最終更新日 2022年8月27日

自己融着テープというのをご存知でしょうか。

一言で言うと、くっつかないけれど、くっつくテープです。

絶縁テープの中には、こんな不思議なテープもあるのです。

本記事では、自己融着テープとは何か、というところから、自己融着テープのおすすめ商品と、正しい巻き方を解説していきます。

自己融着テープとは?

自己融着テープとは、粘着剤を使っていないのに、2~3倍に伸ばしながら巻きつけることにより、テープの表と裏が密着して、一体化するテープのことです。

一度融着すれば、ビニールテープのように剥がすことはできません。

ここでは、そんな自己融着テープの原料や仕組み、誕生の背景についてお伝えしていきます。

自己融着テープの原料

自己融着テープの原料は、ブチルゴムです。

ブチルゴムは、石油を原料とする合成ゴムで、イソブレチンとイソプレンとの共重合体です。

イソブレチンが少ないため、不飽和度の小さいゴム質で、加硫しにくいという性質があります。

1937年にアメリカのスタンダード・オイル社で開発されました。

ブチルゴムは耐老化性、耐水性に優れ、高度な電気絶縁性を持っています。

また、気体の透過率が極めて少ない特性があるので、タイヤやチューブなどにも使われています。

ブチルゴムは、加硫していないので、元々自分同士でくっつく「自己融着」の性質を持っていますが、形が崩れて流れてしまうため、ポリエチレンを加えて完成させたのが、自己融着テープです。

自己融着テープの仕組み

自己融着テープの仕組みである自己融着性とは、テープをパイプなどに巻きつけた時、重なった部分にできてしまうほんの少しの空間に、時間が経つにつれて粘着層のブチルゴムが少しずつ流れ、そのほんの少しできた空間を埋め尽くしてしまう性質のことです。

空間を埋め尽くすことにより、水の通り道をなくし、また、空気との接触を遮断して、大きな防食効果を生み出します。

つまり、時間の経過とともに劣化して剝がれてしまうようなことがないのです。

また、自己融着テープを2~3倍に伸ばして巻きつけると、テープが戻ろうとする力によって、巻きつけたテープとテープの境目がつぶれ、一つの塊になり、絶縁層が一体化します。

ブチルゴムの流動しやすい性質によって、重ね巻きした層が密着状態で一体化し、気泡の入らない絶縁層を形成することになるのです。

このような仕組みにより、自己融着テープは、その名の通り自分にはくっつきますが、他のものに対しての粘着力はほとんどないため、「巻く」ことは得意ですが、平面などに「貼る」ことは苦手です。

自己融着テープ誕生の背景

1887年に東京電燈が家庭用の電灯に送電を始めると、その便利さのため、全国各地で電灯会社ができました。

しかし、当時電気機器は国産化が始まったばかりで、発電機や電球をはじめゴム製品は全て輸入品が使われていました。

やがて1950年代の初めになると、石油化学工業の発達によって、合成高分子素材が次々と誕生するようになります。

それまで電力ケーブルに使われていたテープは、天然ゴムを主剤としていましたが、電力ケーブルと同じ原料を使った絶縁テープが望ましいとされ、電力ケーブルと同じ合成ゴムと合成樹脂を使ったテープの開発が始まりました。

電力ケーブルの接続部分の耐電圧性を継続して発揮させるためには、耐候性や耐オゾン性、耐コロナ性、耐水性などが欠かせません。

これらの条件を満たすには、テープ表面に粘着物質がなく、巻きつけたテープとテープの境目に段差や気泡が発生しないことが必要です。

そこで、自着性に富むブチルゴムと、新しい合成材料のポリエチレンとを組み合わせ、テープの製造技術により、裏表に全く粘着剤を塗布しない自己融着テープが誕生したのです。

