最終更新日 2022年3月29日

水道の蛇口から水漏れが起こった場合、たいていの原因はパッキンの劣化です。

パッキンは、基本的に消耗品で、中でも動きがある部分に取り付けられるパッキンは、その動きによってより摩耗する速度が速いため、長年使っているうちに必ず取り替える時期がやってきます。

パッキンの交換は、自分でもできますが、その際に注意しなければならないことがあります。

それは、パッキンの大きさや種類です。

これらを正確に把握していないと、パッキンの交換ができません。

そこで今回は、パッキンの大きさや種類を正確に把握するための方法をお伝えしていきます。

水道パッキンの大きさや種類を正確に把握しよう

水道のパッキンは、その形や種類、サイズが細かく分かれています。
それらを正しく把握するため、まずは大枠から解説していきます。

パッキンは形や種類が違う

一口にパッキンといっても、その形状や種類はいくつもあります。

下図を見ていただければお分かりいただけると思いますが、単水栓ひとつとっても、使われている部位によって、形状や種類が全く異なるのです。

したがって、交換しなければならないパッキンがどの部位に使われていて、どのような形状をしている種類のものなのかを正確に把握していないと、せっかく購入しても使えなくなってしまいます。

パッキンのサイズは細かく分類されている

もう1つ気を付けなければならないのは、パッキンのサイズです。

下図のように、同じ種類のパッキンでも、サイズは細かく分類されています。

これらは、水道の蛇口の形状やメーカーなどによって違いが出てくるものです。

パッキンのサイズが合っていないと、水漏れの原因になり、作業の手間も増えて大変になるため、事前によく確認しておく必要があります。

水道パッキンの種類

水道パッキンの種類は、主に5つあります。

Oリング、平パッキン、三角パッキン、Uパッキン、コマパッキンの5つです。

ここでは、一つ一つの形状について解説していきます。

Oリング

Oリングは、名前の通りOの形をした輪状のパッキンです。

ドーナツのように丸く、角がない形状が特徴で、シャワーヘッドの根元など、いろいろな箇所に使われています。

平パッキン

五円玉のように、平たくて輪の形をしたパッキンを、平パッキンといいます。

水道パッキンの中でも最もスタンダードな形です。

給水管の接続部分などに使われることが多く、市販のものは「給水管パッキン」など、取り付け箇所によって、名前が付けられていることが多くなっています。

三角パッキン

三角パッキンも、平パッキンやOリングと同じく輪の形をしています。

では、どこが三角なのかというと、パッキンの断面です。

とは言え、パッキンを切って見ることはできないので、見た目の形状でいうと、置いた時に台形になります。

パッキンの上下の片方がすぼんでいる形状で、水道蛇口のハンドル下のナットに、ちょうどぴったりはまるように作られているのです。

三角パッキンが取り付けられる際には、真下に金属製のパッキン受けという部品を伴うことが多く、三角パッキンを購入すると、このパッキン受けも一緒についてきます。

三角パッキンという名称以外にも、水栓ハンドル内パッキン、水栓上部パッキン、といった別名があります。

Uパッキン

Uパッキンも、輪の形をしているものです。

パッキンの上部に溝が彫られているため、断面図で見るとUの形になっています。

回転するような動きを妨げにくい特徴があります。

水道では、主に吐水口(蛇口の水が出るところ)の根元にはめられています。

吐水口のパイプは、キッチンシンクの中で、右の方で水を出したり、左の方で水を出したりするため、その回転を妨げないように溝が彫られているUパッキンを使用するというわけです。

