最終更新日 2021年1月26日
「トイレが流れない」ときの緊急対応チャート【つまり・水が出ない・全5パターンの原因と解消方法】
突然やってくるトイレトラブル、本当に焦りますよね!急いでいる時に限って流れてくれず、大パニックに陥ってしまうことも。
「どうしたらいいんだろう・・・」と気ばかり焦ってしまいますが・・・大丈夫です!
トイレが流れてくれない状態は、大きく5パターンにわけることができ、それぞれ確認・対処方法があります。
この記事を読めば、現在どのパターンにあてはまるかを素早く確認の上、今できる適切な対処法に素早くアクセスできますので、ご安心ください。
また、後半ではトイレの詰まりなどを起こさないための予防・メンテナンス情報もご紹介しています。トラブルが一段落した後、次回以降に快適なトイレライフを維持するためにもぜひご一読ください。
目次:クリックorタップでその項目を表示します。
- STEP1:状態確認:トイレが流れない5つのパターン、今はどれ?
- STEP2-1:対処法:トイレのつまり3パターンを解消する!
- STEP2-2:対処法:トイレの水が流れない、流れが悪い2パターンを解消する!
- STEP3:予防法:トイレのつまり、水が出ないといったトラブルに備える!
- STEP4:トイレが流れないトラブルについてのまとめ
STEP1:状態確認:トイレが流れない5つのパターン、今はどれ?
まずトイレが流れない場合、「つまり」と「水が出ない」のいずれかに原因は大きく分かれます。当然見なくてはいけない箇所も変わってきますので、まずこれを確認しましょう。上図のフローチャートに枝分かれすると全部で5つのパターンがありますが、この記事では5パターン全ての対応について詳しく解説しています。
しかし、この緊急事態、順番にゆっくり読みすすめている時間はないと思います。選択肢を選んでいくことで、素早く必要な情報まで移動できますのでご活用ください。
STEP2-1:対処法:トイレのつまり3パターンを解消する!
こちらでは「つまり」が原因でトイレの水が排出されない場合についての対処法をお伝えします。フローチャートの⑴~⑶のいずれにあてはまるかを確認の上、対応していきましょう。ただ、意気込んでトイレに向き合う前にまず判断しておくことが一つあります。
緊急性の確認
このトイレのつまりを『緊急で、今すぐ解消する必要があるのかどうか』を考えましょう。他のトイレが有るなど、今すぐ直さなくても大丈夫な場合
一旦時間を置いて対応するメリットは、実はいくつもあります。今すぐ直さなければ困るという場合
トイレが一つしかなく、なるべく早く対応しなければならない等の場合は、このまますぐ準備に取りかかりましょう!つまりを取る作業は水はねなども想定されますので、下記の用具を揃えて清潔に対応できるようにすると気持ちの面でも楽です。
~道具リスト~
(★は必須のもの。〇は一緒に用意できていると手間が省けます。)
★ゴミ袋・・・水はね防止や、とれたゴミを捨てるのに使います。 ★バケツ…水を流し入れる・抜く際に必要です。2つあるとより便利です。 ★新聞紙などのシート…作業中水などが跳ねますので、汚れを拡げないために使います。 ★ゴム手袋…手作業をするため必要です。(なければビニール袋などで代用可) ★ぞうきん…汚れや水を拭き取るために必要です。 〇マイナスドライバー…止水栓の開閉時に使用します。 〇灯油ポンプ・・・トイレの水をバケツにくみ出すのに必要です。 〇ラバーカップ・・・多くのつまりで活躍します。(無い場合はペットボトル・針金ハンガー)
(★は必須のもの。〇は一緒に用意できていると手間が省けます。)
どこでつまるのか構造確認・解説
さて、必須の用具をそろえたら、いよいよ作業に入っていきます。でもその前に押さえておきたいのが、便器内部の構造と排水路のイメージです。
これを頭に入れておくことで、今のトラブルがどこで起こっているのか、またどうしたら良いのかも想像しやすくなります。
