最終更新日 2022年6月28日

シングルレバーの水栓で水道の水を留めた時や、全自動洗濯機・食洗機・給湯器を使用している時などに「ドン!」「ガン!」という音が聞こえるウォーターハンマー現象は、たとえ音が小さくても放置すると危険な現象です。

この記事では、そうしたウォーターハンマー現象の防止・対応策と、放置すると危険な理由をお伝えしていきます。

ウォーターハンマー現象の防止・対応策

ウォーターハンマー現象の防止・対応策には、自分でできるものと、水道の専門業者に頼んで対応してもらうものとがあります。

ここでは、自分でできる対応策を2つ、専門業者に頼んでできる対応策を5つ挙げます。

自分でできる対応策

自分でできる対応策には、2つの方法があります。

一つは、水栓をゆっくり閉めること、もう一つは水道の元栓をきつめに締めることです。

それでは、一つ一つについて詳しく見ていきましょう。

【対応策1】水栓をゆっくり閉める

ウォーターハンマー現象は、水道管内の急激な圧力上昇や、水柱分離によって起こります。

これは、水やお湯の流れを急に止めることによって生じるものです。

したがって、圧力変動を緩やかにするために、シングルレバー水栓などの場合はゆっくりと

上げ下げする、ひねるタイプの場合はゆっくり閉める、などの対策が効果的です。

また、初めからあまり勢いよく水を出さないことも心がけると良いでしょう。

【対応策2】水道の元栓をきつめに締める

水道管の元栓は、ややきつめに締めておきましょう。

こうすることで、水道管の中を流れる水の量が減るため、勢いが弱まり、急止水した時の圧力変化が弱まります。

ただし、締めすぎると蛇口から出る水量が減るため、シャワーの水圧が弱くなったり、給湯器が使用できなくなったりする弊害が生じるので、注意が必要です。

業者に頼む対応策

以上の二つの対応策を試しても改善しない場合は、水道の専門業者に頼んで対応してもらうことになります。

専門業者に頼んで対応してもらえる対応策は、主に以下の5つです。

【対応策1】水撃防止器をつける

ウォーターハンマー現象を引き起こす水栓に「水撃防止器(ウォーターハンマー低減器)」を取り付けることで、水の勢いを吸収し、音の発生を抑えることができます。

これは市販もされていますが、発生個所と水栓の種類により、設置する水撃防止器が異なるため、専門業者に頼んで対応してもらうのが確実でしょう。

【対応策2】バルブを設置・交換する

ウォーターハンマー現象の防止には、配管システムに応じた適切なバルブの設置も有効です。

急開閉するバタフライバルブ、ボールバルブなどは避け、緩やかに開閉できるバルブを使用すると、ウォーターハンマーのリスクを軽減できます。

水流の量を緩やかに制御できるバルブとしては、グローブバルブやゲートバルブなどが挙げられます。

また、配管の立ち上がり部にウエハー式(ウイング式)やディスク式といったチェックバルブを設けることにより、戻りウォーターハンマーを防止できます。

さらに、エア抜きバルブ、リリーフバルブの設置も効果的です。

配管の高い位置にエア抜きバルブを設置して、空気の通り道を作ることで、配管内で水柱分離が生じた時に、弁から空気が流入し、急激な圧力の変化を防ぐことができます。

リリーフバルブは、配管内で課題圧力が発生すると、圧力を開放してくれるものです。

そのため、ポンプの吐出側配管に取り付けると、自動的に配管内の圧力を調整し、配管やポンプに生じるダメージを最小限に抑える効果が期待できます。

【対応策3】ポンプにフライホールをつける

ウォーターハンマー現象は、圧力の急激な変化で誘発されるため、ポンプの急激な稼動や停止によっても発生します。

この場合、ポンプ回転体にフライホールという装置を付属すると、慣性エネルギーが付され、ポンプをゆっくりと回転させながら徐々に停止させられるため、圧力の急激な変化を抑えることができます。

