凍結防止に!配管周りに保温材を施工する方法
最終更新日 2023年1月28日
生活に欠かせない水道管などの配管。
しかし、配管をそのまま剥き出しにしておくと、凍結をはじめ、様々なトラブルに見舞われてしまう可能性があります。
それらを防止するために有効なのが、配管周りの保温施工です。
今回は配管の保温施工について、メリットと自分で行う場合の具体的な手順について解説します。
配管に保温材を施工するメリット
自宅に通っている配管は、水や蒸気、ガスなどを大元となる場所から自宅に運搬するために設置されています。
配管がむき出しの状態で使用してしまうと、外の気温などに左右されて、安全に水や蒸気、ガスなどを運搬できなくなる可能性が出てきます。
そんな事態を防ぐために有効なのが保温材の施工です。
具体的に保温材の施工を行うメリットとしては、次のようなものがあります。
メリット1:結露を防止する
給水管や冷たい空気を運ぶ配管に対して保温工事がされていない場合、配管の中を通るものが外の気温に左右されます。
外気の影響を受け起きるトラブルの1つが結露です。
冷たいものに触れた外気中にある水分が凝縮されて水となり、水滴として配管周りについてしまう事を結露といいます。
結露が起こると、配管周りに常に水が付着していることになるので、配管自体を錆びさせてしまったり、カビの原因となったり、衛生的にも良くありません。
また、自宅の壁の中などにある配管の場合には水が染み込んで、染みなどにつながってしまうこともあるのです。
保温材の施工には、そういった結露を予防する効果が期待できます。
メリット2:凍結を防止する
屋外に設置されている配管の場合、冬になると氷点下に達する可能性があります。
氷点下になると水などが凍るので、配管自体の凍結も十分に考えられます。
配管が凍結してしまうと、使用が出来なくなるだけではなく、配管の破損の恐れもあるため、できるだけ防がなければなりません。
氷点下になっても、保温材の施工を行っていれば凍結は防ぐことができます。
メリット3:温度の低下・上昇を防止する
配管内をお湯などが通る場合、配管がそのままの状態だと外気の影響で温度が下がってしまうことがあります。
逆に、冷たいものを通している場合には、外気が温かいと温度が上がってしまいます。
このように、せっかく温度調節をした水が、配管の原因で温度変化してしまうのは、不便です。
保温材の施工を行うことによって、こういった外気の影響による温度の低下・上昇を防ぐだけではなく、エネルギーの節約にもなるため、節約やエコにもなります。
メリット4:火傷を防止する
給湯管の場合には、配管自体が熱くなります。
そのため、間違えてむき出しの配管に触れてしまうと火傷をしてしまう恐れがあります。
このような給湯管は、家の中のキッチン周りや、お風呂場回りなど、小さな子どもでも手が届きやすい場所にあることが多い配管です。
そのため、小さな子どもがいる場合、安全のためにも保温材の施工をしておく必要があります。
保温材で配管の周りを覆い、手が触れないようにしておきましょう。
メリット5:快適な環境を作る
配管によって、それぞれ通るものや温度が違います。
しかし、配管が剥き出しで、外気の影響を受けやすい状態であれば、その中身の温度にも影響が及びます。
例えば、配管の中の冷風が温まってしまうと、夏場のエアコンの利きが悪くなり、電気代もかさんでしまうなども、起こり得るということです。
また、熱いお湯が必要なのに配管が冷やされてしまって、ぬるいお湯しか出ないというトラブルも起こりかねません。
そうなると小さなことからストレスがたまり、快適な日常生活が送れなくなってしまうでしょう。
日常生活に必要な快適な環境を作る上でも、配管の保温工事は必要になります。
保温材の種類
保温材は、熱が逃げる・伝達するのを防ぐ役割を持った材料のことで、材料はホームセンターなどでも購入することができます。
配管の保温に使用されている主な保温材の種類は次の通りです。
【1】ライトカバー、ライトチューブ
筒状になっており、DIYで使用するには一番おすすめなのがこのライトカバー、ライトチューブです。
ホームセンターなどで手に入り、使用しやすいのが特徴。
主な特徴は以下の通りです。
- 3種類の中で最も安い
- 初心者でも扱いやすい
- ホームセンターで手に入りやすい
- 柔らかいので加工しやすい
- サイズ展開が豊富
- 柔らかいのでしわが寄りやすい
- 夏と冬で硬さを使い分けなければならない
断熱性、柔軟性を有したポリエチレン素材の配管用保温材なので、安く購入することができます。
手に入りやすいので初心者でも扱いやすく、口径ごとに合わせられるサイズ展開をしているのも魅力です。
あらかじめ設置したい配管のサイズを測り、それに合ったものを購入しましょう。
柔らかいので加工しやすく、曲線部分などにもしっかりと密着させた状態で施工ができるライトカバー・ライトチューブですが、逆に言えばしわが寄りやすく、見た目まで綺麗に施工すると思うと難しいところがあります。
また、夏と冬で違うタイプのものを使い分けなければならないため、注意が必要です。
簡単な保温材の施工を行う場合には、ライトカバーやライトチューブがおすすめです。
【2】パイプガード
筒状の中級者向けの素材です。
主な特徴は以下の通りです。
- 価格は高め
- 施工しやすい
- 初心者が扱うには難しいが、頑張ればできる
- 耐久性が高い
- 屋外、屋内どちらでも使用可能
- 硬めの素材なので曲げることは出来ない
- 配管に密着させられる
硬質ウレタンフォームと硬質塩化ビニル管を使用した素材です。
白色のタイプと、アルミシートを複合した銀色のものがあるため、箇所によって使い分けをしましょう。
