トイレの便器に付着した尿石を落とすプロの技を紹介
最終更新日 2022年6月28日
しばらくトイレ掃除を怠っていると、トイレが黄ばんだり黒ずんだりしてきませんか?
そうすると、見た目も悪いですし、悪臭を放つようにもなり、不快な気分になりますね。
トイレの黄ばみの原因は、尿石といって、尿に含まれるカルシウムイオン(リン酸カルシウムなどの無機成分)が濃縮及び化学反応を起こし、尿素や、タンパク質などの有機成分と結合して石化したものです。
石化した状態である尿石は、他の汚れよりもこびりつきやすい上、汚れを取りづらい厄介な性質となります。
では、この尿石を落とすには、どんな方法が有効なのでしょうか。
この記事では、普段の掃除ではなかなか落ちない尿石を落とすプロの技、そして予防方法まで詳しく解説していきます。
尿石の原因をさらっと解明!
尿石の原因は、便器の内側に残った尿や、便器の縁などに飛び散った尿が、充分洗い流されずに残り、そこに雑菌が繁殖して、どんどん固まって蓄積することです。
トイレ掃除の回数が少なかったり、立って尿をする人がいたりすると、便器に尿が残りやすくなり、尿石になりやすくなります。
尿石の掃除方法 これがプロの技!
尿石は蓄積すればするほど頑固な汚れになって落ちにくくなるので、見つけたらなるべく早めに掃除することが大切です。
ここからは、尿石のこびりつき具合によっての掃除方法を解説していきます。
【掃除方法1】軽い汚れには酸性洗剤
尿石は、付着・滞留するうちに、尿素がアンモニアに分解されて、アルカリ性となります。
したがって、これを落とすには、酸性の洗剤が有効です。
尿石が付着してそれほど時間が経過していない場合は、酸性の洗剤を塗布することで汚れが分解され、掃除用のスポンジやブラシでこすれば、簡単に除去できます。
ただし、まずトイレが酸性に対応しているかどうかを確認しましょう。
酸性の洗剤は強力なため、便器の素材によっては傷めてしまう可能性があります。
酸性の洗剤を使ってはいけない便器の場合は、説明書などにきちんと明記されていますので、洗剤を使う前に確認しておきましょう。
酸性の洗剤は強力で、肌荒れを起こす可能性が高いので、できるだけゴム手袋をつけてから使います。
特に、尿石は便器のフチ裏など手を入れないと掃除できないような場所にあることがほとんどなので、手の周りだけでなく、腕の方までカバーできるゴム手袋であれば、なおいいでしょう。
それから、便器内の水気を取るために、トイレットペーパーなどでよく拭きます。
また、徹底的に掃除するなら、トイレの水を全部抜いた状態で掃除するのもおすすめです。
溜まっている水に隠れて見えない尿石汚れが見つかることもあります。
尿石に洗剤をかけたら、ブラシでこすり洗いをします。
軽い汚れであれば、普段トイレで使っているようなトイレブラシで充分に落とせるでしょう。
トイレブラシであれば、不必要に便器を傷つけることもありません。
この時、便器の内側など、見えづらい箇所も忘れずにチェックしましょう。
排水口の周りを掃除する際は、ブラシよりも小回りの利く、使い古した歯ブラシを使うと、細部まで掃除できます。
酸性の洗剤で一番有名なのは、昭和の時代からある「サンポール」です。
次項の「尿石除去剤」としても有効です。
【掃除方法2】頑固な汚れには尿石専用洗剤(尿石除去剤)か、クエン酸+重曹
酸性の洗剤とトイレブラシで落ちない蓄積した尿石には、酸性よりもさらに洗浄力の高い尿石専用洗剤や尿石除去剤、或いはクエン酸+重曹が効きます。
ここでは、おすすめの尿石専用洗剤とそれらを使用する時の注意点、また、クエン酸+重曹での落とし方について解説していきます。
おすすめの尿石専用洗剤
尿石汚れにも効果の高い強力洗剤が『ルック』です。
青くとろみのある液が特徴で、フチ裏にもしっかり張り付いて汚れを分解してくれます。
塩素無配合タイプなので、ツンとする匂いがしないのも嬉しいポイントです。