一番詰まりやすいのが『せき』の部分です。ここでない場合は奥に流れ込んで排水管を詰まらせていることもあります。排水管以降で詰まってきますと、位置の特定も難しく、業者をお呼び頂く以外には手がありません。
ですから、ここでは「せき」までの詰まりだと考えて、ここに詰まった「何か」を「どうしたら」とれるかを考えていきましょう。
3パターンの「つまり」への対処法
今一度、「つまり」の症状の3つのパターンの確認です。①②に関しては、原因がわかるつまりであり、③は原因不明時の対処法になります。①トイレに流せるものが流れない
最初は、トイレに流せるはずのものが流れてくれない場合です。放置である程度解消できる
こちらのケースでは、しばらく時間を置くことで事態が快方に向かう可能性があります。なぜかというと、「トイレに流せるもの」であるということは、再生パルプなど水に溶けやすい素材を使用しているからです。
大きなかたまりになるから詰まってしまうのであって、水分によって柔らかくほぐれ・細かくなってくれれば、せきや排水管を通るようになるはずです。
便も大腸内で水分を吸収されて固まっている食物のカスですから、水に浸かっていると水分を吸って柔らかくなり、ばらけていきます。
~放置する時間の目安~ トイレットペーパーや便なら2~3時間程度 トイレに流せる商品なら半日~一晩程度
トイレットペーパーより水に溶けやすいものは、トイレに流せる商品にはありません。ですからどうしても時間がかかります。ある程度水分を吸えば、すぐ流れずとも触って崩すことが可能になってきます。
しかし、もうちょっと素早く対処したい場合もありますよね。
そんな時は、次の方法をお試しください。
より速度を上げる工夫
基本はお湯(50~60℃程度)を入れることです。5分の1程度に時間短縮できます。カップラーメンを思い出してください。
カップ麺はあたたかい方が美味しいという点を除けば、実は水でも作ることができます。ただ、お湯の時より麺がやわらかくなるまでに時間がかかります。
水の温度が高いほど、物体の隙間に入りやすくなり浸かっているものはほぐれやすくなります。
ただ、50℃~60℃としているのはそれがほぐすのに最適な温度だからということではありません。便器の破損を防ぐためです。
便器は当然お湯を流すことを前提に作られておらず、汚れが固着しづらいことを重視しています。そのため、陶器、最近ではアクアセラミックなどの樹脂製です。熱・傷には強いわけではないため、沸騰した高温のお湯を注ぐことで、破損変形する可能性もあります。くれぐれもご注意ください。
お湯の温度管理は難しいですから、お風呂などの給湯温度を50℃などに一時設定し、お湯を出すとよいでしょう。
■便がほぐしづらい場合
便がほぐしづらい場合は、お湯と共に液体洗濯洗剤を100cc程度入れると効果的です。タンパク質を分解する成分により、便の分解が進みます。ただし、便器の材質が陶器で無い場合は注意が必要です。有機ガラスなど、洗剤を使用してはいけない素材もあります。
■「ポリマー」という水分を吸収する素材の商品(猫砂等)を流した場合
「ポリマー」という水分を吸収する素材の商品(猫砂等)を流した場合、水を含めば膨張しますので、放置は事態を悪化させます。この場合、塩50gをお湯に溶かし込んで流すことで、含んだ水分を除去し、小さくさせ、流すことができるようになることもあります。
ただし、排水管が金属製であった場合に腐食を早めますので、あまり推奨できる方法ではありません。
■水に流せるものが詰まった場合
水に流せるものが詰まった場合は、ラバーカップを適切に使うことでつまりの解消につながりやすいです。正しく使うにはコツがいります。使用前に以下の記事をご覧ください。
②異物を落としてしまって流れない
こちらではトイレットペーパーやトイレに流せる商品以外の固形物を落としてしまった、詰まってしまったという時の対処法をお伝えします。異物を落としたら、どんなものでも決して流さないこと。
トイレは「水」「排泄物」「トイレットペーパー」のみが流れることを想定していますから、それ以外のものを流してしまうと容易につまってしまいます。一度流してしまった場合でも、これ以上水を流さないよう注意してください。