自己融着テープの種類

自己融着テープの種類は次の5種類です。

  • ブチルゴム
  • 塩化ビニールタイプ
  • アセテートクロス
  • ガラスクロス
  • シリコンテープ

一つひとつ、特徴を見ていきましょう。

ブチルゴム

ブチルゴムは、引っ張って巻くと一体化する性質があります。

剝がれると困る場所や、防水性を求める時には、ブチルゴム素材が最も適しています。

塩化ビニールタイプ

塩化ビニールタイプは、絶縁性が高いことでも有名ですが、耐熱性や耐寒性にも優れています。

さらに、柔軟性もあるので、伸ばして貼り付けることも可能です。

アセテートクロス

塩化ビニールタイプより使いやすいとされています。

柔軟性が高く、凸凹のある面にもぴったりと貼れます。

また、手で簡単に切れるので、作業の時間短縮にもなります。

ガラスクロス

ガラスクロスは耐熱性に優れています。

ガラス繊維を使った布のことで、かなりの高熱にも耐えられます。

それだけでなく、引張強度も高く、破れにくい頑丈なテープです。

シリコンテープ

ゴムとゴムが完全接着のため、接着剤のベタベタが一切なく、しっかりと密着します。

シリコン・シリカ配合であり、-50℃~260℃まで安心して使えます。

気密・絶縁・非伝導・防水のシール材、柔軟グリップ材、耐熱緩衝材としても利用でき、優れた性能により、様々な用途で使用できるテープです。

自己融着テープの用途

自己融着テープは主に、電線や地下ケーブルの接続部分、家庭内では、切れかかったAVケーブルや充電器の電気コードなどに絶縁用として使われます。

その他、耐水性があるので、水道管の修理にも最適です。

また、ゴルフクラブやバットの、グリップやスティック部分に巻きつけ、滑り止めとして使われることもあります。

このように、自己融着テープの用途はたくさんありますが、ここでは、防水性、絶縁性、耐熱性の3つのタイプに分けてお伝えしていきます。

防水タイプ

よくホームセンターや100均ショップで売られている、ビニールテープやハーネステープは、防水性が低いため、配管の水漏れや、屋外など雨や風にさらされる場所での使用には向きません。

屋外での水漏れの修理などに使うと、配管の金属が錆び、劣化や漏電の原因にもなりますので、注意しましょう。

そんな時には、自己融着テープが活躍します。

特に防水性の高い電気絶縁テープや、レクターアーロンテープなどがおすすめです。

自己融着テープは、ポタポタ落ちる漏水や水シミ補修など、水道管の圧力がかかっている箇所でも補修することができます。

ゴムの伸縮性と融着力で、破損部分や隙間をしっかり埋めて、防水してくれるのです。

絶縁タイプ

絶縁タイプの自己融着テープは、電気機器や電子回路のコードの表面のビニールが破れ、中身がむき出しになっている場合に、感電防止や電流を遮断することために使うのに最適です。

コードの中身の電線がむき出しになっている場合、絶縁タイプの自己融着テープを伸ばしながら巻きつけることで、修復しながら外部に電流が流れ出ないように遮断できます。

絶縁タイプの自己融着テープを選ぶ際に重要なのは、電気を安全に運ぶために、電圧に合った絶縁テープを使うことです。

特に、発電場所に近い場所での修理や、高電圧部分(6600V)での修復には、必ずビニール粘着テープではなく自己融着テープを使うようにしましょう。

その理由は、ビニール粘着テープでは、絶縁性があっても多数巻きする中でズレが生じ、絶縁性の効果が消滅することで、大電流が流れる絶縁破壊が起こることがあるからです。

耐熱タイプ

シリコンタイプの自己融着テープは、先述したように、-50℃から260℃超の熱に耐える耐熱性・耐寒性を持っています。

したがって、このタイプは、気密性・絶縁機能・非伝導・耐熱緩衝材として使用できます。

熱が溜まる場所でも剝がれないため、ガス管の修理などにも使えます。

自己融着テープの選び方

自己融着テープを選ぶ上で重要なのは、それぞれのテープの性質を理解して、用途に応じた使い分けをすることです。

それぞれのテープが持つ性質により、耐水性に優れているのか、または耐熱性に優れているのかなど、特徴が違ってきますので、修理したい対象にぴったり合ったものを選ぶようにしましょう。