『トレストン』は、強力な塩素を使っているにも関わらず、塩素特有のツンとした臭いがないのが特徴で、業務用として頑固な尿石落としに使われているため、効果は絶大です。
尿石にかけたあと30分ほど放置すれば、こすらずに尿石を落とすことができます。
業務用なので手軽に使えるものではありませんが、頑固な尿石をしっかりと落としたいときにおすすめです。
尿石除去剤として人気なのが『デオライト』です。
業務用のノウハウを活かして、塩酸8.5%と腐食抑制剤、溶解促進剤などを配合し、尿石を素早く溶解除去して頑固な詰まりや悪臭を解消してくれます。
1kgあるので、がっつり掃除をして尿石を取り除きたい方に向いているでしょう。
尿石専用洗剤を使用する時の注意点
尿石専用洗剤(尿石除去剤)をいくつかご紹介してきましたが、これらを使用するために以下のような注意点があります。
1.ビニール手袋をつけ、換気する | 酸性・塩素系の洗剤は手荒れすることがあるので要注意です。 また、臭いに敏感な方は、ツンとした洗剤の刺激臭で、気持ちが悪くなってしまう可能性があります。 使用する際はなるべくビニール手袋をつけ、窓や扉を開け放って換気扇を回すなど、風通しの良い状態で洗剤を使うようにしましょう |
2.洗剤は絶対に混ぜない | 酸性の洗剤と塩素系の洗剤や漂白剤を混ぜると、有毒ガスが発生し、人体に被害が及びます。 トイレの黒ずみやカビを落とすために『トイレハイター』や『カビキラー』などを使っているおうちもあると思いますが、尿石除去剤を使うときは併用しないようにしましょう。 落とせる汚れはそれぞれで違うので、落とす汚れで日を分けてそれぞれの洗剤を使いわけたほうが安全です。 洗剤を使ったあとはしっかりと水で流して、流し忘れがないようにすることも大切です。 |
クエン酸+重曹での落とし方
尿石専用洗剤は刺激が強いため、小さいお子さんがいるご家庭や、環境に配慮したい方は、クエン酸+重曹で落とすやり方がおすすめです。
酸性のクエン酸はアルカリ性の尿石に効果的であり、また、重曹を加えた際に発生する泡の力で尿石を分解し、より落としやすくなります。
クエン酸はレモンなどの柑橘系に含まれる成分で、刺激臭も少なく、人体にも比較的優しいため、敏感肌の方にも最適です。
また、クエン酸はもともと自然界に存在する成分であり、分解する際のエネルギーや時間を抑えられるため、環境にやさしいエコな商品を選びたい方にも向いています。
重曹も、食用にもなる成分ですので、もし小さいお子さんが飲み込んでしまったりしても安全です。
クエン酸+重曹で落とす場合に用意するものは、以下の4つです。
- クエン酸
- 重曹(粉末タイプ)
- 空のスプレーボトル
- トイレブラシ
用意できたら、次のような手順で掃除を進めていきましょう。
便器の垂直な面に尿石がある場合は、クエン酸水をスプレーした後に、水に溶かしたペースト状の重曹を塗り付けましょう。
また、便器に水を溜めた状態で掃除している場合は、そこにもクエン酸と重曹を入れておきましょう。
もしこれでも汚れが落ちなかった場合は、さらに数時間放置したり、クエン酸水や重曹を追加したりすると、落とせるようになることもあります。
【掃除方法3】広範囲の頑固な汚れにはトイレットペーパー
便座の裏面、便器の内部など広範囲に頑固な尿石がある場合は、トイレットペーパーをプラスして使ってみましょう。
手順①汚れの気になる部分の水気を取り、全体をトイレットペーパーで覆う
手順②その上から尿石専用洗剤や酸性のトイレ用洗剤を吹きかけ、数分置く
手順③汚れていた箇所を水で流し、たわしやブラシなどでこする
トイレットペーパーで覆うことで、洗剤が垂れずに汚れの内部まで浸透し、じっくりと汚れを分解してくれます。
尿石汚れの範囲が広く、少しずつこすり洗いをしている時間がない、という方におすすめです。
【掃除方法4】それでも落ちない頑固な汚れには耐水のサンドペーパー