注意が必要なのは、最近多い「自動洗浄タイプ」のトイレです。
プレ洗浄・使用後の洗浄の機能はリモコン操作でオフにしておきましょう。
水を掻き出して手やブラシなどでとる。
【位置が浅い!目で見て詰まってしまった物が確認できる場合】この場合は、直接取り出せる可能性が高いです。
触った異物がガッチリハマってしまっている場合、無理に引っ張ると便器破損や更なるトラブルの危険がありますので業者に依頼しましょう。
【位置が深い!目で見えず、せきの手前まで行ってしまっていそうな場合】
この場合は、まずトイレの水をある程度抜かないと手やブラシを届けることができません。
ラバーカップは最終手段。汚水ますを封じてから行いましょう。
固形物や生理用品・おむつといった水分を吸収して膨張する製品を流して起きたつまりの場合、ラバーカップの使用はかなり注意が必要です。そのため、異物対応の場合は、以下を確認のうえラバーカップを使用するようにしてくださいね。
(*汚水ますは一戸建てのみ戸外で確認できます。マンションの場合などは確認できません。他のお部屋に影響が出る場合がありますので、マンションの場合は一層の注意が必要です。)
③直接の原因は不明。奥でつまりがあるのか流れない。
こちらでは、直接自分では流したり落としたりしていないため、つまりの原因がわからない場合の対処法をご紹介します。この場合、「現在どの程度のつまりの症状か」という点を見て、原因を推定して対処することになります。
ただし、原因がわかっているほうが当然リスクは少ないです。他にトイレを使用した方がすぐにわかるようなら、思い当たることはないかなど確認をとった方が良いでしょう。
症状⑴:軽度:置いておくと、徐々に水位が引いていく
一度溜まっても、水が徐々に引いていく、だんだん水位が下がっていく場合。何かが詰まってはいるが、何らかの隙間があるから水が流れるという状況です。
~主な原因~
大量のトイレットペーパー・紙類・便や尿石など
~対処法~
この場合は固形物を落としている可能性は低いと思われます。比較的対処しやすい状態です。
下記を参考にお湯や重曹を使って直してみましょう。
症状⑵:中度:水の逆流、ゴボっと音が出る
ゴボゴボっと音が出る症状は、先ほどよりも重くなります。トイレットペーパー以外にトイレに流せる商品類が詰まっている恐れがあります。 特に猫砂など水分を吸収して膨張している可能性があるので、最近こういったものを流してないかよく思い出してください。~主な原因~
トイレに流せる商品類、猫砂、大量の紙類や便など
~対処法~
ある程度固形化して詰まっている可能性があります。ラバーカップ(いわゆるスッポン)などの器具を使い、詰まりの原因を吸い出しましょう。
猫砂の場合は塩をまくことで水分を減らす効果が期待できるため、トイレの水を抜いてから塩をまき、1時間程度放置してから同様の作業をする対応方法もあります。しかし、金属製の排水管の場合、劣化につながることもありますのでご注意ください。
症状⑶:重度:完全に水が流れない。溢れるくらい便器に溜まる
トイレの水の引きが弱いにも関わらず使い続けるとよく見られる、 溶け残ったペーパーなどの上にさらに異物が蓄積されている状態です。また、キャップなどの異物が完全に塞いでしまった際にも起こり得ます。~主な原因~
溶け残りや流れ残りの固形化、その上にさらに蓄積されたもの。 固形物が完全に排水管内を塞いでしまっている
~対処法~
これ以上水を流すと、溢れる危険があります。水は流さず、まず水を汲み出しましょう。
異物の場合、奥に押し込めば排水管を詰まらすなどより事態を悪化させてしまうことにつながりかねません。
業者への依頼も料金を一度確認して検討するのも手です。
それでもご自身で一度対応される場合、固形物を奥に押し込まないように細心の注意を払ってください。
ラバーカップ、針金ハンガーやビニール袋などは、あくまで手前に引き寄せる使い方が大事であることを忘れないでください。
STEP2-2:対処法:トイレの水が流れない、流れが悪い2パターンを解消する!
