トイレの水がなくなる・水位が低い!封水切れ4つの原因別対処法
最終更新日 2018年11月6日
「トイレを流すと、水がたまるはずなのに水が少ない」とか「気づくと水がなくなっている」、「水がなくなってトイレがすごく臭い」、こんなトラブルを経験したことありませんか。
トイレにたまる水は”封水”と言います。この封水がなくなると、強い臭気の原因になります。そこで、封水がなくなる4つの原因と対処法をご紹介します。
トイレにたまる水”封水”の役割とトイレの水がなくなる原因
トイレにたまる封水は、排水管の異臭を遮断する効果があります。トイレ以外の洗面所やキッチンなど全ての水道でも、封水ができるように排水管が設置されています。この封水がなくなると、排水管の臭いはそのまま上がってきてしまうので、臭気が漂うようになってしまいます。トイレの場合は特に臭気が強いです。
トイレの封水がなくなる原因は大きく分けて4つあります。中には自分で対処できるものもあるので、今回の記事を参考にしながら、自宅のトイレの封水がなくなる原因を見つけましょう。
原因1:排水管の汚れ
普段生活していると見る機会はあまりありませんが、トイレをしゃがんで横から見てみましょう。排水管はまっすぐ下へ向かっているわけではなく、弧を描くように上へ向かってから下へと曲がっています。
このように曲がった形状のおかげで、封水ができるのですが、汚れもたまりやすくなります。汚れがたまって排水の通りが悪くなると、水が流れきるまでに時間がかかるようになります。封水がたまる時にも排水がまだ流れ切れていないと、排水管内が真空状態になりたまった封水まで排水管へと流れてしまい、封水の水位が下がってしまうのです。
トイレの水を流して、前より水が排水されるのに時間がかかっているなと感じたら、排水管の汚れを疑いましょう。
対処法:排水管の汚れ
排水管の汚れが原因の場合、とにかく排水管をきれいにすることが重要です。昔ながらのラバーカップもいいですが、最近では業者がこれまで使ってきたような真空パイプクリーナーや排水管洗剤もホームセンターやネットショッピングで購入できます。ラバーカップよりも強力に頑固な汚れも落としてくれます。
原因2:補助水管が外れている
トイレのレバーを回すと、勢いよく水が流れます。その後、少しずつ水が便器にたまっていくのに気づいたことがありますか。タンクの中に補助水管という部品があり、水を流した後に、補助水管を通して、余分に水を送ることで封水の水位を上げる仕組みになっているんです。
トイレタンクの中を掃除する時に、間違って補助水管がオーバーフロー管から抜けてしまうことがあります。補助水管が外れてしまうと、封水の水位が下がるので、排水管の臭気が上がりやすくなります。
対処法:補助水管が外れている
以下の手順で、補助水管がちゃんと取り付けられているか確認します。
- 止水栓を閉じる
- タンクのフタを開ける
- オーバーフロー管の内側に細いチューブの補助水管が入っているか確認して、外れていれば中に入れる
- フタを閉じて止水栓を開ける
- 水を流して封水の水位が高くなっていれば修理完了
原因3:誘引現象
これは主にマンションなどで起きるトラブルです。上の階の住民が大量の水を排水立管に流すと、排水立管内の気圧が一時的に下がり、封水が排水管へと流れ出してしまうのです。
「トイレを流した後は封水がちゃんとあるのに、いつの間にか封水がなくなっている」という場合は、誘引現象の可能性があります。
対処法:誘引現象
対処法は、排水立管の空気圧を安定させることで、そのために通気管のある排水管を設置できます。ただし、自分での交換は難しく、業者に頼んでも、排水管は共用設備なので手が出せません。
そこで、まず管理会社や大家さんに相談しましょう。それまでは、対症療法ですが封水がなくなったら上から水を注いで対処します。
原因4:蒸発現象
蒸発現象は多くの場合、家を長期間空けた場合に発生します。通常、封水は1日に約1mm蒸発すると言われています。夏の間は特に気温が高くなるせいで蒸発する量が増加するので、約1カ月の間トイレを使用しないでいると、封水は蒸発してなくなってしまいます。別荘をお持ちの方、短期出張が多い方など、封水の蒸発現象は意外と身近な問題です。
対処法:蒸発現象
もっとも簡単な対処法は、トイレを流して封水がいつもの水位までたまった後に、コップ1杯の水を上からゆっくり注ぐことです。封水の水位が上がった分だけ、蒸発するまでに時間がかかるようになります。
また不動産管理をしている人がよく使う、「特殊蒸発防止剤」というものがあります。便器の封水の中に特殊蒸発防止剤を流し込むことで、種類により期間は異なりますが半年から1年ほど、蒸発を防いでくれます。環境に配慮した生分解性の成分を使ったものもあるので、安心して使用できます。
封水がなくなると、排水管の臭気がそのまま上がってきてしまいます。トイレの場合、4つの原因が考えられますが、早めに対処して快適にトイレを使用しましょう。