性能で選ぶ

自己融着テープでも、先述したようなタイプの違いによって、テープが持っている能力を最大限に発揮し、修復・保持に役立てられる場所が違ってきます。

性能で選ぶ場合は、先述したような防水性、絶縁性、耐熱性などの特色を見て、選びましょう。

水道管・排水管の水漏れ修理や雨漏りの修繕など、屋外や水の圧力がかかっている場所なら、防水性に優れたタイプが使えます。

また、絶縁性に優れた自己融着テープであれば、電気機器や電子回路のコードの修繕に最適です。

火に近い場所や、非常に冷える場所であれば、耐熱性に優れたタイプが良いでしょう。

このように、修繕箇所によって、自己融着テープの性能の違いを理解し、最大限に活かせるように選びましょう。

色で選ぶ

自己融着テープは、定番の黒に加え、シルバーやホワイト、レッド、イエローなどのカラー展開があります。

特に、シリコン製の自己融着テープは、耐熱性にも優れているので、家庭内ではキッチンの水回りやコンロ回り、家の中の電気ケーブルなどにも使うことができます。

自己融着テープの中でも、一番定番カラーであるブラックは、あらゆる場所の電気コードや配線の修復に馴染みやすいカラーです。

自己融着テープは、時間が経てば何重にも巻いた層が一体化し、見た目に巻いた跡がわからなくなるので、修復する箇所が黒でなくても違和感がありません。

一方、逆に作業箇所を危険回避などのために目立たせたい、どこを修復したのか他人にも一目でわかるようにしたいという場合には、目立つレッドを選ぶと良いでしょう。

他にも、シリコンタイプと耐熱タイプの自己融着テープはカラーのバリエーションが豊富なので、修復対象のカラーや周辺の色合いによって、その場に馴染む色を選ぶようにしましょう。

自己融着テープのおすすめ商品5選

ここまで自己融着テープについて解説してきましたが、具体的に通販サイトでも販売されている自己融着テープのおすすめ商品を5つご紹介します。

全て同じ用途で使用できるものですが、メーカーによって性能や特徴に若干の違いがありますので、それぞれの製品の違いやコメントを見て、ご自分に合ったものを選んでみてください。

①<日東電工>ブチル自己融着粘着テープ (セパレーターなし)

詳細情報:長さ10m、テープ幅19㎜、色ブラック

非加硫ブチルゴム自己融着テープでノンセパレーターです。

電気特性、耐オゾン性、耐候性に優れています。

今までビニールテープや熱収縮チューブを配線修理や電化製品のコード補修に使っていた人も、この商品を一度使ってみると、べたべた感もなく、防水性に優れていて快適な使い心地であり、剝がれにくい性質が他のものより断然いいと評価の高いテープです。