こちらでは何らかのトラブルでレバーをひねってもトイレタンクから「水が流れない」もしくは「水の流れが弱い」ことによって排泄物が流せない状態を解消していきます。フローチャートの④⑤のいずれにあてはまるかを確認の上、対応していきましょう。
この場合は便器の中ではなく、タンクを中心に見ていくことになります。
急いで原因を突き止めて行きたいところですが、最初に次のことを確認しましょう。
まずはトイレの水が出ないことの報告・周知から!
水が出ない、流れが悪い場合にトイレの排泄物を流すこと自体は容易にできます。ご安心ください。その代わり、原因追究や部品交換などには時間を要するケースも多いです。
ですからまずは、他のトイレを使う可能性がある人に現在の異常を伝える必要があります。
また、水流の問題の場合でも時間を置いて対応するメリットはいくつもあります。
水が出なくてもトイレは流せる!緊急処置法
トイレの詰まりがないのであれば、排泄物は流せます。タンクレストイレでも、タンク付きトイレであっても、水流により便器の排水部分に水の重みがかかり、奥の部分まで水が押し上げられることで排泄物が流れる仕組みに変わりはありません。全く流れず一杯目であふれることはないので、安心して作業してください。
ポイントはシンプル。 沢山の水を便器に勢いよく流せば良いというだけです。
ですので、必要なものは以下の4つです。
以前、水道が止まった際に2ℓのペットボトルの水で流そうと試みましたが、当然失敗しました。水洗トイレでは2ℓペットボトルにして4本分程度の水が必要なんです。災害による断水時などの目安にもなりますので、覚えておくと役に立ちますよ。
さて、汚水を流すことができれば落ち着いて対応できますね。それでは続いて原因を探って、問題の解消に向けて動いていきましょう。
トイレの水が流れる構造確認・解説
さて、点検作業に入る前に、まず給水管からトイレタンク内を通って、便器の中に流れ出るまでの構造を確認しましょう。
イラストのように、不具合のチェックポイントは⑴~⑺までに分かれています。
しかし、全てを最初から細かくみる必要はありませんし、見極め手順も難しくはありません。
まずは現在の症状が、以下のどちらかをお選びください。
④水栓レバーをひねっても水が出ない場合の点検
困った事態ですが、原因は掴みやすいです。タンクまで水が来ていなければタンク以前の給水で問題が生じています。
タンクに水が入っていれば、タンク内で問題が発生している可能性が極めて高いです。
まずはタンクを開けてみましょう。
トイレタンクに水がない
この場合、タンクへの給水が止まっている状態だと考えられます。以下⑴~⑷を順に確認していきましょう。
原因⑴断水している
トイレに原因があるのではなく、お風呂やキッチンなど家全体が断水している可能性はないでしょうか。停電によってポンプが止まっている場合、当然断水します。また、予告されてはいるはずですが、付近の工事によって一時断水する場合もあります。断水の場合はトイレの故障ではありませんので、対処法は停電や断水が終わるのを待つのみです。
すでにバケツで水を給水して汚水処理が完了している場合は、このパターンではないと確認ができてしまっていますね。
原因⑵止水栓が閉まっている
たまに起こりうるのがこちらのケースです。止水栓を閉めればタンクは給水できなくなります。原因⑶ボールタップの不具合
ボールタップは給水管から給水を調節する部品です。給水管からのゴミや錆をキャッチするフィルター(別の場所についている機種もあります)や水圧を調節するダイヤフラムといった部品がついています。
この部品のどこかで不具合がある場合、タンク内に水が給水されなくなる可能性があります。断水・止水栓の開け忘れ・浮き玉の不具合がなければ、こちらを疑ってみてください。
※関連記事:→ボールタップの交換・点検の詳細はこちら!
