最終更新日 2022年5月26日

健康診断や胃がん検診で、バリウムを飲んだことがある方は多いのではないでしょうか。

バリウムは、飲むのも大変で、出すのも大変ですが、出した後に、便器に付着してしまうと、もっと大変です。

「トイレにバリウムの塊が残って流れない…」「ブラシでこすったら、よけいへばりついてしまった…」などという時には、ただでさえ身体がつらいのに、よけい滅入ってしまいますよね。

そこで今回は、バリウムがトイレに付着してしまった時の対処法やその際の注意点、また、それを予防する対策について、詳しく解説していきます。

バリウムが流れないのはなぜか

バリウムが含まれた便には、普通の便と違う特性があります。

それはバリウムが、「硫酸バリウム」という金属でできているためです。

ではなぜ、バリウムは流れにくいのでしょうか。

ここでは、その原因を4つに分けて見ていきます。

原因その1:バリウムが固形になってしまうため

検査の時に飲むバリウムは液状ですが、これが胃腸の中で食べたものと混ざり合い、排泄される時には、固形状の便になってしまいます。

さらに、バリウムには、すぐに固まる性質があるため、排泄してすぐに、通常の排泄物よりうんと固い物体になってしまうのです。

原因その2:バリウムが水より重いため

「硫酸バリウム」という金属でできているバリウムは、水の約3.5倍の重さがあります。

これは、通常の人間の排泄物よりはるかに重い比重です。

そのため、バリウムは水に浮かずに便器の底に沈んでしまい、そのまま底に付着して流れなくなってしまいます。

原因その3:バリウムが便器にこびりついてしまうため

先述したように、バリウムは水より重く、固形化しやすいため、便器の底に沈んでしまい、そのまま底に付着してしまいます。

或いは排泄した際に便器の壁に付着してしまうこともあります。

バリウムは水に溶けにくく粘り気も強いため、便器に付着すると、そのままこびりついてしまうのです。

原因その4:節水型トイレが普及したため

最近では、少ない水量でも排泄物を流すことができる「節水型トイレ」が普及しています。

節水型トイレは、流れる水の量が少ない分、水の勢いが弱くなってしまいます。

それは、人間の排泄物が流れるギリギリの量に調節されているので、排泄物より重いバリウムを流すことができないことがあるのです。

バリウムをしっかり流す方法

こうした非常に厄介なバリウムですが、便器に頑固にこびりついたバリウムでも、自力で対処して流す方法はいくつかあります。

ここでは、次の5つの方法をご紹介いたします。

  • 方法1:割り箸で取る
  • 方法2:ゴム手袋とブラシで取る
  • 方法3:ぬるま湯で流す
  • 方法4:酸性の洗浄剤で溶かす
  • 方法5:自然に流れるのを待つ

家庭にあるもので試すことができる方法がほとんどなので、ぜひ参考にしてください。

方法1:割り箸で取る

大きなバリウムの塊があって、水を何度流しても流れない、という場合は、まず「割り箸で取る」という方法を試してみましょう。

便器に付着したバリウムの塊は、割り箸でほぐしながら剥がすことで、取り除くことができる可能性があります。

割り箸は、バリウムの塊を直接便器から剥がすために使います。

割り箸で便器をこすらないように注意しながら、少しずつ静かにほぐして、剥がしていきましょう。

割り箸で便器をこすってしまうと、便器を傷つけてしまう恐れがあります。

ただし、細かいバリウムについては、割り箸では取り除くことができないので、次の方法を試してみましょう。

方法2:ゴム手袋とブラシで取る

便器にこびりついたバリウムを取り除くには、ゴム手袋とブラシで取る方法も有効です。

まず、ゴム手袋を着用して、バリウムの塊を取り除きます。

手を便器に突っ込むのは抵抗があるという方もいらっしゃると思いますが、これが一番簡単な方法です。

割り箸よりも小さな塊を取り除くことができます。

ある程度塊を取り除いたら、ゴム手袋を着用した手で、トイレブラシを使ってバリウムをこすります。

バリウムの塊をそのままブラシでこすると、よけいへばりついてしまいますが、塊を取り除いた後の細かなものであれば、トイレブラシでこすり落とすことができます。

ブラシは、バリウムと便器の境目である横方向から、剥がすようにこすりましょう。

この時、トイレブラシの代わりに金属製のタワシや固いブラシ、ブラシの柄などを使うのはNGです。

一見、トイレブラシよりも汚れを取り除きやすいようですが、陶器でできている便器本体に傷をつけてしまうため、傷によってできた溝に、汚れが溜まりやすくなってしまったり、傷が広がって大きなヒビとなり、最悪の場合水漏れに発展したりしてしまう恐れもあります。