耐水サンドペーパーは尿石を削り取る方法なので、ほぼ確実に尿石を落とすことができます。
ただし、同時に便器を傷つける可能性の高い方法でもあります。
便器に傷がついてしまえば、そこにまた汚れが溜まってしまうため、十分に注意しましょう。
具体的には次のような手順で行います。
まず、便器を傷つけない耐水サンドペーパーを選ぶことが重要です。
耐水サンドペーパーはホームセンターや100円ショップなどで購入できますが、品番の数字が大きいものほど目が細かくなっています。
便器を傷つけずに尿石を落とすには、1500番や1000番あたりの耐水サンドペーパーがいいでしょう。
それでも落ちない場合は少し目が粗くなる800番などを選びます。
耐水サンドペーパーは酸性洗剤のように肌が荒れたり有毒ガスを発生させたりする危険はありませんが、便器を傷つけずに削り取るにはどうしても尿石に顔を近づけて使用することになります。
削り取った尿石や汚水が顔に跳ねる危険性が高いので、手袋はもちろんゴーグルやマスクでしっかりと顔をガードするようにしましょう。
準備ができたら、尿石に直接耐水サンドペーパーを当てて、尿石を磨くようにやさしくこすります。
尿石を削りすぎて便器まで削ってしまわないように注意しましょう。
ある程度尿石が取れたら方法を切り替えます。
耐水サンドペーパーで、ある程度尿石を落とした状態であれば、この方法で落としやすくなるでしょう。
耐水サンドペーパーのおすすめを2つ挙げておきます。
おすすめ①トイレの黄ばみスッキリ棒
キメの細かな研磨材と、クッション性があり汚れ面に密着しやすいスポンジです。
洗剤いらずで、水に濡らしてこするだけで、黄ばみだけでなく黒ずみにも効果があります。
ただし力を入れすぎると便器が傷つく恐れがあるため作業は慎重に行いましょう。
おすすめ②:ピカスティック 尿石 黄ばみとり
非常に細かく柔らかい材質で、研磨力のある特殊な軽石のスティックです。
軽くこするだけでトイレの便器に付くしつこい尿石や、バスルームの水アカも除去出来ます。
水に濡らして、汚れの表面に沿って軽く擦るだけで尿石を落とすことができます。 こちらも、強くこすると傷がつくので、注意しましょう。
【掃除方法5】何をしても落ちない時は業者に依頼
「いろいろ試したのに尿石が取れない」「トイレの悪臭が気になる…」という方は、プロのトイレクリーニングをおすすめします。
トイレクリーニングの費用の相場は、一般的に6,000円〜1万円程度です。
依頼する事業者や、作業内容・オプションによって価格は変動しますが、目に見えてきれいになるので、トイレに入ることや、その後のお手入れが楽しくなるかもしれません。
主に掃除業者への掃除依頼をおすすめする理由は次の3つです。
理由1:普段届かない汚れや見落としがちな場所の汚れも落ちるので、その後のお手入れが楽になること
見た目はきれいになっていても、臭いが改善しない場合は、便器の奥に汚れが溜まってしまっているケースも少なくありません。
普段落としきれない隠れた汚れも、業者であれば、トイレの設備を傷つけることなくきれいに掃除してくれます。
理由2:専用器具や専用薬剤を使っているのでしつこい汚れも落ちやすいこと
業者に依頼すると、市販では販売されていない専用の洗浄器具や専用薬剤でトイレ掃除をしてくれます。
トイレ掃除に特化した専用洗剤を自社で開発している業者もあり、その洗浄力は段違いです。
頑固なこびりつき汚れもきれいに掃除してくれるのは、プロならではでしょう。
理由3:コーティングサービスを利用し汚れが付きにくいトイレにできること
次項の3-3でも述べますが、トイレ掃除をした後にコーティング剤を使用すると、汚れが付きにくく落ちやすいトイレになります。
素人でもできますが、やはりプロにやってもらった方がきれいに仕上がり、長持ちします。
尿石は日頃の心掛けで予防できる!