原因⑷浮き玉の不具合
浮き玉は水位の上昇・下降を調整する部品です。この浮き玉が壁や他の何かに引っかかって上がった状態のままになると水量不足になります。
ひっかかりを発見したら、それを動かしてみてください。下まで沈めば給水が再開するはずです。
それでも浮き玉が下がらないトラブルが続けて起きるときは交換を考えましょう。
アーム部分が錆びても不具合が起きます。動かないようであればブラシなどで錆びを落とせば改善する場合があります。
浮き玉の破損などがあれば、部品交換が必要です。
トイレタンクに水がある
レバー操作で水を流すことができていない状態だと考えられます。レバー・玉鎖・ゴムフロートの三つによってタンク内にたまった水を便器に流す仕組みは構成されています。ですから原因になりうるチェックポイントはこの三つ、⑸~⑺です。
いずれも止水栓を閉め、下部で栓をしているゴムフロートを引き上げて排水してから作業をおこなってくださいね。
原因⑸水栓レバー・軸の不具合
経年劣化や衝撃などにより、タンク外部のレバーと結合しているタンク内の軸が折れたり曲がったりしてしまっている場合があります。この場合には、当然レバーは空転するなどして手応えを失います。
レバー自体を新たに購入・交換する必要があります。
原因⑹玉鎖の不具合
玉鎖はレバーの軸と、タンク内下部で栓になっているゴム玉・ゴムフロートをつないでいる鎖です。この部分が経年劣化し、レバーを勢いよくひねったりした際に切れたり、外れたりすることがあります。すると当然ですが、タンク内の水は流れなくなります。この時レバーをひねった際には手応えがなく、スカスカの感触です。
もしも切れていた場合には、玉鎖を購入の上、交換が必要です。
ただ外れていただけの場合は、元の位置につければ直ります。
原因⑺ゴムフロートの不具合
タンクの最下部で便器への排水管の栓をしているゴム玉・ゴムフロートも経年劣化すると固着・摩耗し、位置のズレなどの不具合を起こします。ゴムフロートは鎖でつながっているだけで交換は比較的容易な部分です。
もしも原因がこちらだった場合は、サイズを確認の上、自力交換をオススメします。
部品交換が必要な場合は業者連絡も
部品交換の難易度は、部品毎に変わってきます。必要な部品の特定が出来れば、作業料金なども電話などで問い合わせ確認がしやすいですので、お気軽に連絡・検討ください。
タンクレストイレの場合
最近のタンクレストイレは、従来のトイレと違いタンク部分が外に露出していない・手洗い部分が外付けである等、すっきり・オシャレ・掃除がしやすいと人気がありますね。タンクレス式の多くは電気制御していますので、タンク有りのトイレとは違ったケースが発生します。
原因Ex.1停電・ブレーカーの問題
電気制御をしていますので、電気が流れないと排水ができません。(手動排水装置がついているものもあります。ご確認ください。)原因Ex.2バルブ・ポンプ・電気系統部品の故障
停電でない場合、見えない部分での故障の可能性が高いです。お手持ちの説明書や品番からインターネット上で説明書を閲覧し、対応方法をご確認ください。
⑤水栓レバーをひねっても水の出が悪い・水圧が弱い
完全に水が出ないわけではないが、どうも水圧が弱く、流れが悪い場合の点検方法をこちらでご紹介します。全く水がでない状態よりも見つけづらいのですが、この状態を放置すると、
気づいた段階でしっかりと点検し、メンテナンス・部品交換などを行うことで正常な状態に戻しておきましょう。
タンク内の水が少ない
原因⑴給水フィルターの目詰まり
給水時にサビやゴミが混入しないようにフィルターのついている機種があります。位置や構造は機種毎に違いがあり、止水栓部位についている場合やボールタップに付属している場合がありえます。
このフィルターが目詰まりしてしまうと、給水が非常に遅くなる、完全にたまらないなどの状況につながります。取り外して掃除をする必要があります。