このため、停電などで急激にポンプが停止したりしても、ウォーターハンマー現象を防ぐことができるのです。

【対応策4】サージタンクを設置する

配管中にサージタンクを設置し、水柱分離が発生した時に、タンクから配管へ水を供給する方法です。

【対応策5】配管を敷き直す

配管の敷き直しについては、「築年数が数十年経過している」「水道配管が古い」「配管構造が悪い」などの場合に行われます。

単純に、古い家だから配管の敷き直しが必要というわけでもなく、新築でも配管の構造が悪い時などは、配管の敷き直しが必要になることもあるようです。 

この場合、配管口径のサイズを上げて、流速を下げ、急激な流れの変化を小さくする方法や、配管を低めに敷設することで、常に満水で圧がかかった状態にし、圧力低下を起こし難くする方法があります。

ウォーターハンマー現象を放置してはいけない理由

ウォーターハンマー現象は、上記のような対応策がありますが、音が小さい場合などは、つい面倒になって「まだ大丈夫だろう」「別に気にならないからいいや」などと放置してしまいがちです。

しかし、ウォーターハンマー現象を放置すると、大きな被害に見舞われる恐れがあります。

ここでは、ウォーターハンマー現象を放置するとどのような被害が起こり得るかをお伝えしていきます。

水道管が破損・破裂し、水漏れがおこる

ウォーターハンマー現象の原因となる水道管内の急激な水圧変動は、水道管を振動させます。

こうした振動や、ウォーターハンマーの衝撃を長年繰り返していると、配管の接続部分や給水装置、継手などの接合部にゆるみが生じ、やがて水漏れを起こします。

また、配管そのものの破損や破裂が起こる場合もあり、大変危険です。

ウォーターハンマー現象での水漏れは、「目に見えない場所」から起こることが多く、被害が大きくなるまで気づかないという特徴があります。

特に、壁の中の水道管からの水漏れは気づきにくく、マンションの階下の住人から苦情が来て初めて気づく、という場合も少なくないようです。

給湯器などに搭載されたセンサーが故障する

ウォーターハンマー現象による継続的な衝撃や振動は、接続されている機器やセンサーの故障を誘発したり、メーターの異常を招いたりすることもあります。

例えば、給湯器の湯温が急に変化したり、弁が壊れたりといった症状が起き、修理だけでは対処できずに交換を余儀なくされることもあり、リスクが高いと言えるでしょう。

騒音・振動でご近所トラブルが起きる

ウォーターハンマー現象で発生する衝撃音は、思っているよりも遠くまで伝わるものです。

発生した衝撃音が、水道管を通して広範囲に伝わり、マンションの上下階や隣家、時には通りを隔てた向かいの家でも、原因不明の異音や振動が発生することがあります。

こうした原因不明の異音や振動は、不快なだけではなく不安も与えることになり、さらにそれが深夜であったり、寝室の壁の中であったりすると、大きな苦痛を伴う場合もあるのです。

そうなると、時には「嫌がらせをされている」と捉えられてしまうなど、取り返しのつかないご近所トラブルに発展するケースもあります。

自分で対応しても改善しない場合は水道専門業者に連絡しよう

以上、ウォーターハンマー現象の防止・対応策と、ウォーターハンマー現象を放置してはいけない理由をお伝えしてきました。

ウォーターハンマー現象は、自分でできる対応策もなくはないものの、やはり専門の業者に対応してもらう方が確実に改善できると言えます。

放置して大変な被害に遭う前に、小さくても衝撃音が聞こえたら、早急に水道の専門業者に頼んで対応してもらうようにしましょう。

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修理の種類 WEB限定料金 通常料金
蛇口を締めても水がポタポタ出続ける 2,500円~ 5,000円~
混合水栓から水の出が悪い 2,500円~ 5,000円~
ハンドルからの水漏れ・締りが悪い 2,500円~ 5,000円~
ハンドル/レバーが動かない・回らない 2,500円~ 5,000円~
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