絶縁機能も高いので、電気コードの補修や、金属腐食の気になる配管補修にも、安心して使用できます。

リーズナブルな価格なのに、長さは10mと十分な容量なので、家庭用なら家中どこの補修でも、これ1つで済みます。

②<3M>スコッチ電気絶縁テープ

詳細情報:長さ5m、テープ幅13㎜、色ブラック

使用温度は-10℃~100℃という高範囲の耐熱性・防水性に優れた電気絶縁テープです。

コードの電気絶縁や補強に最適です。

貼りしろと貼る部分が少ないところでも、素材の柔らかさと粘着力の高さで、しっかり絶縁できます。

また、米国UL510規格に合格しているものなので、燃焼しにくく、原産国アメリカをはじめ国内でもプロ用として広く使われている安心品質が魅力です。

テープの厚みは0.18㎜と薄い上に、さらに伸ばしながら使うと、曲面や凸凹部分にもしっかり馴染んで、隙間を埋めていきます。

細くて柔らかいイヤホンケーブル等の細かい作業もしやすく、あらゆる系統・素材の修繕に使用できる、最も使いやすいタイプの電気絶縁テープです。

③<ニトムズ>自己融着テープ M5010

詳細情報:長さ2m、テープ幅19㎜、色ブラック

剥離紙のないノンセパレータータイプなので、伸ばしながら巻くことで皮膜を破り、中のブチルゴムが流れ出て、テープが一体化していきます。

耐候性にも優れているため、あらゆる場所で使用できるのも魅力です。

電気機器のむき出し部分や、電線などにも使用できますが、直射日光の当たる場所での使用は控えた方が良いでしょう。

電気絶縁タイプで、6KV以下の各種電線ケーブル接続部分の補修に使用でき、家庭内の様々な補強、自動車整備の際にも使うことができます。

水道管やシャワーホースなどに巻く場合は、防水性を高めるために、仕上げにビニールテープを巻くと一層効果が高まるでしょう。

④<古河電工>エフコテープ2号

詳細情報:長さ10m、テープ幅20㎜、色ブラック

電気機器や電気工事用の絶縁テープとして、過去30年間世界中の作業者に高く評価されている絶縁テープです。

特に、優れた自己融着性を有しているので、非常に剝がれにくいのが特徴となっています。

このエフコテープ2号だけで、仕上げ巻きまで可能です。

古河電工の自己融着テープは、他社の製品よりも融着度が高く、強度も防水性も申し分ないという口コミも多く、信頼性の高さがうかがえます。

ただし、防水性と強度に優れている分、伸ばし過ぎると簡単に切れてしまうので、注意が必要です。

⑤<中川ケミカル>ビージーバンデージ 自己融着テープ

詳細情報:長さ10m、テープ幅25㎜、色ブラック、レッド、ホワイト、イエロー、シルバー、グレー

柔軟性の高いシリコンゴムの高い柔軟性・伸縮性・弾力性を活かし、あらゆる形状のものにジャストフィットし、余計な空洞や隙間を作らず、水漏れをしっかり防ぎます。

アメリカ軍規格ミルスペック取得済みなので、耐久性・難燃性に優れているという抜群の信頼性があります。

接着剤を使用していないのと、耐水性に優れているので、そのまま水中で作業が可能なのも魅力です。

耐油性、耐薬品性にも優れています。

保管は必ず冷暗所に置きましょう。

自己融着テープの正しい使い方・巻き方

自己融着テープは、正しい使い方・巻き方をしないと、その性能を発揮しません。

ここでは、自己融着テープの正しい使い方・巻き方をお伝えしていきます。

施工方法

施工方法は次の5工程です。

それほど難しいものではありませんので、一つひとつしっかりポイントを押さえていきましょう。

STEP1:必要な長さに切る

まず、テープを必要な長さに切ります。

かなりの長さが必要な場合は、そのまま巻きつけてもOKです。

切る時は、端を斜めになるように切ります。

そうすると、最初と最後のめくれやすい部分を強固に接着することができ、また巻き始めか

らテンションをかけていくことができます。

STEP2:引き伸ばす

セパレーターがあるものは、セパレーターを剥がし、テープを2~3倍に引き伸ばしながら巻きつけます。

STEP3:巻き始める

巻き始めは、引き伸ばしたままハーフラップ(幅方向に2分の1重ね)にして巻いていきます。

自己融着テープは、自分にしかくっつかないため、必ず半分重なるように巻きましょう。

STEP4:重ね巻きする

必要とされる厚さになるまで重ね巻きします。

配線の端子部分などは、接続部分が完全に隠れるように巻きつけましょう。

STEP5:中心で巻き終わる

巻き終わりは、ほぼ中央部にて、張力を無くすように巻き終わります。

テープをそのまま巻いていた場合は、ここで切断します。

巻き終わり部分は引き伸ばさず、被着体に押し付け、全体を指圧して、しっかりと圧着させましょう。

自己融着テープの使用上の注意

自己融着テープの、使用上の注意は3点です。

  • 巻き終わり部分を引き伸ばすと、端末剝がれが起きる可能性があるため、引き伸ばさずに圧着しましょう。
  • 巻きつけの際には、気泡が入らないよう注意しましょう。
  • 屋外で使用する場合の耐候性や、絶縁性・防水性を高めたい場合は、上からビニール粘着テープを巻きつけると、さらに効果が高まります。

自己融着テープ使用時は電気コードや水漏れに最適!

自己融着テープは、従来の粘着テープにはない発想で生まれ、ゴムの性質を十二分に活用した、非常に性能の高いテープです。

絶縁性の必要な電気コードの接続部分や、水道管の圧力がかかる配管の水漏れなど、様々な用途に最適に活用できます。

自己融着テープにはいろいろな種類があり、絶縁性や防水性、耐熱性に優れているなど、性能や特徴にも違いがありますので、自分の使いたい用途に合った自己融着テープを選ぶと良いでしょう。

DIYの得意な人であれば、自己融着テープ1つで家中の修理ができますので、ぜひ家に常備しておくことをおすすめします。

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