清掃方法は、便器の機種を検索・説明書を確認すると良いでしょう。
原因⑵ボールタップの浮袋部分の劣化
タンクへの給水量を、接続した浮き玉の浮き沈みによって調節している部分がボールタップです。通常は排水すると水がなくなるため、浮き玉は沈みます。水が溜まると浮き上がりますが、浮き玉が破損すると沈みっぱなしになり、結果として正しい水位調節機能が失われていきます。
この場合、ボールタップ全体、もしくは浮き玉部分の交換が必要です。
原因⑶玉鎖の緩み
トイレレバーの軸とゴムフロートをつないでいる「玉鎖」がゆるんでいる場合にも水圧低下が起こります。鎖がゆるむと、栓が低い位置までしか上昇しません。すると早めに栓がされてしまうことで、便器に流れ出る水量が少なくなり、結果として水圧も弱くなってしまいます。
この場合、鎖を短く紐で結ぶなどすれば、上昇位置を調整できます。
止水栓をマイナスドライバーで止め、排水してから作業しましょう。
適正位置は、水圧を見て判断することになります。
原因⑷ゴムフロート(フロートバルブ)の劣化・破損
タンク内の水が流れ出る穴を塞いでいるのがゴムフロートです。通常、簡単に劣化・破損する部品ではないです。しかし、これが破損などをするとお風呂の栓が少しズレてしまっている時のように、チョロチョロ水が漏れ出すようになります。
結果、本来たまるはずの位置まで水量が至りませんので、流した際の水圧が低下してしまいます。
この場合、ゴムフロート(フロートバルブ)の交換が必要です。
タンク内で節水している
タンク内を開けてみると、ご家族のどなたかが節水をするためにペットボトルなどを沈めて水量調節をしていたケースもあります。トイレの機種毎にタンク内の適正水量はすでに調節されています。
それ以上の節水は、かえって「つまり」の原因や部品の破損など、タンク内トラブルを引き起こしかねません。
何か入っていた場合には、取り出して節水を中止するようにしてください。
ただ、「節水をしよう」というのは、家計や環境を思ってのことですので、決して悪いことをされていたわけではありません。
節水の工夫をされていた方の気持ちをまず受けとめた上で、このページなどをご紹介ください。
タンクレストイレの場合
最近のタンクレストイレは、従来のトイレと違い、タンク部分が外に露出していない・手洗い部分が外付けである等、すっきり・オシャレ・掃除がしやすいと人気がありますね。元々トイレのタンクが上部についていたのは、落下する水の水圧を利用するためでした。
それがタンクレス式の多くは水道管の水圧に加えて電気制御で水圧を調整する仕組みになっています。
とても便利な反面、内部構造に問題が発生すると、ご家庭では対応しづらいのが難点です。
原因⑴水道管の水圧不足
建物の構造によって、水道管の水圧がそれほど出ない場合があります。通常、トイレを設置する施工業者が水圧の確認をしているはずです。
しかし、水圧不足にも関わらず設置しているケースもありますので、一度施工業者にお問い合わせください。
構造的にタンクレス式に適していない場合、トイレ自体を交換する必要があります。
原因⑵見えない部品の故障
タンクレストイレの水量・水圧は電気によって制御され、バルブ・ポンプ・タンク・電気系統などはそのスタイリッシュでコンパクトなフォルムを維持するために見えない場所に格納されています。そのため、こうした場所に不具合が生じた場合はメーカーに問い合わせや業者対応が必要になります。
お手持ちの説明書や品番からインターネット上で説明書を閲覧し、対応方法をご確認ください。
~部品交換が必要な場合は業者連絡も~ 部品交換の難易度は、部品毎に変わってきます。
必要な部品の特定が出来れば、作業料金なども電話などで問い合わせ確認がしやすいですので、お気軽に連絡・検討ください。
STEP3:予防法:トイレのつまり、水が出ないといったトラブルに備える!