そのため、ブラシはトイレ専用の柔らかめのものを使うようにしましょう。

ただし、バリウムは粘着力があるため、簡単には落ちないので、地道にこすって落とす必要があります。

この場合、キレイに落ちるまでにかなり時間がかかることもあるでしょう。

そのため、これでも落とせない場合は、次のような方法を試してみるという手もあります。

方法3:ぬるま湯を流す

便器内にバリウムの残骸だけがしつこく残っている場合は、バリウムが完全に固まってしまっているので、「ぬるま湯」を使って、バリウムを柔らかく溶かして流します。

まず、40℃~50℃のお湯を、やかんやバケツ一杯分用意します。

沸騰したお湯を流すと、かかった部分の陶器が急激に膨らんで、割れる原因にもなるので、温度は必ず50℃以下にしましょう。

お湯を用意したら、バリウムの付着した部分に向けて、直接お湯を流し込みます。

便器の水が濁ってきたら、バリウムが溶けてきている証拠です。

濁りがなくなるまで、お湯を流しかけていきます。

便器の奥の方にバリウムが付着している場合は、排水溝に向かって流し込みます。

平均3~5回で、気にならない程度にキレイになるでしょう。

ぬるま湯を使うと、たいていのバリウムは流すことができますが、それでも便器内にバリウムが残っている、或いは、流しても水が白く濁る、といった場合は、次の方法があります。

方法4:酸性の洗浄剤で溶かす

便器内にバリウムがしつこくこびりついている場合や、目に見えるバリウムはキレイになったけれど、水が白く濁る、という場合は、市販の洗浄剤を使ってみましょう。

トイレの洗浄剤として販売されているものは、塩素系漂白剤、酸性洗剤、中性洗剤の3種類が主流ですが、このうち酸性洗剤を用意します。

ドラッグストアなどで売っている、「サンポール」などが主な酸性洗剤です。

この酸性洗剤を、少しずつバリウムにかけて、溶かしていきます。

一度に大量にかけると、ただ便器の中に流れていくだけなので、少量ずつかけていくのがコツです。

酸性洗剤をかけた後、トイレブラシなどでこすると、簡単に落ちる場合もあります。

ある程度、割り箸やぬるま湯で取った後、少量の汚れに対して、酸性洗剤を使用するのが、最も安上がりな方法です。

また、「バリウムを取り除いたはずなのに、便器内の水が白く濁っている」というような場合には、便器内の目の届かない部分に、バリウムが付着している可能性があります。

その場合も、酸性洗剤を使えば、取り除くことができる場合が多いです。

こういった場合には、酸性洗剤を便器内に適量流し込み、少し時間を置いてから、水を流してみましょう。

方法5:自然に流れるのを待つ

多少バリウムが残っていても気にならないという方は、放置して、自然に流れるのを待つ、という方法もあります。

バリウムといっても、トイレの水で全く流れないわけではないので、よほど強固にこびりついていなければ、ちょっとずつ水で流れていく場合もあります。

ただし、自然に流れる期間の目安としては、10日間~14日間と言われていますので、その間ずっとトイレにバリウムが残っていることになるでしょう。

バリウムを取る時の注意点

バリウムを取る時の注意点は、とにかく便器本体に傷をつけないことです。

割り箸でこすらないようにすること、ブラシは金タワシや固いものではなく、トイレブラシを使うこと、熱湯をかけないこと、などが、主な注意点になります。

便器本体に傷をつけると、そこに汚れが蓄積しやすくなって、落ちなくなったり、傷が広がって大きなヒビが入り、そこから割れてしまったりします。

こうなると、水漏れの原因にもなりますし、便器本体は修理ができないため、トイレや水道の専門業者に頼んで、便器本体の交換が必要になってしまうのです。

バリウムを詰まらせないための対策

ここまで、バリウムがトイレに詰まって流れない場合の対処法をお伝えしてきましたが、そもそもバリウムをトイレに詰まらせないための方法があります。

これを知っていれば、バリウムをトイレに詰まらせて、必死で取り除く必要がなくなるため、次にバリウムを飲む時には、これらの方法を試してみましょう。

対策1:便器内にトイレットペーパーを敷いておく

用を足す前に、便器にトイレットペーパーを敷いておけば、バリウムと便器が直接触れないようにすることができます。

便器に触れなければ、こびりつくこともないため、これが一番簡単な方法です。

全部排出したら、さらに排泄物の上にトイレットペーパーを被せます。

こうすることで、便器や排水管にこびりつかず、トイレットペーパーと一緒に流れやすくなるのです。

ただし、トイレットペーパーは、水に溶けやすいため、トイレットペーパーを敷いたら、すぐに用を足す必要があります。

なかなか排泄できそうにない時は、別の方法を試してみましょう。

また、バリウムが便器につかないようにと、トイレットペーパーを大量に敷くのもやめた方がいいでしょう。

大量のトイレットペーパーを一度に流すと、それだけで詰まってしまう場合があります。

対策2:便器内にトイレお掃除シートを敷いておく

トイレットペーパーは、水に溶けやすいので、すぐに便が出るかどうかが心配な人は、トイレクイックルなどの厚めのお掃除シート(トイレに流せるもの)を敷いておくという手もあります。

