水撃防止器とは?売ってる場所や取り付け方の基本を解説
最終更新日 2022年6月29日
蛇口のハンドルやシングルレバーの水栓で水道の水を止めた時、全自動洗濯機やトイレの給水が終わった時に聞こえる、「ガツン!」「ドンッ!」といった衝撃音。
これは、「ウォーターハンマー(水撃)」という現象です。
「故障したのでは?」と気になってしまうほどの異音ですし、特に集合住宅であれば、水道管から漏水してしまうと近隣住宅への迷惑になる可能性も考えられます。
また、普段目にしない水道管周りの不具合ですから大規模な工事が必要になるのではないかと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
「水撃防止器」を利用する事で異音の解消、ウォーターハンマーの解決に繋がる場合も多いです。
今回はウォーターハンマーの原因メカニズムから、「水撃防止器」が購入出来る場所や取り付け方に至るまで、基本的な対策方法について解説していきます。
ウォーターハンマーが起こる原因メカニズム
ウォーターハンマーが起こる原因は、水道管内の急激な圧力上昇によるものです。
シングルレバー水栓などで急に水を止める際、行き場を失った流水の運動エネルギーが作用して、水道管内に高い圧力がかかってしまいます。
これは問題のない状態であっても常に起こっている事ですが、以下の理由によって異音の発生に繋がるとされます。
- 水回り器具の経年劣化
- 配管更新工事に伴う水流量の変化
- 周辺住居環境の変化による給水水圧の増加
ウォーターハンマーが起こる原因メカニズムは複数あり、一概に、誤った使用によるものではないという事は知っておきましょう。
その点を踏まえ、どのような状況だとウォーターハンマーが起こりやすいのか、今後どのような点に気を付けていくべきであるのかを、より詳しくお伝えしていきます。
蛇口タイプによってウォーターハンマーが起こりやすい?
ウォーターハンマーの原因は主に、急激な水圧変化です。
つまり、緩やかに水流を止めれば現象自体が起こるリスクは軽減します。
ハンドルを回すタイプの蛇口が主流であった以前は、ウォーターハンマーは家庭においては発生しにくいトラブルでした。
しかし、昨今の住居事情においてシングルレバータイプの水栓や、自動で急止水出来る全自動洗濯機や食洗器などの利用が増加した事で、ウォーターハンマーは身近なトラブルになっていったのです。
また住宅の高層化、過密化による給水圧力の上昇も、ウォーターハンマーを誘発する原因の1つとなります。
一戸建ての家庭よりもマンションなどの集合住宅において深刻化しているトラブルと言えます。
その為、特に集合住宅にお住まいの場合は、今のうちに対策方法を知っておく事が重要となりますので、覚えておきましょう。
長期間の放置によって生じるリスク
ウォーターハンマーによって水道管内に発生する異音は、衝撃音として壁越しに強く伝わります。
その為、とりわけ集合住宅では「原因不明の異音や振動」としてトラブルとなる事も多くなる可能性があるのです。
時には嫌がらせと誤解されてしまうトラブルケースも散見されているようですから、自分自身で感じているよりも周囲に大音量で聞こえているかもしれないと知っておくべきでしょう。
そして何よりも、長期にわたるウォーターハンマーの振動により水道管接合部や給水装置のネジのゆるみが生じ、水漏れが引き起こされる可能性もあります。
自身で察知しにくい配水管内のトラブル。可能な限り深刻化する前に対処していく必要があるでしょう。
ウォーターハンマーを自力で直す「水撃防止器」
ウォーターハンマーの原因メカニズムと対処の必要性についてお伝えしてきましたが、次に、実際に起きてしまった場合に、どう対処すべきかを考えていきましょう。
最も簡便な対策は「水道の元栓を絞る」事ですが、こちらでは蛇口から出る水量事態が減ってしまう為水圧の減少や、家電が十分に使えなくなるといった可能性も出てきます。
そこで登場するのが、「水撃防止器」です。
外付けのパーツで水圧の衝撃を吸収し、ウォーターハンマーを防止してくれる優れモノです。
工事等を行なう必要なく自力で取り付けが可能なので、ウォータハンマーのお悩みの解消に繋がる可能性が高い方法と言えます。
「水撃防止器」はどこで売っている?