STEP2までの内容で、無事に緊急事態に対処することができたなら幸いです。トイレのつまり・水が出ないなどのトラブルは、遭遇すると非常に高いストレスがかかりますよね。また、対処するのに時間も費用もかかります。業者対応ともなれば、負担はより高くなってしまいます。
こうした自体を避けるためにも、予防法の知識を持ち、トイレに負荷をかけない使い方をして、定期的にメンテナンスしていくことが重要です。
トイレトラブル予防の3つの基本
こちらでは意外と抜けがちなトイレのトラブル全体を予防する基本知識をお伝えします。「トイレの使い方なんて、レバーをひねるだけでしょ?」と思いますよね。
そう、トイレの使い方はとってもシンプルです。
単純なルールが3つあるだけですから、今一度確認して徹底してみてください。
⑴便とトイレットペーパーだけを流す
トイレは排水管も含め、水に溶けやすい適量のトイレットペーパーと便を流せるように設計されています。とにかくトイレの詰まりを防ぐには、流すものに細心の注意が必要です。⑵大・小のレバーを使い分け、過度な節水をしない
節水のため、大を小で流す、タンクにペットボトルを入れると言った行為も実はトイレを詰まらせる原因になります。 トイレの水量はそれだけで流しきれるように適切な量に元々調節されています。設定よりも少ない水流で流すことで排水管内に残留物が残ってしまうと、使うたびに同じ場所に蓄積され、固着していってしまうのです。
最近のトイレは標準で節水機能が付いているものが多いです。それ以上の工夫による過度な節水は小さな排水管を知らないうちに詰まらせていってしまいますので、できるだけ控えてくださいね。
⑶トイレに小物を置かない、持ち込まない。
可愛らしい小物や飾り、子どもが好きなヒーローの塩ビ人形など、見た目を楽しむのも良いものです。しかし、ひとたび便器に落としてしまうと、大変な事態に陥ってしまいます。小さいお子さんや年配の方と同居している場合には、なるべくトイレ内に物は置かない方が賢明です。トイレの詰まりはこわいものですが、予防に関しての知識を家族で共有していればそうそう起きるわけではありません。更に以下の点にも気をつけておけば、トラブルの危険性をより下げられるはずですよ。
トイレに流せるが注意が必要なもの、決して流してはいけないもの
ここからはつまりを予防するための、具体的な知識をお伝えします。3つの基本で確認しましたが、トイレットペーパーと便以外は流さないものだと思ってください。その上で、流してしまいそうなもの達を理由も含め、こちらで紹介します。
大量のトイレットペーパー、水になかなか溶けないトイレットペーパー
トイレットペーパーでも丸めたり大量に流したりすると詰まりやすくなります。 性質上水に溶けやすいですが、密度が高まることで溶けにくくなるのです。また、海外製や粗悪なトイレットペーパーの中にはまれに溶けにくいものがあります。
お使いのトイレットペーパーを一度ご確認ください。水につけて溶けにくいようなら今すぐ使用を控えることをオススメします。
水に流せるタイプの商品(お掃除シート・猫砂など)
「水に流せる」と書いてあるからと、気軽に流していませんか。量が多くても、頻度が高くてもつまってしまう可能性があるので注意が必要です。トイレットペーパーより溶けやすい物はあまり無いので、直接流すのは控えたほうが無難です。猫砂は水分を吸収するタイプがあります。
特に猫砂は注意が必要です。水分を吸収して固着し、後処理しやすい作りになっているので、そのままトイレに流すと更に水を吸って膨張、つまりの原因になります。 注書きにも記載されていますが、流すときは細かく、1日に2~3回に分けて行います。
ティッシュ、紙類
トイレットペーパーと見た目は同じでも材質が違うティッシュペーパーも詰まりやすい代表格。ティッシュペーパーは水に1時間浸してもなかなか溶けないことで有名です。
その他には『雑誌を細かくちぎってトイレに流したところ詰まってしまった』という事例も。いくら紙類とは言えトイレットペーパー以外は基本的に水に耐性を持っています。 紙は思っているよりも水に強いので、流さないようにしてくださいね。
生理用品・おむつ
トイレ内で処理することの多い生理用品やおむつは、汚れもあるためそのままトイレに捨ててしまいたくなることがあるかもしれません。しかし、それは絶対厳禁です。生理用品もおむつも水分を吸収する素材が使われています。
時間経過によりトイレの内部で詰まりを発生させてしまいます。
吐瀉物、食品関連
吐き気を催しトイレに駆け込んだり、カップラーメンの残り汁などを流したりしたことがありませんか。後の処理が楽だからと、ついしてしまうのですが・・・実はこういった使い方はNGなんです。量が多かったりすると当然詰まってしまう要因になります。
また、吐瀉物も未消化のため多量の油分を含むことが多いです。
油は排水管にへばりつきやすいので、これらのものをできる限り流さないようにしてください。
ボールペンやキャップ、おもちゃなどの固形物
こちらは不注意で落としてしまう場合です。ボールペン・ボトルのキャップ・子どもの小さなおもちゃなど、うっかり便器に落としてしまうことがありますよね。「小さいし、別に大事ではないから取らずに流してしまおう・・・」と思ってしまいますが、大変危険ですのでおやめください。必ずその場で取り出しましょう!