こうすることで、バリウムは、便器に付着せず、シートの上に出されるため、シートで包んで流すことができます。

ただし、これも大量のシートを流すと、もともとトイレットペーパーより水に溶けにくいので、詰まってしまうため、注意しましょう。

対策3:水を流しながら用を足す

バリウムの詰まりを防ぐには、あらかじめトイレの水を流しておき、便器に水が流れている状態で、用を足すのも有効です。

そうすることで、水が流れている時の勢いにより、バリウムが便器に付着する前に流してしまえば、こびりつくのを防止できます。

ただし、便が便器に付着する直前に水を流さなければいけないため、流すタイミングにコツが要り、難易度はやや高めと言えるでしょう。

タイミングが早すぎたからと、連続で水を流そうとしても、水量が少なくなってしまうため、効果が薄くなってしまいます。

便器内の水が少ないと、バリウムはよけい付着しやすくなるので、注意が必要です。

対策4:下剤を飲んでおく

金属でできているバリウムは、時間が経過するにしたがってどんどん固まっていきます。

そのため、バリウムを体内から出すのが遅くなると、固まったバリウムが流れずに底に沈んで付着しやすくなる可能性が高まります。

また、バリウム便は初めドロドロしているため、少しずつ排泄していると、ドロドロが固まって便器にこびりつきやすくなる可能性もあります。

そうならないためには、検査の際に渡される下剤をしっかり飲んで、できるだけ早く、なるべく一度に体内から出すようにしましょう。

ちなみに、バリウムは24時間以内に排出しないと、腸内で固まってしまうため、便秘の原因になるだけでなく、腹膜炎や腸閉塞などのひどい合併症を引き起こす可能性もあります。

したがって、バリウムはとにかく早く排出することが重要です。

対策5:多めに水を飲む

バリウムを飲む検査が終わったら、多めに水を飲んでおくことで、体内のバリウムを固まりにくくすることができます。

その結果、排泄した時にバリウムが便器に付着しにくくなり、詰まりを予防できるのです。

また、水を多めに飲んでおくことで、「体内からバリウムが排出されない」というトラブルも防ぐことができます。

検査の際に「多めに水を飲むように」ということは指示されると思いますが、指示されたとおりに水をどんどん飲むようにしましょう。

対策6:用を足すまで何も食べない

バリウム検査の朝は、朝食抜きです。

したがって、その日の朝に排泄があった人であれば、お腹の中は空っぽのはずです。

その状態のままであれば、バリウムが混ざり合う食べ物がないため、バリウムは胃腸の中で固まらず、排泄時には真っ白な水のような便がそのまま出てきます。

液状であれば、キレイに流れていってくれるので、トイレが詰まる心配もありません。

バリウムを排泄するまで、下剤と水だけ飲んで、食べるのは我慢するようにしましょう。

前日の夜から絶食を続けるのはなかなかつらいですが、その後の苦労を思えば、こういう手もありです。

対策7:災害用トイレを使う

下剤や水を駆使しても、なお便器にバリウムがこびりつくのが心配という方は、災害用トイレを使うというのも、選択肢の一つです。

使い捨ての災害用トイレに排泄すれば、バリウムを便器内に流す必要はありません。

そのため、バリウムによるトイレ詰まりを確実に防ぐことができるのです。

ちなみに、災害用トイレの処分方法は、自治体によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

どうしても流せない時は水道業者に依頼しよう!

ここまでにお伝えしてきた対処法を行えば、たいていのバリウム便は取り除くことができますし、また、トイレ詰まりを予防することもできます。

しかし、既にトイレ詰まりを起こしてしまっている場合や、何度水を流してもトイレの水が白く濁ったままである場合などは、排水管内にバリウムが詰まってしまっている場合がありますので、すぐにトイレ業者や水道業者に依頼しましょう。

自分で排水管の奥をいじるのはトイレの故障につながるリスクがあるので危険ですし、そもそもなかなかできることではありません。

しかし、水道業者であれば、専門の知識と技術と道具を駆使して、迅速に対処することができます。

トイレのトラブルは一刻を争うものでもあり、日常生活に非常に支障をきたすものでもあるので、365日即日スピード対応してくれて、明朗会計で実績多数、アフターケアも充実しているような、信頼できる業者に依頼するのがいいでしょう。

最短30分で駆けつけてくれる業者もあるので、安心です。

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