラミックコーティング)、ホーローなどがあります。

シンクを選ぶ時のポイントは、耐久性と掃除のしやすさです。

シンクには生ゴミなど水気が多いものが溜まり、カビやすい場所のため、掃除を怠るとすぐに不衛生になってしまいます。

そのため素材選びの際は、見た目や耐久性だけではなく、掃除がしやすいかどうかをチェックするといいでしょう。

水栓・浄水器の機能と種類

水栓には普通の水栓とシャワータイプがあり、シャワータイプの方が高価です。

浄水器には、主に「浄水器専用自在水栓」と「浄水器兼用混合栓」の2種類があります。

浄水器専用自在水栓は浄水器と水道水の蛇口が別になっており、シンクに2つの蛇口がつきます。

浄水器兼用混合栓は水道の蛇口に浄水フィルターが設置されている浄水器で、1つの蛇口で完結するものです。

浄水器を取り付ける場合は、スタンダードなものなら数万円、高性能タイプであれば30万円程度かかります。

換気扇の種類

換気扇には、プロペラタイプとレンジフードタイプの2種類があります。

最近のキッチンでは、レンジフードタイプの換気扇が一般的です。

レンジフードには、いろいろな機能をあわせ持った商品が増えています。

例えば掃除がしやすいフィルターレスのタイプや、油を浮かせる機能がある浸水系コートがされたタイプ、セルフクリーニング機能付きタイプなどがあります。

ただし、どのタイプも掃除が必要です。

換気扇を選ぶ際は見た目と大きさ、そして自分が一番掃除しやすいタイプを選びましょう。

キッチンのリフォームにかかる期間

キッチンのリフォームにかかる期間はどのくらいでしょうか。

キッチンのリフォームの工期の目安は、リフォームの規模によって違います。

キッチン単体の交換から、間取りや内装まで替える大規模なものまで、リフォームの内容は多岐にわたります。

以下からはキッチンのリフォーム規模ごとに異なるリフォーム期間の目安について解説します。◉-2-1、小規模のリフォームの場合

小規模なリフォームとはキッチンの場所や種類はそのままに、古くなったキッチンを新しいものに入れ替え・交換するのみの工事です。

工期の目安は最短2日~最長1週間程度となります。

2日の場合は、1日目に周囲の養生と既存のキッチンの解体、2日目に新しいキッチンの搬入と設置を行います。

キッチンの交換とともに大工工事や電気・配管工事を行う場合は、4日ほどかかる見込みです。

この場合工期期間内に土日祝日を挟むと、1週間ほどかかることになります。

中規模のリフォームの場合

中規模のリフォームとは、キッチンの入れ替えとともに、周囲の内装変更をする場合です。

床材と壁紙の張り替えを行うため、工期の目安は1週間程度となります。

工程としては以下の通りです。

  • 1日目:養生と既存のキッチンの解体
  • 2日目:電気・配管関連の工事
  • 3日目:壁紙の交換
  • 4日目:床の張り替え
  • 5日目:新しいキッチンの搬入と設置
  • 6日目:改めて電気・配管工事

ただし、キッチンの間仕切り移動や撤去が伴う場合は、10日ほどかかる場合もあります。

大規模のリフォームの場合

キッチンの場所を移動させたり、壁付けのキッチンを対面型やアイランド型に変更したりするような「レイアウト変更」と呼ばれる大規模なリフォームの場合の工期は、2週間から1ヶ月程度が目安となります。

リフォームの工程は以下の通りです。

  • 1日目:養生と既存のキッチンの解体
  • 2~3日目:壁・床の解体、電気・配管工事
  • 4~6日目:床の張り替え
  • 7~10日目:腰壁の設置、クロスの張り替え
  • 11~14日目:新しいキッチンの搬入と設置、電気・配管工事

キッチンの移動がどれくらいの距離か、間仕切りを撤去する必要があるか、LDKのレイアウト変更もあるか、など工期は左右され、実質期間は大きく変わってきます。

工期以外にかかる期間

キッチンのリフォームには、工期以外にも確保すべき期間があります。

その他の期間とは下記の通りです。

  • 業者探し
  • 業者による現地調査と見積もりの期間
  • キッチンの片付けをする期間
  • 近所への挨拶をする時間

特に近所への挨拶は工事前に済ませておかなければなりません。

後で急に騒音に気づいた近隣の方々からクレームが入り、工事が中断される恐れがあるためです。

これら「その他の期間」も合わせると、だいたいキッチンのリフォーム工期としては3ヶ月くらいを見積もっておくといいでしょう。

キッチンのリフォームはどこをどれだけリフォームするかで費用も期間も変わる!

今回は、キッチンのリフォームにかかる費用と期間の目安を解説しました。

キッチンのリフォームは、どこをどれだけリフォームするか、素材などにどれだけこだわるかで、費用も期間も大幅に変わってきます。

自分が望むキッチンがどれくらいの予算でできるのかは、事前にしっかりチェックしてください。

予算の範囲内であれば、こだわりたいところにこだわるべきです。

またリフォームの際には、複数のリフォーム会社に相談して、プランを比較検討することが重要です。

複数のリフォーム会社を比較することで、できるだけ予算を抑えながら、理想のリフォームを実現することができます。

たいていの優良リフォーム会社は、無料で見積もりをします。

キッチンのリフォームを検討している方は、まずリフォーム会社に相談に行ってみましょう。