一度奥まで流れてしまうと、後々取り出すために便器を取り外さなくてはならない一大事になる可能性がありますので、お子さんにも何かを落としてしまったら必ず伝えるように話しておくと良いでしょう。
水の流れトラブルを予防する2つの基本メンテナンス
ここからは水の出が悪くなる、完全に止まってしまうなどのトラブルを予防するメンテナンス方法を紹介します。今回の記事の中で、水が出ない・水の出が悪い(水圧が弱い)という2パターンのトラブルの対処法を説明しました。
オーソドックスなタンク付きトイレの場合、故障などはほぼタンク内部で起きます。
そのため、タンク内部の掃除・点検を定期的に行うこと。そして、その作業を通して内部構造に見慣れていくことが、トラブルの発生確率の低減・万が一の発生時の対応力向上につながります。
⑴掃除:重曹などを使った簡単なお手入れを頻繁に
普段トイレタンクを開けていないと、正直開けるのが怖くなります。臭いところにはずっとフタをしていたい・・・それが私たち忙しい現代人の常です。実のところトイレタンク内はいつも水で一杯のため、湿度が高く、水あか・黒カビなどが大変発生しやすい場所です。トイレの臭いの発生源、タンク内部のみならず便器にも汚れを拡げていく諸悪の根源になりかねません。
タンク上部の汚れが酷ければ内部の点検などする気が起きませんし、いざという時に自分で修理する気力も湧いてこないです。
~やり方とポイント~
・月1回程度の短いスパンで。
トイレタンク用の洗浄剤を投入。その後寝る前に重曹を投入して朝まで放置します。
朝にはそれぞれトイレを使用しますので、タンクの中身は入れ替えられます。
・半年に1回程度の長いスパンで。
止水栓を閉めてタンク内の水を流します。
ゴム手袋を着用の上、トイレ用洗剤・トイレ用拭き掃除シート・歯ブラシを使ってタンクのフタと中ブタの表裏、そして内部の上方を軽く掃除していきます。
⑵点検:劣化箇所がないか目視でチェック
半年に1回程度の内部クリーニング時はタンク内の水は抜いていて、各部のチェックがしやすい状況です。せっかくですから、掃除の後に点検していきましょう。あまり触るとかえって劣化や故障を誘発しますので、あくまで異常がないか目視確認程度でも構わないです。
STEP4:トイレが流れないトラブルについてのまとめ
さて、ここまでトイレが流れない5パターンへの対処法、こうしたトラブルを起こさない予防方法をお伝えしてきました。最後にこちらでおさらいをしていきたいと思います。⑴日頃のシンプルな使い方の徹底と予防を
予防に関しては、以下の5点でしたね。半年に1回の点検は正直気が重いとは思いますが、掃除と一緒に内部構造を見慣れておくと、家族や職場の誰かのトイレトラブルが何か起こった時にもすぐに対応・アドバイスができるようになります。ぜひやってみてください。
⑵緊急時は一旦深呼吸して、状態確認から
突然のトイレトラブルがやってきてしまった場合は、まずは落ち着きましょう。⑶いざというときは業者対応を
応急処置をご自身でした後、より難しい対応は業者にご相談頂く選択肢もございます。おわりに
いかがでしたでしょうか。無事にトラブルが解消されたなら幸いです。お時間の関係で、「大量のトイレットペーパーが詰まった!」というところだけ読むなど、部分的に確認された方も多くいらっしゃるかと思います。
お時間できた際、こちらの記事に一通り目を通して頂くと、起こりうるトラブルの全体像がわかり、トイレトラブルを防止に役立つはずですよ。快適なトイレライフのために、ぜひご活用くださいね。