普段の生活では馴染みがないかもしれない「水撃防止器」ですが、様々な場所で購入が可能です。
ホームセンターにも置かれている他、インターネット通販で多数販売している為、気軽に購入する事が出来るでしょう。
ただ種類が多岐にわたり、トラブルの箇所に応じて使用出来る形状が異なりますので注意してください。
「水撃防止器」の主な種類
「水撃防止器」は、基本的にトラブル発生個所に最も近い給水管に設置するものです。
そうする事でより一層高い効果を実感する事が可能ですので、どのタイプがウォーターハンマーのトラブルを抱えている個所に適しているかを購入前に確認しておきましょう。
- 水栓上部型:洗濯水栓や、止水栓の上部に取り付けるタイプです。
- 止水栓補助型:トイレの止水栓や、デッキタイプの混合水栓上部に取り付けるタイプです。
- 配管取り付け型:急閉止弁に最も近い配管コーナーに取り付けるタイプです。
「水撃防止器」を選ぶ際には洗濯機、トイレ、シンク等の蛇口などトラブル発生個所の場所だけでなく、接続部の形状に着目する事も大切です。
実際の取り付け方法解説の際にも詳しくご説明しますので、改めて確認するようにして下さい。
「水撃防止器」の価格帯
一般的に購入出来る「水撃防止器」の価格帯は、およそ3,000円~10,000円ほどです。
メーカーや販売経路によって、同じタイプであっても価格が異なりますので注意しましょう。
ただ基本的には先にご紹介した通り、主に用途によって価格が異なってきます。
縦長のコンパクトなタイプや、ハンドルによく似た形状のもの、しっかりとした頑丈な形のものなど、販売会社ごとに様々な形が用意されています。
ご家庭の取り付けスペースを確認し、余裕を持ったサイズの製品を購入するようにして下さい。
「水撃防止器」の取り付け方
それでは実際に、「水撃防止器」の基本的な取り付け方について解説していきます。
手順を飛ばしてしまうと水漏れの発生や、蛇口が上手く取り外せないなどのトラブルが起こる可能性も出て来るので、1つずつ丁寧に行なって下さい。
STEP1:水撃防止器を準備する
まず初めに、トラブル発生個所に設置する「水撃防止器」を準備しましょう。
「水撃防止器」の取り付け口には、ハンドルタイプと連結タイプの2種類があります。
連結タイプは蛇口や配水管を取り外して取り付ける必要がありますので、水回りの修理に対する知識がある程度必要になるでしょう。
ハンドルタイプであれば蛇口の付け替えのみで完了しますので、初めてでも簡単に取り付け出来ます。
STEP2:止水栓を必ず止める
「水撃防止器」を取り付ける際には、必ず止水栓を止めましょう。
止水栓を止めないままハンドルや接続部の工事をおこなってしまうと、水が大量に漏れ出し危険です。
安全に作業を進める為にも、止水栓や水道メーターのレバーで水流を止め、作業をおこなうようにして下さい。
STEP3:蛇口やハンドルを取り外す
ここまでの準備が終わりましたら、現在ついている蛇口やハンドルを外しての作業となります。
まずドライバーを使用し蛇口を外して下さい。
この際ハンドル式の蛇口ではなくシングルレバータイプの水栓に取り付けたい場合は、ハンドル部分の構造が異なる為、直接「水撃防止器」を取り付ける事は出来ません。
その場合は水洗下の戸棚を開け、給水管ハンドルを探してみて下さい。
給水管側にはハンドルが設置されているので、その部分に「水撃防止器」を取り付ける事で同様の効果が期待出来るでしょう。
STEP4:「水撃防止器」を取り付ける
次に、準備した「水撃防止器」を取り付けていきましょう。
ハンドルタイプを使用している場合は、元々取り付けられていたハンドルと交換するだけで作業は完了です。
連結タイプの場合は蛇口そのものと給水管の間に接続します。
その際、蛇口の距離が延長される事となりますので、それによる不具合が発生しないかどうかは注意して作業しましょう。
取り付けが完了した際に、ハンドルタイプの場合は備え付けのハンドルが余る事となります。
しばらくは念のため保管しておき、不要となった時には適宜処分すると良いでしょう。
ただし賃貸住宅の場合は退去する際に返還が必要となりますので、大切に保管しておくようにして下さいね。
STEP5:水を出して音を確認しよう
ここまでで作業自体は完了です。
止水栓を開け、ウォーターハンマーが起きるかどうか最終確認をしてみましょう。
止水栓を開け忘れ、水が出ない!と不安になるケースもありますので、忘れずに止水栓、水道メーターのレバーを開けるようにして下さいね。
音が和らいでいる、振動がなくなっているといった状態が確認出来たら取り付けは終了です。
「水撃防止器」設置の際の注意点
基本の取り付け方を知ったとしても、初めての水回り修理であれば分からない点が付随して出て来る可能性もあるでしょう。
今回は考えられる質問点に関して、例を挙げつつ代表的なものをご紹介していきます。
事前に疑問点を解消し、スムーズな取り付け作業を実現させていきましょう。
よくある疑問1:取り付けの際には、工具が必要になるの?