Uパッキンという名称以外にも、自在パイプ取付パッキンという別名があります。

コマパッキン

水道のハンドルの下には、すべてコマパッキンが入っています。

コマパッキンは、回転させて遊ぶおもちゃの「独楽(こま)」の形状と似ています。

ハンドルをひねると水が止まるのは、コマパッキンがネジのように回転しながら下がって、水の通り道にフタをするという仕組みのおかげです。

コマパッキンは、パッキンのゴム部分が一体化したような構造になっています。

コマパッキンという名称以外にも、ケレップという別名があります。

水道パッキンのサイズの確認方法と測り方

水道パッキンは、種類ごとに大きさがあります。

劣化したパッキンを交換するには、まず自宅の蛇口に合う大きさやメーカーを調べましょう。

ここでは、パッキンのサイズの確認方法や採寸方法を解説していきます。

パッキンのサイズは「呼び径」で表記される

パッキンのサイズは、「呼び径」で表記されることが多いです。

呼び径とは、そのパッキンに対応する蛇口パイプの直径を表しています。

一般的には、呼び径13㎜と20㎜の2サイズが主で、中でも家庭用の水道パッキンのサイズは、ほぼ呼び径13㎜です。

したがって、呼び径13㎜と書かれた水道パッキンを選べば、9割がたサイズが合わないということはないでしょう。

しかし、ごくまれに、呼び径20㎜の蛇口が取り付けられていることもあります。

これをしっかり確認しておかないと、サイズが合わなかった場合に困ることになるのです。

蛇口の型番から調べる

呼び径が13㎜なのか20㎜なのかを確認するには、交換したい水道パッキンがある蛇口のメーカーと型番を調べて、呼び径の欄にどちらが書かれているか確認するという方法が、一番確実です。

蛇口のメーカーは、補習用部品として、パッキンを単体で製造・販売している場合があります。

したがって、蛇口のメーカーと型番がわかれば、実物を見比べたり、サイズを測ったりしなくても、蛇口に合ったパッキンを探すことができるのです。

メーカーと型番は、蛇口に本体の根元にあるラベルや刻印、蛇口の説明書などで確認してみましょう。

メーカー名と型番がわかったら、そのメーカーの公式サイトのWebカタログから同製品を探し、使用されているパッキンのサイズを調べます。

単水栓のメーカー名や型番の確認方法

単水栓は、壁との接地面に設けられるストッパー(台座部分)にメーカー名が記載されていたり、蛇口本体部分に記載されたりしています。

型番は記載されていないことが多く、メーカー名のみで調べることになります。

混合水栓のメーカー名や型番の確認方法

混合水栓の場合は、蛇口本体部で、メーカー名や型番を確認することができます。

メーカー名は刻印されていることが多く、型番や製品名は本体正面に貼られているシールで確認することができるでしょう。

ただし、長年使用していると、シールがはがれていたり、読めなくなっていたりすることがあるので、注意が必要です。

シングルレバーのメーカー名や型番の確認方法

シングルレバーのような蛇口の場合は、ハンドル部分にメーカー名が刻印されていることが多く、型番や製品名は、正面から見えにくい裏側などに、シールで記載されています。

蛇口と壁の接続部分のパイプの外径を測る

蛇口を見て、メーカー名や型番がわかればいいですが、使用年数が長かったり、錆びやカビがあったりする場合には、メーカー名や型番を確認するのが困難な場合もあるでしょう。