ここまで、トイレの尿石の掃除方法をお伝えしてきました。
しかし、尿石は一度こびりつくと落とすのになかなか骨が折れます。
したがって、普段から尿石が付着しないように気をつける必要があるのです。
ここでは、尿石の付着を予防するために普段からできることを3つ挙げます。
予防方法1:使用後は毎回適量の水で流す
「水道代がかさんでエコじゃないから」と、用を足した後に何回か溜めてから水を流したり、排便の時に少量の水で流したりする方もいらっしゃるかもしれませんが、これは尿石付着の大きな原因になります。
「節約のため」という気持ちもわかりますが、このような水の流し方をすると尿や汚れが残りやすくなるので辞めましょう。
トイレを使用した後は、毎回適量の水で流す(レバーをいっぱいまで回す)ようにします。
適量の水で流すということは、尿石の原因を流しているようなものなのです。
予防方法2:こまめに掃除する
知らない間に便座の裏や便器のフチにできた尿石は、時間が経過するほどより頑固な落ちにくい汚れになります。
毎日の念入りな掃除は気が重くなりますが、便器の中だけに洗剤をさっとかけてブラシでこするようにしましょう。
1分もかからないので、「入浴前のついでに掃除する」などルーティンにすれば、面倒ではなくなります。
これだけで尿石の予防には効果大です。
放置してからまとめて掃除するよりも、こまめにきれいにする方が、結果的に掃除がラクになります。
また、毎日の手軽な掃除には中性洗剤を使用し、週1回の掃除には酸性の洗剤を使うなど、洗剤を使い分けると便器を傷めずに尿石が溜まりにくくなります。
予防方法3:コーティング剤を使う
トイレの便器内をコーティングすると、水で汚れがするっと流れ、お掃除を楽にしてくれるでしょう。
手軽なコーティングでは、便器内にスタンプするタイプやスプレータイプがありますし、プロ仕様のものが家庭で使いやすく小分けされたコーティング剤も市販されています。
コーティングは便器表面の傷を埋めるように密着し被膜を作ります。
すると、水を流した時にスルッと流れるため、汚れと菌がつきにくい状態を作り出すことができるのです。
トイレのコーティング剤には「スタンプタイプ」「スプレータイプ」「塗布するタイプ」の3種類あり、コーティング作業に手間がかかるものほど、効果が長続きします。
【1】スタンプタイプ
便器内にスタンプし、流した時の水流と便器内に残った水分により、便器内に汚れ防止の成分がコーティングされる仕組みです。
スタンプしたジェルがなくなったら次のスタンプを押します。
効果は2週間が目安です。
普段のお掃除の後にスタンプできるため、頑張らなくてもよいところが最大のメリットです。
ただ、スプレーや塗布タイプに比べ、水を弾くほどのスルッと流れる効果は期待できません。
【2】スプレータイプ
失敗がなく、使いやすいのが何よりのメリットで、トイレ以外にシンクや洗面台のコーティングにも使えます。
コーティング効果は約1カ月です。
丁寧に掃除をした後、便器内の水分をふき取り、スプレーして乾いた布で拭き取ります。
黒い輪ジミの防止には、水位を下げてコーティングしましょう。
洗面器一杯の水を勢いよく流し込むと水位は下がるので、水位を下げてからスプレーしコーティングします。
水を流すと戻るので注意しましょう。
【3】塗布するタイプ
プロが使うコーティング剤の家庭版で、古い便器にも輝きが戻ってくる強力なタイプのコーティング剤です。
効果の目安が約3年と長いのが大きなメリットと言えます。
ただ、デメリットはきれいに仕上げることが難しいということです。
コーティング前の掃除で汚れが残っていたり、塗りムラがあったりすると、まだらに剝がれるケースや、コーティング効果がない部分があるなどといった場合があります。
このように失敗した場合、上から塗り重ねられないため、一旦剥離剤ではがし、再度塗り直しとなります。
やり方は、まず通常の掃除の後、便器内の水を灯油用のポンプなどで抜き、付属のクリーナーで再度便器内を念入りに掃除して水洗いします。
再度、水を抜き、便器内を拭いて乾燥させます。
便器内に均一に塗り広げ、乾くまで約6時間放置して完成です。
素人での使用はなかなか難しいため、この方法を考えられている方は、業者に依頼することも検討した方が良いでしょう。
尿石落としは大変なため普段から予防しよう
以上、トイレの尿石を落とす方法と、その予防方法を詳しくお伝えしてきました。
尿石落としには、段階に応じて使う洗剤や用品が違ったり、どれも一定手間がかかったりすることがわかりました。
そのため、普段から尿石が付着しないよう心掛けることが大切です。
特に、一度念入りに掃除して尿石を落としてから、コーティング剤を塗布するのがおすすめです。
自分でできる自信がない方は、プロに依頼することを検討しても良いでしょう。
トイレつまり・水漏れ、ウォシュレット・タンクのトラブル、修理業者料金|町の水道修理センター
修理の種類 | WEB限定料金 | 通常料金 |
トイレの詰まり | 4,500円~ | 8,000円~ |
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トイレの水が溢れる、止まらない | 4,500円~ | 8,000円~ |
チョロチョロ水が漏れている | 4,500円~ | 8,000円~ |
タンクに水がたまらない | 4,500円~ | 8,000円~ |
異臭、悪臭がする | 4,500円~ | 8,000円~ |
ウォシュレット、温水便座の水漏れ不具合(故障) | 4,500円~ | 8,000円~ |
ウォシュレット、温水便座の取り付け(交換) | 11,000円~ | 18,000円~ |