価格帯はライトカバー・ライトチューブに比べると高めですが、高い保温性と高性能を誇ります。
10年以上経っても現役として使用できるほどの耐久性があり、屋外・屋内問わず使用できるという点や、配管部分にかっちりとはめ込みながら施工していくと、綺麗な見た目に仕上げることができるという点が魅力。
一方で、素材が硬く、素人では取扱いが難しいという点がデメリットです。
また、曲線部分には、専用のものを使う必要があります。
綺麗に仕上げたいという人や、作業に関して一定の知識があるという人は、パイプガードを使ってみるのも良いかもしれません。
【3】グラスウール保温筒
グラスウール素材でできた保温材です。
グラスウールとは、ガラス繊維の綿状のものを指します。
主な特徴は以下の通りになります。
- 値段は3つのうちで2番目の高さ
- 保温筒のみであれば施工しやすい
- 保温力は一番高い
- DIYで使用するのは難しい
- ラッキングなどが必要となり、専門的な知識が必要
- 曲線部分は自分での加工が必須
アルミガラスクロスという銀色の紙で巻かれている筒状の素材です。
保温力が高く、見た目も綺麗に仕上がるのが最大の魅力。
一方で、施工は簡単ですが、初心者の方には扱いが難しいのがデメリットです。
パイプ部分は自分でかぶせることができますが、曲がっている部分は自分で曲げる加工をしなければなりません。
また、屋外での施工を計画している場合にはラッキングという専門的な工程が必要となります
そのため、グラスウールを使用したい場合には、保温施工業者への依頼がおすすめです。
配管の保温材施工手順
配管の保温材施工の手順は次のような手順で行うのが一般的です。
STEP1:道具を準備する
必要な道具は以下の通りになります。
- のこぎり
- はさみ
- カッターナイフ
- やすり
- マスキングテープ
- 防水紙
- 保温材(ライトカバー、パイプガード、グラスウール)
- 手袋
- 板金(グラスウールを使用する場合のみ)
- コーキング(グラスウールを使用する場合のみ)
事前に準備して、安全に施工を進めていきましょう。
STEP2:配管に合わせて、保温材をカットする
保温材によって使用する道具が変わりますが、それぞれでカットしていきます。
配管の長さと合わせながらちょうどよい大きさに揃えていきましょう。
この時、カットした口が危ない場合には、やすりを使って滑らかにしておく必要があります。
また、カットする時にゴミが出る場合もあるので注意しながら行ってください。
STEP3:保温材を配管に取り付ける
保温材を配管に取り付けていきます。
ライトカバーの場合にはしわにならないようにゆっくりはめ込んでいきましょう。
パイプガードの場合には硬くて曲がらないので曲線部分に注意しながら取り付けていきます。
グラスウールの場合には厚みがあるので細かい箇所に注意しながら行いましょう。
STEP4:保温材を防水紙で覆う
外部からの水分を防ぐために防水紙などでカバーします。
防水紙はホームセンターなどで安く購入することができます。
板金(ラッキングカバー)を取り付ける
グラスウールを使用する場合には、ラッキングカバーの取り付けが必要となります。
ラッキングカバーを配管に合わせてカットし、巻きつけるようにして取り付けていきます。
板金の隙間をコーキングで埋める
取り付けたラッキングカバーと保温材の隙間をコーキングで埋めていきます。
コーキング材もホームセンターなどで購入することができます。
STEP5:テープでしっかり止める
仕上げには必ずテープを使用しましょう。
綺麗に保温材を巻いたとしてもテープが上手く貼れていないと台無しになる可能性があります。
保温材の色と合わせたテープを使用し、見た目が良くなるようにするのがおすすめです。
配管の保温材施工には資格がいる?
配管の保温材施工はDIYで行うことも可能です。
複雑な工程が多い施工ではありますが、自宅の保温工事を行うのには特に資格は必要ありません。
ただし、特殊な加工を施す場合には、資格が必要になります。
保温工事に関する資格は「熱絶縁施工技能士」
保温工事に関する資格としては、「熱絶縁施工技能士」という厚生労働省が定める国家資格があります。
詳細は以下の表の通りです。
資格種類 | 受験資格 |
---|---|
熱絶縁施工技能士1級 | 7年以上の実務経験。または2級合格後、2年以上の実務経験 ※学歴による |
熱絶縁施工技能士2級 | 実務経験2年以上 ※学歴によっては経験年数は不問 |
税込み500万円以上の大規模な保温工事を行う場合においては、この資格保有者が常駐しなければなりません、
また、職長として工事に参加したりする場合にも必要です。
熱絶縁施工技能士は、専任技術者というものになります。
そのため、自宅での小規模な施工を行う際には必要ありません。
しかし、友人宅の施工を請け負う、という場合には、建設業許可をとらなければなりません。
建設業許可とは、建設業法第3条に定められている、建設工事を請け負う際に必要な許可のことです。
しかし、小規模の場合にはこちらも必要ありません。
自宅の配管に保温材をつけてみよう!
配管の保温を行うことで配管自体の劣化を防いだり、凍結を防いだりすることができます。
保温材は、DIYで使用できるライトカバー、ライトチューブ、パイプガードがあり、保温力にこだわる場合にはグラスウールという材料があります。
手順をしっかり守って行えば自分で綺麗に取り付けることも出来るので、挑戦してみるのも良いでしょう。
DIYで取り付けを行うことは可能ですが、技術に不安があったり、難しいと感じた場合には作業をやめて業者に依頼してください。
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