そういう場合は、蛇口と壁との接続部分のパイプの外径を、定規やノギスで測ります。

そのパイプの外径が16㎜なら、呼び径13㎜のパッキン、外径が19㎜なら呼び径20㎜の水道パッキンが、それぞれ適正サイズです。

分解してパッキンを取り出しサイズを測る

パイプの外径を測ってもわからない場合、もしくはパイプの外径を測れない場合は、自分で蛇口を分解して、パッキンを取り出して確認する必要があります。

蛇口の分解に必要な工具

蛇口の分解をする前に、必要な工具類を揃えておきましょう。

分解する部分によっては、全てが必要なわけではありません。

  • モンキーレンチ:水栓本体、固定ナットを緩めたり取り付けたりするために使用します。様々なタイプの蛇口、水道に対応できるように可変域の広い物を準備しておく良いでしょう。
  • マイナスドライバー:止水栓を閉めたり、カウンタータイプの水栓を修理したりする際に使用します。
  • プラスドライバー:水栓の種類によってはネジで固定されているものもあるので準備しておいた方が良いでしょう。
  • シールテープ:壁付け水栓を壁に取り付ける際に使用します。
  • 水栓用締め付け工具:カウンタータイプの台座を取り外す際に、水栓用締付工具があると手早く修理することができます。モンキーレンチでも外すことができますが、隙間が狭い場合に取り外しに苦労します。
  • ウォーターポンププライヤー:パイプ・蛇口本体を回す作業に使用し、ナットにも使用できます。挟む面にギザギザの溝が付いているので、使用時は部品に布を巻くと傷がつきにくいでしょう。
  • 六角レンチ:カウンタータイプの水栓の種類によっては必要になります。複数のサイズを揃えておくとどんな製品でも修理することができます。
  • ブラシ:給水管内をキレイにする時に使います。
  • タオル:蛇口内の残留水がこぼれることがあるので、素早く拭き取れるようにタオルを準備しておきましょう。

単水栓の分解手順

ハンドルの上にあるカラービスを取り外します。指では取りづらいので、モンキーレンチである程度緩めると、簡単に取り外すことができます。
ハンドルを真上に引き抜きます。
上部の固定ナットを取り外します。

モンキーレンチで少し緩め、指で回して取りましょう。

すると三角パッキンが出てきます。

ハンドルからの水漏れは、三角パッキンの交換で修理できます。

さらに、三角パッキンを外し、止水栓バルブをモンキーレンチを使って取り外すと、ケレップ(コマパッキン)が出てきます。

吐水口からの水漏れは、ケレップの交換で修理できます。

取り出したパッキンの外径と内径を測ります。

外径は円形のパッキン全体の直径、内径はパッキン中心の穴の直径です。

ケレップ(コマパッキン)の場合は、ゴム部分の直径を測りましょう。

Oリングの内径・線径の測り方は、以下の通りです。

コピー用紙を丸めて、Oリングの内側に通す

用紙の枚数や厚さを調整して、Oリングがきれいな円状にすることがポイントです。

押し広げる力が弱い場合はクリアファイルなど薄いプラスチックを使用すると良いでしょう。

コピー用紙の外径をノギスで測る

ちゃんとしたステンレス製のノギスだと、丸めた用紙を潰しやすいので、むしろ100均で買える安物のプラスチック製ノギスの方が使いやすいでしょう。

測った外径がOリングの内径になります。

線径は、直接ノギスで測りましょう。

自分で交換修理する場合にはパッキンの知識が必須!分からなかったら水道業者に依頼しよう!

今回は、水道パッキンの大きさや種類を正確に把握するための方法と、パッキンのサイズの採寸方法をお伝えしてきました。

自分で交換修理を行う場合は、必ずサイズや種類の確認が必要になるので、これらの方法を参考にしてみるといいでしょう。

ただし、ある程度工具が揃っていないと難しいこと、手順が細かく厄介なこと、手間と時間が大幅にかかることなど、素人が自分一人の力で行うのは難しい面もあります。

DIYに慣れている方ならできるかもしれませんが、水栓を見て、まずどこをどうしていいかわからない方は、水道業者に依頼することをおすすめします。

とはいえ、水道業者もたくさんあり、業者によって修理料金もピンからキリまでありますので、業者に依頼する際は、ネットなどで下調べした上で、必ず相見積もりを取るようにしましょう。

ネットや電話での見積もりは無料で行ってくれるところが多く、特にネットからの問い合わせは割引になったり、キャンペーン価格になったりするところもあります。

自分でやるか、業者に依頼するかは、よく検討して決めてくださいね。

町の水道修理センターの蛇口/水栓の交換・水漏れ修理関連の料金価格表

WEBを見てお問い合わせ頂いたお客様は キャンペーン価格でご対応いたします! ※料金はすべて税込価格です。
修理の種類 WEB限定料金 通常料金
蛇口を締めても水がポタポタ出続ける 2,700円(税込み)~ 5,400円(税込み)~
混合水栓から水の出が悪い 2,700円(税込み)~ 5,400円(税込み)~
ハンドルからの水漏れ・締りが悪い 2,700円(税込み)~ 5,400円(税込み)~
ハンドル/レバーが動かない・回らない 2,700円(税込み)~ 5,400円(税込み)~
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