「水撃防止器」設置には、蛇口やハンドルの取り外しが必要となります。
その為、取り外し、取り付けに必要な工具は準備しておく必要があります。
主に必要となる工具をご紹介しておきますので確認して下さい。
ドライバー | 蛇口のネジを外す、締めるのに必要です。マイナスドライバーとプラスドライバーのどちらが取り付けに必要かなどはハンドルの形状によって異なりますので、チェックして準備して下さい。 |
レンチ | 蛇口の接続部品の中には固定ナットがあり、固く締められている為レンチが無ければ取り外しは難しいでしょう。 |
手袋 | 普段触れる事の少ない給水栓の取り替えをおこなう際には、汚れが手に付着する可能性もある為手袋を装着して作業すると良いでしょう。これらの道具を準備せずに取り付けを始めてしまうと、作業途中で先に進めなくなってしまいますので注意が必要です。 |
よくある疑問2:「水撃防止器」以外にも出来る事はある?
ウォーターハンマーは水圧変化によって起こるもの。だからこそ「水撃防止器」によって衝撃を吸収する事で、大幅な改善が見込めるのです。
ただそれ以外にも、急激な止水、吐水を防ぐよう蛇口の開閉をゆっくりするよう心がける事で日々の対策としていけます。
また洗濯機の急水栓などを常時開きっぱなしにしているご家庭も多いかと思いますが、それも水漏れトラブルを誘発する危険性がありますのでやめましょう。
常に水流をせき止めている状態と同じですので、配水管の破損や給水ホースの亀裂などによって大量の水が勢いよく溢れ出す可能性があります。
配水管のダメージも少なからずありますから、基本的には元栓を閉め、ダメージを軽減させるよう心がける事が大切です。
よくある疑問3:音が止まない……。
「水撃防止器」を取り付けたものの、衝撃音や振動が鳴りやまないと感じる場合には、更に詳しく調べる必要があるでしょう。
元々「水撃防止器」は、可能な限り自力でウォーターハンマーを解消する為の方法です。
ただどの程度の時間ウォーターハンマーを放置していたか、適切な場所に施工が出来ているかといった様々な理由で完全な改善が難しい場合もある事は知っておきましょう。
その場合にはウォーターハンマーを軽減するだけでは解決出来ない状態へと、配水管が劣化している可能性も考えられます。
放置せず、専門家への相談も検討して下さい。
「水撃防止器」を活用し、簡単ステップで異音を解消しよう!
水道の止水の際になる「ガン!」「ゴン!」といった衝撃音。一度気になってしまうと、ずっと心配を抱えたまま生活していく事にも繋がる悩みの種、ウォーターハンマー現象。
本記事では、ウォーターハンマー現象によって起こりうるトラブルを軽減させ解消していく為の強い味方「水撃防止器」について、お伝えしてきました。
住宅の高層化、過密化やシングルレバー水栓の増加など、原因メカニズムから考えても現代の住宅においては決して他人事ではなく、誰しもに起こり得る可能性のある現象です。
異音は突然気になり始める場合がほとんどで、気づかない間に起こった劣化は目視で気づく事が出来ません。
ですから異音を感じ始めた際には放置せず、早めに対策を取るようにしましょう。
「水撃防止器」を活用出来れば、大規模な工事をおこなう必要なくトラブルを解消する事も可能となる場合がほとんどですから、上記の取り付け方をしっかりと確認し、検討してみて下さいね。
異音よって生じるストレスや近隣トラブル、住居に関わるダメージを減らして安心した生活を手にしていきましょう。
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タンクに水がたまらない | 4,860円(税込み)~ | 8,640円(税込み)~ |
異臭、悪臭がする | 4,860円(税込み)~ | 8,640円(税込み)~ |
ウォシュレット、温水便座の水漏れ不具合(故障) | 4,860円(税込み)~ | 8,640円(税込み)~ |
ウォシュレット、温水便座の取り付け(交換) | 11,880円(税込み)~ | 19,440円(税込み)~ |